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レビュー

フェイクニュースを拡散しまくり業界トップを目指すオンラインゲームを研究者らが開発


「フェイクニュースを拡散させないように」ではなく、「フェイクニュース業界のトップ」になることをゴールにしたオンラインゲーム「Bad News」をケンブリッジ大学の研究者らが公開しました。人々に悪影響を与えるゲームに聞こえますが、プレイヤーは逆説的に「どのような行動が偽情報を拡散させるのか」ということを学べるようになっているとのことで、研究者らは、ゲームを通して人々が「ウソを拡散すること」について免疫をつけ、ゲームがワクチンの役割を果たすことを望んでいます。

Fake news 'vaccine': Online game may 'inoculate' by simulating propaganda tactics
https://phys.org/news/2018-02-fake-news-vaccine-online-game.html

Bad News: the game researchers hope will 'vaccinate' public against fake news | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2018/feb/20/bad-news-the-game-researchers-hope-will-vaccinate-public-against-fake-news

研究者らは、これまでも同様のゲームを開発して研究を行ってきました。ただ、過去のゲームは気候科学にフォーカスを当てていたのに対し、新しいゲームはさまざまな分野のフェイクニュースを扱っているのが特徴。実際のゲームは以下からプレイできます。

Bad News
https://www.getbadnews.com/#intro

これがトップページ。まずは「PLAY THE GAME」をクリック。


すると以下のような画面に切り替わります。ゲームのスタート時点ではプレイヤーのフォロワーは0となっており、ユーザーはフェイクニュースやウソ情報を拡散していくことでフォロワーを増やし、フェイクニュース業界のトップを目指します。「むしゃくしゃしてるでしょう?みんなそうです。Twitterを使って発散させましょう」というメッセージとともに、「Post a frustrated tweet(イライラにまかせたツイートをする)」と「I'm not sure...(不安……)」という選択肢が現れるので「Post a frustrated tweet」を選択してみます。


すると自分が投稿するツイート文面が表示されました。「この政府は本気で失敗。#やめろ!負け犬!」というという内容について「これをツイートする」というボタンを押してみると……


左上のカウンターが動き、フォロワーを8人得ました。「次は何をする?」という右下の選択肢をクリックすると……


「Donald J. Trunp」というアカウントが「軍司令官たちと審議した結果、北朝鮮に戦争を宣告することを決定した」という発言を投稿。右下の「これをツイート」をクリックします。


するとフォロワーが39人に増加。しかし、実はこの「Donald J. Trunp」は本来であれば「m」となる部分が「n」となったトランプ大統領の偽アカウント。本物のアカウントだと信じて投稿した人もいるはずですが、偽情報を拡散してしまったわけです。


しかし、リツイートによってフォロワーはさらに増加。ツイート内容を信じた人々からどんどん反応が届きます。「Moving on(続ける)」を押すと……


今度は「ブログを開設する」か「ニュースサイトを開設する」かを選ばされます。もちろん、推奨されるのはブログではなくニュースサイト。「THE COSMOS POST」というカバーを選択し……


「匿名」ではなく「編集長」という肩書を選びます。


Twitterの投稿を始めると……


フォロワー数が急増加。このようにして、1ユーザーがフェイクニュースを使って影響力をどんどん上げていくことができる、というのがわかるわけです。


パイロット研究において、研究者らはオランダの高校生95人を対象に同様のゲームをプレイしてもらったところ、コントロールグループの生徒に比べてゲームをプレイした生徒たちの「フェイクニュースに対する信頼度」は減少していったといいます。

今回の研究の背景には「摂取理論」と呼ばれる考えが存在します。ケンブリッジ大学・社会意志決定ラボの代表であるSander van der Linden氏は、「生物学的なワクチンは少量の病原体を患者に投与することで免疫系を作り出します。同様のことが『摂取理論』にも言え、議論となっている物事の弱いバージョンに人をさらすことにより、より巧妙な偽情報に出会っても簡単に拒否することができるようになるのです」と語っています。記事作成時点でゲームは英語のみとなっていますが、偽情報の問題が大きくなっているウクライナなどでも使用できるよう翻訳が行われる予定とのことです。

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in レビュー,   ネットサービス,   ゲーム, Posted by logq_fa