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古代遺跡の姿を往時のものに巻き戻して見せてくれるムービー


古代の遺跡には建築された場所の文化や歴史が刻まれており、多くの人々を魅了しその場所に足を運ばせます。しかし、姿が現代に残っていたとしても、時間による風化や、戦争などにより「建築当時の外観」は残されていません。往年の姿を再現するとどんなものになるのか、Expediaが「7 ancient ruins around the world, reconstructed」というムービーで見せてくれています。

7 ancient ruins around the world, reconstructed | Expedia Viewfinder
https://viewfinder.expedia.com/features/7-ancient-ruins-around-world-reconstructed/

1:パルテノン神殿
ギリシアの遺跡といえばパルテノン神殿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。46本の柱を中心とした姿が現代に残り、多くの観光客が集まる場所となっています。


1975年から本格的な補修作業が行われていますが、このムービーでは補修を飛び越えて、完成当時の外観を再現しています。まずは往年の外観が白い線で描かれ……


風化して黄色くなった表面が当時の色に戻り、風化などで失われた屋根部分や神殿内側も元通りに。


そして、装飾も元通りになって、往時はこうであっただろうという姿に戻りました。パルテノン神殿はアテナイのアクロポリスに建てられた神殿で、アテナイの守護神・アテナを祭っていました。オスマン帝国の支配下で火薬庫として使われていた1687年、ヴェネツィア共和国の攻撃によって火薬が爆発炎上し大きな被害を受け、1806年にはイギリスの貴族・エルギン伯によって装飾が持ち去られました。


2:ノホック・ムル・ピラミッド
メキシコにあるマヤ文明の遺跡。紀元前100年から紀元100年までに建てられたと考えられているピラミッドです。ピラミッドの高さは42mにも達し、ユカタン半島で最も高いピラミッドで、白い石が積み上がったような外見をしていますが……


白いフレームが現れると、直線的な外観と空に続くような階段が現れ、人の手によって作られた建設物だったというのが一発でわかります。


色が塗られると全くの別物になります。ユカタン半島のマヤ人が1542年にスペインに征服されたのち、ノホック・ムルはジャングル奥地だったことから、1550年ごろには放棄されたとみられます。再発見されたのは19世紀に入ってからですが、正式に存在が再確認されたのは1926年のこと。1973年までは一般公開されていませんでしたが、2018年現在は公共交通機関や自動車で行くことができ、ピラミッドの頂上に登ることもできます。


◆3:ジュピター神殿
ナポリ湾沿岸にある古代ローマの小さな街、古代都市ポンペイの神殿です。このような外見になったのは、西暦79年8月に遺跡から17kmほど北北西にあるヴェスヴィオ火山が大噴火し、ポンペイが崩壊してしまったから。


フレームが描かれると、現在の姿から想像できない屋根の形までわかります。


柱が立ち……


壁面がそびえ、三角形の屋根がのって完成。ジュピター神殿はポンペイ時代に空と雷の神である木星をまつっていた場所で、ポンペイの宗教において中心的な役割を果たしていました。


◆4:ハドリアヌスの長城
次はイギリス北部にある遺跡です。ただの草が生い茂る小高い丘に見えますが……


白い線が描かれると、建設当時敵の侵入を防ぐ壁だったというのがわかります。


壁は山を越えて続いており、終わりが見えません。ハドリアヌスの長城は完成当時、全長118kmにもなり、壁の高さは4~5メートルで、厚さは場所によっては約3mもあったと考えられています。


建設時期は諸説ありますが、西暦117年に即位した皇帝ハドリアヌスが領土防衛のため、西暦122年から10年の歳月をかけて建設し、1000人以上の兵士が配置されていたとされています。


◆5:ルクソール神殿
エジプトのルクソール東岸にある古代エジプト時代の複合的な神殿です。紀元前1380年代に即位したアメンホテプ3世の命令で、スフィンクスの参道を通してアメン大神殿を結ぶように建てられました。


現代に残ったスフィンクスは向かって右側の2体だけですが、向かって左側にも2体いて、神殿を守るように並んでいました。オベリスクももとは2本でしたが、1本は19世紀に入ってからエジプト国王ムハンマド・アリーがフランスに贈り、1833年からコンコルド広場に立っています。


ちなみに、オベリスクは神殿建設当初からあったものではなく、建設から100年ほど後にラムセス2世によって改築された時に中庭と同時に作られたもの。


色が塗られて荘厳な遺跡が完成しました。


6:テオティワカン
テオティワカンは、メキシコで紀元前後にできた考古学的に重要な都市です。画像中央で白くててっぺんが緩やかな山のように見える「太陽のピラミッド」は、テオティワカン最大の建物でメキシコ中部の中で最も古いピラミッドの1つ。


緩やかなのは風化などの影響によるもので、建設当初はもっと直線的な外観をしていたと考えられています。テオティワカンは紀元前後に成立した都市で、4世紀から7世紀にかけて最盛期を迎えましたが、急激に衰退し、8世紀ごろには滅びたとみられています。


◆7:トッレ・アルジェンティーナ広場の神殿B
1920年代、ローマでアルジェンティーナ塔を取り壊して付近を再開発するため工事していたところ大理石像の一部が見つかりました。調査の結果、この場所には共和政ローマ時代の神殿A・B・C・Dとポンペイウス劇場があったことがわかり、現在は「トッレ・アルジェンティーナ広場」となっています。ムービーで復元されているのは広場中央にあり、柱6本と階段のみしか現存していない「神殿B」です。


ムービーでは、見る影もなかった神殿Bの柱と内壁が再建され……


屋根ができて、あっという間に往時の姿に。2018年現在、この広場の近くには多くの野良猫が住み着いているので、広場に野良猫の避難所が設けられています。

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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