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発展途上国の子どもたちがノートPCを使う方法は先進国の子どもたちと違う

by Intel Free Press

どの国に生まれようがどんな家庭に生まれようが、全ての子どもたちには学習する権利があります。デジタル技術の習得を目的に貧困国の子どもたちへノートPCを与え、学習の機会を与える活動を行う団体である「One Laptop Per Child project」は、発展途上国の子どもたちがプライベートで使うノートPCの使用方法に、先進国にはない特徴があることを発見しました。

How kids in a low-income country use laptops: lessons from Madagascar
https://theconversation.com/how-kids-in-a-low-income-country-use-laptops-lessons-from-madagascar-93305

One Laptop Per Child projectは2005年にマサチューセッツ工科大学が立ち上げた教育プロジェクトであり、6歳~12歳を対象とした無料の教育用ソフトを搭載したノートPCを作成し、30カ国以上の発展途上国の子どもたちに学習の機会を与えています。プロジェクトの目的は全ての子どもたちと教師、そして地域社会全体がコンピューターに関わり、誰もがコンピューターに対する興味と責任を感じることにあるとのこと。ノートPCを与えられた子どもたちは、自分に与えられたコンピューターを学校での学習以外でも、自宅に持ち帰って好きなことに使うことができます。

アフリカの島国であるマダガスカルは人口の75%(約2500万人)が、統計上娯楽や嗜好品に費やす収入が全く存在しない「貧困線」を下回る収入しか得ることができず、教育や生活水準が貧弱であるとされています。One Laptop Per Child projectはフランスの団体と協力して、マダガスカル北東部に位置するノシコンバ島の小学校に通う5~15歳の子どもたち160人に対し、ノートPCの支給を行いました。もちろん単にノートPCを渡すだけでなく、技術や管理・財務・教育に関して多岐にわたるサポートも同時に提供したとのこと。

支給したノートPCには、子どもたちがどのようなアプリケーションを利用したのかを示すログが残されており、One Laptop Per Child projectは子どもたちにノートPCを渡してからの12カ月にわたるログを分析。同時に、家庭での聞き取り調査も実施したところ、ノシコンバ島の子どもたちは学校と家で、ノートPCを全く違うやり方で活用していることがわかりました。

by US Army Africa

子どもたちはノートPCを使い学校では主に学習アプリや教育ゲーム、そして教科書の代わりとなる電子書籍や電子計算機、オンラインの地図などにアクセスしていました。一方、家に戻れば先進国の子どもたちと変わらず、音楽をオンラインで探して聴いたり、ゲームをしたり、宿題をしたりしていたとのこと。年齢の低い子どもたちはほとんど電子書籍などのアプリを使いませんでしたが、4、5年生くらいになると、電子書籍などを利用する頻度が向上していました。

ノートPCを使ってアクセスするアプリに関しては、先進国の子どもたちとほとんど差が見られなかった発展途上国の子どもたちですが、ノートPCの使用する方法自体には大きな違いが見られたそうです。ノシコンバ島では家族一緒に子どものノートPCに集まり、ゲームをしたり写真を見たり、音楽を聴いたりしていました。ノートPCは、兄弟・親・友人たちといった既存の社会関係を強化するために役立つツールになっていたのです。

発展途上国の子どもたちは通常、ノートPCを買う余裕がないことが多いため、なかなかコンピューターに触れる機会を得ることができず、大人になっても高給が望めるPCエンジニアなどの職に就きづらい現状があります。One Laptop Per Child projectなどの支援により、多くの子どもたちに学習の機会を与えることが、世界をよりよくするために急務とされています。

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