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ダウンロード速度が低下しているときにサーバー管理者が調査すべき内容とは?


インターネット回線の速度が遅いとき、「自分の周りにいる人がYouTubeなどの動画サイトでムービーを見ていたりして、混雑しているのかな」などと考えることがあると思います。しかし、原因の推測ができても特定に至るには、調査するための専門的な知識が必要となり事実上不可能ともいえます。iOSやmacOS向けのウェブ開発用アプリ「Coda」などを開発しているPanicでは、突然アプリのダウンロード速度が遅くなったため調査を行ったところ、原因を突き止めることができたとのことです。

Panic Blog » The Mystery of the Slow Downloads
https://panic.com/blog/mystery-of-the-slow-downloads/

実際にPanicが行った対応は以下のムービーを見るとわかるようになっています。

The Mystery of the Slow Downloads - YouTube


Panicのネットワーク構成はとても単純で、Panicのサーバからユーザーまでの間にAWSPaaSCDNなど他のネットワークを経由するするようなシステムは導入していないそうです。Panicのサーバーはユーザーとの間にプロバイダー(Cogent)があるだけの構成になっています。つまり、一般家庭でインターネット回線を契約して使用する場合とほぼ同様の環境です。


Panic内部では考えられるサーバーの設定ファイルやOSのパラメータなど見返したようですが、特に問題はなかったようです。そこで、20MBのファイルをダウンロードするテストスクリプトを書き、テストを行うことにしました。ここでは、問題となっているPanicサーバーと別の拠点にあるLinodeと呼ばれるサーバーでダウンロード速度を比較することにしたとのことです。


実際に多くのプロバイダーのネットワークを通してダウンロードを行うと、Comcastのプロバイダーに接続しているユーザーのダウンロード速度だけが著しく遅いという事実が判明しました。


通常プロバイダー(ISP)間はピアリングを行っており、相互に疎通確認を行いながら経路の情報や接続状態などの情報を交換しています。


このため、ユーザーが接続プロバイダーの異なるサーバーに接続しようとすると、事前にISP間で経路情報などのやり取りが行われているのでスムーズに通信ができるというわけです。


しかし、今回の問題はPanicサーバーが接続しているCogentとComcastのプロバイダー間の通信が何らかのトラブルでうまくいっていないことが考えられます。


Panicによると、CogentはComcastのユーザーに対して、Netflixのコンテンツを配信している事実があることを突き止めたのこと。つまり、CogentとComcast間で流れるNetflixの大きなトラフィックが今回の問題の原因ではないかと推測したそうです。そこで、ComcastとCogentのネットワーク担当の人にコンタクトをとり、事情を説明すると「1、2週間ほどお待ちください。その時の再テスト時には満足する結果になるはずです」と回答があったとのこと。


言われた通り、2週間後に再度テストを行うと、回線速度が劇的に改善したようです。


Comcastの担当者によると「CogentとComcast間のトラフィック容量の増加」「通信機器のパラメータの変更」の2点の対応を行い問題が解消したとのことでした。しかし、Panicは問題が解消したことについては満足しているものの、納得しきれていない部分もあるようで「CogentとComcast間の通信トラフィックが逼迫(ひっぱく)している状態であることになぜ気づけなかったのか」と疑問に感じているようです。

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   ハードウェア, Posted by log1j_ty