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映画館が35年ぶりに解禁されるサウジアラビアで映画「ブラックパンサー」が初上映作品に選ばれる


宗教的保守主義が取られることにより、35年にわたって映画館の営業が禁止されてきたサウジアラビアで、2018年4月18日から映画館が解禁されます。2018年1月には「史上最低」と名高い映画「THE EMOJI MOVIE」が初上映作品となるとして報じられていましたが、変更があり、初の上映作品は映画「ブラックパンサー」になる模様です。

‘Black Panther’ Will Break Saudi Arabia’s 35-Year Cinema Ban – Variety
http://variety.com/2018/film/global/black-panther-to-break-saudi-arabias-35-year-cinema-ban-1202744703/


ブラックパンサーはアフリカの秘境にある小国・ワカンダで、新国王に即位したティ・チャラが漆黒のスーツに身を包んだヒーロー「ブラックパンサー」として、ワカンダ発展を支える鉱石・ヴィブラニウムの秘密を守るために活躍するというストーリー。映画の予告編は以下から。

マーベル「ブラックパンサー」予告編 - YouTube


1979年に起こったイラン革命とスンニ過激派によるモスク占拠事件を受けて、サウジアラビアでは極端な宗教的保守主義が取られるようになり、1980年代初頭からは公的な娯楽や男女が一緒にいることがよしとされず、映画館の営業が禁止されるようになりました。しかし、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は石油資源に依存しない経済・社会を目指し、女性の運転を解禁するなど改革を進めています。改革の1つとして映画館が解禁されることは2017年12月に発表されていましたが、今回初めて、解禁後初の公開作品がブラックパンサーになることがわかったというわけです。

ブラックパンサーは、リヤドの新都心であるKAFD(King Abdullah Financial District)にあるコンサートホールで上映される予定。600席のレザーシートを備えたラグジュアリーなホールは、もともとオーケストラの演奏を目的として建築されましたが、4月18日以降は映画館として利用されます。


映画館を有するAMC Entertainmentによると、これから5年のうちにサウジアラビアで40館の映画館がオープンする予定であり、2030年までには100館の映画館のオープンを見込んでいるとのこと。

サウジアラビアは3200万人の人口のうち70%が30歳未満であり、比較的裕福であることから、映画による収入は10億ドル(約1070億円)を越え、市場として上位に入ってくると予測するアナリストもいるとのことです。

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in 映画, Posted by darkhorse_log

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