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中国の空軍はすぐに西洋諸国の脅威になる


イギリスの軍事シンクタンクのIISSが世界の軍事力をまとめた「The Military Balance」を発行しました。その中には、近年、急速に軍事力を増強してきた中国が、すぐに西洋諸国の軍事力に追いつき大きな脅威になることが記されています。

China will soon have air power rivalling the West’s - No longer just catch-up
https://www.economist.com/news/china/21737074-some-technologies-it-has-surpassed-it-china-will-soon-have-air-power-rivalling-wests

中国の軍事力は、中国のGDPの成長に合わせるかのように年あたり6~7%とコンスタントに増大してきた防衛費のおかげで、着実に能力を増しているとのこと。中国の習近平国家主席は太平洋西岸でアメリカ軍に挑もうとしており、中国はもはや西洋諸国に追いつくのが目標ではなく、軍事技術のイノベーターになったという現実をIISSは報告しています。


世界最強の軍事力を持つアメリカと中国を比較した上で、中国は技術を吸い上げるシステムに優位性を持っていると指摘されています。近代の軍事技術には、人工知能やビッグデータ、決してクラックされない通信技術などの開発が不可欠ですが、これらの技術を研究開発する民間企業が中国には多数あり、中国政府の指示のもとに技術開発が行われているとのこと。これに対してアメリカが同様の技術開発を実現しようとすると、シリコンバレーの企業に協力を求めざるを得ないのだとのこと。政府の統制のもと狭い選択肢の中で技術を開発する中国企業との技術開発競争でアメリカは太刀打ちできない可能性が指摘されています。

The Military Balanceは、中国の戦闘機J-20の本格配備によって、遅くとも2年以内にアメリカはレーダーに探知されないステルス戦闘機による独占支配を失う可能性があると指摘しています。J-20はアメリカのF-35よりも飛行航続距離が長く、アメリカが太平洋に展開する軍艦に深刻な脅威になる可能性があるとのこと。


戦闘機だけではなく、空対空ミサイルの劇的な進歩もアメリカにとって悩みの種になるとみられています。2015年に導入された短距離ミサイルPL-10は、アメリカのミサイルSidewinder IIと同等の性能を持つという分析もあり、J-20に搭載されたPL-10によって、50km先の航空機を破壊できると予想されています。

さらに、まだ名前が付けられていない中国のシステムは、400km先の目標を攻撃できる空対空ミサイルとしては他に例を見ないほど広い射程距離を持つとのこと。この武器は、現在、空中偵察や管制のために利用される航空機の「安全圏」の見直しを強いることになる可能性があります。The Military Balanceは、中国の脅威に対抗するべく、冷戦の終結以来最大のレベルで「空の優位性」の確保が求められていると述べています。

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