「皿洗い問題」にどう対処するかはカップルの関係と持続性に大きく影響する

by G Morel

数ある家事の中でも特に「皿洗い」をパートナーと分担するか否かで、女性がパートナーとの関係に満足するかどうかが大きく影響を受ける、という報告が発表されています。自分1人で皿洗いを担当している女性は、パートナーとの関係や、性行為に対する満足度が低いそうです。

CCF BRIEF: Not All Housework is Created Equal: Particular Housework Tasks and Couples’ Relationship Quality | Council on Contemporary Families
https://contemporaryfamilies.org/houseworkandrelationshipquality/

Doing Dishes Is a Major Source of Relationship Tension - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/family/archive/2018/04/doing-dishes-is-the-worst/557087/

Council of Contemporary Families(現代家族協議会／CCF)に間もなく発表される予定の報告によると、「誰が皿洗いをするのか？」という問題は人間関係の長さと健全さに大きく影響するとのこと。この報告では買い物・洗濯・掃除などさまざまな家事について調査を行ったところ、異性愛の関係を持つ女性にとって、「洗いもの」の責任をパートナーと共有することが、他のタスクに比べて重要であることがわかったことが記されています。皿洗いを主に自分1人で担当している女性は、皿洗いをパートナーと分担あるいは共有している女性に比べて、パートナーとの関係について満足度が低く争いが多いと説明する傾向にあり、また性行為においても満足度が少なかったことが判明しています。他のどの家事よりも、皿洗いというタスクをパートナーと共有することで幸福度を高めることができるわけです。

by afromztoa

報告を行ったユタ大学の社会学准教授であるDan Carlson氏はこの理由について、「シンクには古くなって傷んだ食べ物があり、皿洗いは気持ち悪いものです。幼児のいる家では子ども用のカップの中で凝結したミルクから嫌な臭いが漂います」「また、料理やガーデニングと違い、皿洗いは褒められることがあまりありません」と語っています。

Carlson氏は家事の中で最も人気のない「皿洗い」というタスクが、女性と関連付けられやすいということについて指摘。慣習的に女性は掃除・洗濯・皿洗いといった家事の責任を負うことが多く、一方で男性は芝刈り・ゴミ捨て・洗車といった、人間のあか汚れなどとはあまり関連しないタスクと結び付けられがち。今日では、汚れを扱うタスクを任された女性は「人の嫌がる仕事を押し付けられた」と感じるのではないかとCarlson氏は考えています。

1965年、男性が家事を行う時間は1週間あたり2時間ほどでしたが、今日では1週間あたり4時間となっており、男性が家事に割く時間は倍増しています。CCFの報告によると、1996年から2006年にかけてで、皿洗いを分担するカップルの割合は16％から29％にまで増えました。友人の家に行き、男性パートナーが皿洗いをしている様子を見れば、1人で皿洗いを担当している女性はより不満を募らせるだろうとCarlson氏は語っています。

皿洗いを分担しているカップルは「料理は私、皿洗いはあなた」「月曜日はあなたが料理を担当、火曜日は私が担当」という風にタスクを分担するか、あるいは一緒に作業を行うため、「チーム」として機能するようになります。また「洗うのは私、拭くのはあなた」というようにして、皿洗いは他の家事に比べて役割をはっきりと分けることができるので、一緒にキッチンに立って同時に1つの作業を行えるのも、人間関係を良好にすることに役立っているかもしれません。チームワークが必要な作業を定期的に行うことが、パートナーとのつながりをより強く感じられるようにする可能性があると、Carlson氏は見ています。

by Soroush Karimi