赤外線を顔に当てることで顔認識システムをだますことができる可能性を科学者が指摘

By Ashish Gupta

顔認識システムは空港のセキュリティシステムやiPhone Xのロック解除など、あらゆる分野で使用されています。中国の研究者によると、赤外線を顔に照射するだけで顔認識システムをだますことができ、照射方法を工夫すれば別の人物になりすますことも可能であると指摘しています。

Invisible Mask: Practical Attacks on Face Recognition with Infrared
(PDFファイル)https://arxiv.org/pdf/1803.04683.pdf

This Hat Can Fool a Face Recognition System Into Thinking You're Moby - Motherboard
https://motherboard.vice.com/en_us/article/59jm8d/trick-face-scan-hat-infrared

ヂュー・ジョウ氏らのチームの研究によると、赤外線を顔に照射することで顔認識システムをだますことができ、システム上は完全に別の人間と認識させることが可能であるとのことです。実際の悪用例として野球帽を使った方法が示されています。

研究チームがプロトタイプとして作成した野球帽には……


つばの裏側に赤外線を照射する小型のLEDが貼り付けられています。ジョウ氏によると、このLEDから顔面に赤外線を照射するだけで、顔認識システムは帽子をかぶった人物が特定できなくなるとのことです。


研究によると、赤外線の照射場所を工夫すれば特定の人物になりすますことができ、70%以上の確率で特定の人物の顔として顔認識システムに判定させることができたと報告しています。

つまり、攻撃者に顔認識システムを通過できる人物の顔写真を入手されてしまうと、システムに登録されていない別の人物が、認証を突破できるように細工される可能性があるというわけです。そして、この野球帽に貼り付けられたLEDは小さく、また赤外線を肉眼で認識できないため、警備員など近くにいる人物が不正行為に気づくのは難しいとのこと。

この論文は記事作成時点で査読されていないため、結果が保証されているわけではありません。しかし、ただ赤外線を顔に照射するという簡易的なトリックで、顔認識システムをだませてしまう可能性と悪用例が示されており、システムの改善が必要になることを指摘しています。

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