松下幸之助の生涯を追いかけて名言の数々から学びを得られる「松下幸之助歴史館」を見てきた


パナソニックが創業100周年を記念して、大阪府門真市にある本社敷地内に「パナソニック ミュージアム」をオープンします。ミュージアムは松下幸之助の経営観・人生観に触れられる「松下幸之助歴史館」、パナソニックのものづくりのDNAを探る「ものづくりイズム館」、2006年にオープンした「さくら広場」で構成されています。今回、一般公開に先立って内覧会が行われたので、どのようなミュージアムになったのか、隅から隅まで見てきました。

創業者・松下幸之助の思いを未来に伝承する『パナソニック ミュージアム』が2018年3月7日(水)オープン、3月9日(金)より一般公開 | トピックス | Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン
http://news.panasonic.com/jp/topics/158241.html

場所は門真市大字門真1006番地。京阪本線西三荘駅から徒歩2分ほどです。オープン前からGoogleマップに「松下幸之助歴史館」が表示されていますが、これは創業50周年のときに作られた「松下電器歴史館」のこと。以前から「パナソニック ミュージアム」と呼称されてきたので、今回は50年ぶりのリニューアルといえます。


◆松下幸之助歴史館
西三荘の駅から横断歩道を渡るとすぐに従業員用入口がありますが、そこには入らず、案内板に従って府道158号線沿いに歩いて行くと……


右手側にパナソニックミュージアムへの入り口があります。左側の建物が「松下幸之助記念館」で、その前に「創業者 松下幸之助翁寿像」が立っています。


丸窓がおしゃれな記念館。この外観は、1933年に門真に作られた本店・工場の姿をそのまま模しています。ちなみに、場所も当時の本店跡地そのままの場所で、より正確な再現を追求しているとのこと。


左側に映った煙突や、2階部分にちらっと見えている舵輪も当時の外観を再現したもの。舵輪は、松下電器の進路を定める本店の使命を象徴しています。


ずらっと並ぶ松下幸之助の写真。奥にいくにつれて若返っていきます。


馴染みのある、晩年の松下幸之助の写真。


敷地内を自転車で走る姿の写真もありました。


当時と現在の敷地を比較した地図が展示されていました。右下が西三荘駅で、立体的な模型になっている部分が1933年当時の工場敷地、濃い色で示されているのが現在の敷地。今は国道1号線を挟んだ北西側にまでエリアが広がっています。


展示室は「松下幸之助に出逢える場所」として、「道」をコンセプトに松下幸之助94年の生涯をたどる内容となっています。最初に目に入るのは立派な松の木。「松下」の姓は、樹齢数百年という立派な松の大樹のそばに家があったためだとのこと。


ここから、時代軸と事業軸で松下幸之助の生涯を追うことができます。幸之助が何を考え、どういう行動をしたかということが写真付きパネルで説明されているほか……


各所に松下幸之助の名言と、その名言のもとになった幸之助の文章を示した「松下幸之助のことば」カードが用意されています。


旧歴史館にあった「創業の家」がそのまま移築されています。なお、旧歴史館は幸之助がまだ存命だった創業50周年事業で作られたものなので、幸之助によって細かいところまで往時の姿が再現されています。


「なぜこんなに薄暗く見えづらい展示にしているのだろう……」と思う暗さなのですが、これは、当時の照度を再現しているためだとのこと。


家の中では幸之助の妻・むめのが作業をしています。


土間にいるのは松下幸之助。


アタッチメントプラグの材料を混ぜて釜で煮ているのはむめのの弟で、のちの三洋電機の創業者・井植歳男。


5章「飛躍」のパートはちょうど高度成長期に差し掛かり、テレビや冷蔵庫といった家電類が姿を見せます。


来館者から「これは何?」と質問を受けるアイテムNo.1がこの写真の右側に写っている家電。クーラーです。


松下幸之助と会社にまつわるエピソードも多々登場。


晩年は「明日の指導者を育成する」ことを目指して、松下政経塾を開塾しました。


社会にもさまざまな貢献を果たした松下幸之助は……


1989年、94歳で亡くなりました。


展示室に併設されたライブラリーでは、紙資料2万点・書籍1200冊・写真やネガ3万枚・音声2000本・映像5000本など、100年にわたる膨大な歴史資産をデジタルデータ化したものを閲覧可能。


閲覧端末の隣にあるスロットに、展示室に置かれていた「松下幸之助のことば」カードを差し込むと……


カードに書かれた言葉に関連する資料が表示されて、全体から検索するよりも素早く目的の情報にアクセス可能です。


壁面には松下幸之助の著書などの書籍が展示されています。


それぞれの書籍の情報が表示されるほか……


「経営と商売のコツ5冊」など、あるテーマに沿った書籍はどれなのかを教えてくれます。


エントランスではここに展示されている書籍の一部を含め、扇子やトートバッグ、手ぬぐいなどの品が販売されています。


◆ものづくりイズム館
歴史館の隣にある「ものづくりイズム館」は旧歴史館なので、外観がそっくり。こちらは「パナソニックの『ものづくりのDNA』を探る」と題して、人々の100年の暮らしの変化とともに歩んだ歴代製品約550点が展示されています。


入館するとナショナル坊やがお出迎え。


この壁面は、以前使われていたもの・現在も使われているものなど、歴代ロゴが彫られています。


エントランスから続くのはストレージギャラリー。象徴的な1号商品やデザイン家電などが展示されています。まず、入り口に最も近いところにそれぞれのジャンルの1号商品がまとめられていました。


テレビ、ラジオをはじめとしたアイテムがギッシリと並んでいます。


パナソニックといえばプラズマディスプレイを国内大手で最後まで作り続けていたことで知られています。


ストレージギャラリーの先にあるのはマスターピースギャラリー。「思いやり」「感動」「安心」「新定番」「家事楽」「自由」の6つのテーマごとに、その分野の「マスターピース」となった製品が展示されています。


デジタル方式携帯電話として初めて100gを切った、当時世界最小・最軽量の携帯電話「デジタル・ムーバP201HYPER


モバイルノートPC「レッツノート」は今も改良を重ねながらリリースされています。


現在でもこの形のまま続いているロングセラー「ハイ三角タップ」「ハイトリプルタップ」もあります。


ヒストリーウォールは横16m×縦2.2m、636インチのスクリーン。8K映像で100年の製品を一望できます。また、スクリーンの下には松下幸之助自らデザインしたものを含めて、「宣伝・広告の100年」が一覧で見られます。


ナショナル坊や軍団と一緒に写真を撮れるスペース。


なお、展示のラストにはガチャコーナーがありました。


「The KADEN collection」として「白黒テレビ」「電気冷蔵庫」「噴流式電気洗濯機」「ルームクーラー」「電気自動炊飯器」の全5種類が入っています。


1回500円なので、うまくいけば2500円で家電創世記の家電群が揃います。


◆さくら広場
「ものづくりイズム館」から道を挟んだ向かい側にあるのが「さくら広場」。地域貢献の一環として、3月1日~10月末は9時~17時30分、11月1日~2月末は9時~16時30分のあいだ、無料開放されています。「企業は社会の公器である」という松下幸之助の言葉を反映しています。


ソメイヨシノ190本が植えられています。


ちなみに広場の中には築堤のようになった場所があり、その切れ目から「松下幸之助 門真旧宅」と「大観堂」に行けますが、この2つは限定公開となっていて、普段は開放されていません。


「松下幸之助 門真旧宅」は1933年に門真本店が建設されたときに新築されたもの。


「大観堂」はパナソニックの発展に寄与した加藤大観師の功績をしのんで1956年に建立されたとのこと。


もともと歴史館は「操業者の経営理念を学び、その実践を未来に継承していく場」として作られたとのことで、主にパナソニックの社員教育に活用されているとのことですが、松下幸之助という傑物の生涯や名言の数々、そして生み出された製品の数々はとても興味深いもので、パナソニックと関係のない人でもいろいろな学びを得られる内容となっていました。

ミュージアムは入館無料なので、機会があれば足を運んでみて下さい。

・関連記事
なぜパナソニックは「Made in Japan」にこだわるのか、レッツノート神戸工場見学レポート - GIGAZINE

松下が社名をパナソニックに変更、ナショナルブランドは消滅 - GIGAZINE

パナソニックのサイトの価値は812億円、日本の有力企業ウェブサイト価値ランキングトップ20 - GIGAZINE

パナソニックがスマートフォン事業から撤退 - GIGAZINE

in 取材, Posted by logc_nt