「IBMのサービスを購入しない10億個の理由」をウェブビジネスのプロがシンプルに解説

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コンピューター関連サービスの巨人IBMは多くの公的機関を顧客に持つハイテク企業の名門ですが、数々のITビジネスを支援してきたアレック・キニアー氏は、自分なら絶対にIBMからサービスを購入しないとのこと。キニアー氏は、IBMを選ばない理由を「A billion reasons never to buy IBM services(IBMサービスを購入しない10億個の理由)」という刺激的なタイトルで解説しています。

A billion reasons never to buy IBM services
https://foliovision.com/2018/03/why-not-buy-ibm

10億個の理由について説明する前に、キニアー氏はIBMから給与計算システムを購入したカナダ政府が800億円以上の損失を被っているタイムリーな話題を振り返っています。なお、この件についてはGIGAZINEで記事化済みです。

人間の給与計算部門をまるごとクビにして入れ替えたIBMのシステムが820億円の損失を生み出す - GIGAZINE


IBMは公共機関に対してサービスを提供する場合、「失敗するほど多くの報酬を得る」とキニアー氏は述べています。つまり、サービスにトラブルが生じれば対応が必要になるものですが、その度に費用が加算されかえってIBMは儲かるという構造で、まるで「軍需産業」のようだとキニアー氏は揶揄しています。

キニアー氏によれば、自分ならIBMには絶対にサービスを依頼しないと述べる理由は「得られる対価に対してサービスが高いから」につきます。IBMはかつては世界最高のソフトウェアとサービスを持っていましたが、コスト削減のために、開発チームの海外移転を進めてきたとキニアー氏は指摘します。

例えば、IBMがスロバキアのブラチスラヴァに拠点を置くチーム(IBM Slovakia)は、各部門に直属の部下を10人持つ1人のアカウントマネージャーというのがその実態だとのこと。つまり、顧客が連絡した場合に対応する担当者はたった2人だけだとキニアー氏は述べています。スロバキアは地理的な理由から英語などの外国語の学習レベルは高いため、「中級レベルのサービス業務」ではトップクラスの質を持つとのこと。しかし、ソフトウェアなどの専門的な知識を要求されるはずのIBMの顧客担当者としてのスキルが足りていないそうです。

かつてIBM Slovakiaの採用担当者と話したことがあるキニアー氏によると、IBM Slovakiaのメンバーとして採用されるには、「英語は話せますか?」「机に座れますか?」「コンピューターの電源を入れられますか?」という3つの質問に「イエス」と答えらればOKだったと冗談まじりに話しています。

なお、スロバキアでは技術的な仕事は行われません。技術的な仕事はインドのバンガロールを中心とした部門に送られます。キニアー氏によると、インドのチームは技術者の入れ替わりが非常に激しく、特定のプロジェクトの作業に継続性が見られないとのこと。仮に自分がIBMの顧客だった場合、ビジネス上のデータがさまざまな管轄を超えて専門家の間で転送されることで、情報漏洩の危険性を心配するとキニアー氏は述べています。


IBMの顧客企業は1時間当たり数百ドル(数万円)の開発費用を支払っていますが、IBMは時間あたり4ドル(約430円)を開発者に支払い、非常に効果的に利益を上げているとのこと。「IBMに依頼する企業は、ソフトウェアでは10倍、ハードウェアでは5倍の時間単価でエンジニアを雇うことができます」と述べています。「エンジニアを人件費の安い海外に求めて請負業者のように粗末に扱い、顧客からは高額の費用を請求している」というのが、キニアー氏がIBMを利用しない理由のようです。

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