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スティーブ・ウォズニアックの「ビットコインはゴールドや米ドルよりもいい」という発言の意味とは?


Apple Computerの共同創業者でAppleの社員証1番を持つスティーブ・ウォズニアック氏は、「Bitcoin(ビットコイン)は金(ゴールド)や米ドルよりもいい」と発言するなど、ビットコインを高く評価していることが知られています。ただし、ウォズニアック氏にとっての「ビットコインの素晴らしさ」とは投資対象としてみた価値ではなく、ビットコインの技術思想や数学的な美しさにあるようです。

Steve Wozniak «Bitcoins are better than gold and dollars» | Startlr Tech Blog
http://www.startlr.com/steve-wozniak-bitcoins-are-better-than-gold-and-dollars/

Steve Wozniak: Bitcoin is better than gold and USD – Unocoin
https://blog.unocoin.com/steve-wozniak-bitcoin-is-better-than-gold-and-usd-4fdbfcb6e5bb

カンファレンス「Money 20/20」で行われたインタビュー内で、「仮想通貨ビットコインはゴールドや米ドルよりも優れている」と述べたウォズニアック氏は、その理由として、「金や米ドルとは違い予測可能な有限の供給量があること」と「改ざんされないこと」を挙げています。ゴールドは採掘技術がより効率的になると価値が希釈される可能性があり、ドルに至ってはアメリカ政府のコントロールのせいで「ペテン」のようなもので、その価値が棄損されていると述べています。根っからの技術者であるウォズニアック氏にとっては、不確実な要素がなく数学的に一意のビットコインの方がよほど信頼に足るというわけです。

ウォズニアック氏は従来からビットコインを高く評価していることを公言してきましたが、「ビットコインの時価」など投資対象としてはまったく興味がないとのこと。代表的な財産である「家」を比較対象に挙げて、たとえ住宅価格が異常なまでに高騰したり、政府が重く課税をしたとしても、住宅というモノ自体が存在するのに対して、ビットコインはそもそも存在しないことや、供給量を誰も意図的に操作できない点でビットコインは資産としての価値が安定していることを挙げて、財産としての性質が根本的に違うと付け加えています。


ウォズニアック氏がビットコインを高く評価しているのは、システムを支える技術的アイデアであるブロックチェーンの革新性など、技術思想としての価値があるからです。この文脈におけるビットコインの価値は、モノとモノの価値を交換する「お金」としての機能であり、相場の乱高下を利用して投機的に売り買いしたり、マイニングによって新コインを掘りだしたりして利益を上げることではありません。

同様に、取引価格の異常なまでの高騰や急落にばかり注目が集まるビットコインについて、多くの人が価値を見誤っているという主張もあります。ジャーナリストのロバート・X・クリングリー氏は、「みながビットコインが通貨ではないことを理解するまで、狂騒曲は終わらないだろう」と、ビットコインへの理解不足を指摘しています。

I, Cringely Prediction #4 — Bitcoin stays crazy until traders learn it is not a currency - I, Cringely
https://www.cringely.com/2018/01/24/prediction-4-bitcoin-crashes-booms-crashes-booms-2018-traders-figure-not-currency/

クリングリー氏は、ビットコインのボラリティが高い理由について、それ自体の価値がゴールドや米ドルなど既存の信用に裏打ちされていない点を挙げています。このため、本質的に仮想通貨は無価値だといえるとのこと。しかし、仮想通貨は信用をベースにした価値がないため投資対象に適さない存在である反面で、トレード(取引)においては最高のツールになり得るという価値を持つとクリングリー氏は考えています。

クリングリー氏は、ロシアのとある資産家を例にして、ビットコインの本質的な価値であるトレードツールとしての機能を説明しています。とあるロシア富豪が「プーチン大統領がすべてのルーブルを手放した」という噂を聞きつけたため、所有するルーブルをすべて米ドルに換えようとしたとします。手持ちのルーブルをすべてビットコインに換え、ビットコインを米ドルに換えるという作業であれば、ロシア富豪はモスクワから脱出するためのプライベートジェットの中でさえ取引を実行できます。この場合、ビットコインはルーブルと米ドルという価値を交換するためのトレードツールとして機能しています。


ロシア富豪にしてみればビットコインをわずかな時間しか保有する気がないため、それほど相場について注意を払いません。しかし、投機的にビットコインを取引する人にとって見れば、大量の買いはビットコインの価値上昇に見え、また大量の売りはビットコインの価値下落に見えます。実際問題として、ビットコインの金融商品としての必要性が場面によって緊急に高まることはないため、価格は下落するものだとクリングリー氏は考えています。

良くも悪くもビットコインの現物価格は上昇下降を繰り返すものだとのこと。取引ツールとして扱うビットコインにおいて、価格がある範囲の上下の幅で触れることは避けられず、そしてそれが正常だとクリングリー氏は考えているようです。2018年は多くの人がビットコインの持つ本来の価値に気づき始める年になるのではないかとクリングリー氏は予想しています。

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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