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映画に登場する赤ちゃんを取り巻く環境はどう変わってきたか

by Dakota Corbin

基本的に「子どもを働かせること」は禁止されていますが、数少ない「子どもを使うことが認められている職業」の1つが芸能界です。特に、赤ん坊のうちから「働ける」のは、子役やモデルのみといっても過言ではありません。YouTubeのVoxチャンネルがその仕事や規則についての情報をまとめています。

Where babies in movies come from - YouTube


「子役」は映画産業が生まれたころから存在しています。1925年公開の映画「戦艦ポチョムキン」で、乳母車が母親の手を離れて階段を落ちていく「オデッサの階段」のシーンは広く知られており、後世の映画にも引用されるなど大きな影響を与えています。


赤ん坊の起用には様々な細かいルールが定められています。


たとえば、カリフォルニア州では「赤ん坊をセットに入れていいのは、いかなる場合でも、実撮影時間20分以下を含む連続2時間まで」と定められています。


また、カリフォルニア州の児童労働法は、労働は早くとも生後15日を経ていること、と定めています。


生後すぐの赤ん坊と、生後15日を経た赤ん坊では見た目が全く異なるため、「生まれたばかりの赤ん坊」を映画に出したい制作プロダクションにとっては困った話ですが……


この点は、違法にならないカリフォルニア州以外の州へ行くことで解決可能です。


実際、子どもの芸能活動について制限する法律がない州は16も存在し、法律がある州でも、カリフォルニア州と比べれば緩い基準にとどまっています。


ニュージャージー州の場合、生後1カ月の赤ん坊は1日5時間、1週間に5日働くことができます。


ルイジアナ州はさらに緩く、1日6時間、1週間で6日働けます。


そして、ほとんどの州で、赤ん坊が稼いだお金をどうするか定めた法律はありません。


そこで作られたのが「クーガン法」です。法律の名前は俳優のジャッキー・クーガンに由来しています。


クーガンは1921年公開のチャーリー・チャップリンの映画「キッド」に子役として登場し、一躍「子役スター」になりました。


子役として稼いだお金は400万ドルといわれています。当時と現在では貨幣価値が大きく異なるので換算は難しいのですが、現在の価値でいうと100億円以上であったと考えられます


ところが、クーガンの稼いだお金は本人が大人になる前に義父と母が使い込んでしまい、訴訟沙汰になりました。結果、「クーガン法」により、子役が稼いだお金のうち15%は本人のために残すことが定められました。


クーガン法では前述の労働時間の制限も加えられたのですが、そうなると90%~95%の仕事は双子や三つ子が使われるようになった、と語るのは子役プロダクションを運営していたキャシー・ボルダー氏。


赤ん坊の撮影可能時間が決まっているため、泣き出してどうにもならなくなったときにもう片方の赤ん坊と交代させるという手が使える、というのが理由の1つ。もう1つは、スタジオに来る時間をずらして、午前中と午後で異なる赤ん坊を撮影に使えば、双子なら撮影時間を2倍に伸ばせるためです。


俳優で映画監督のショーン・ペンは映画「ラスト・フェイス」で、生後1日の子どもを登場させるにあたり、労働省の許可が出る南アフリカで撮影を行うという手を使いました。

ラスト・フェイス(字幕版) - Trailer - YouTube


では、赤ん坊役は稼ぐことができるのか……というと、不幸なことにそうではないそうです。これは、赤ん坊はしゃべることができないため、セリフが5行以下の俳優である「アンダー5」に分類されることが理由です。


キャシー・ボルダー氏によれば、多くの赤ん坊のギャラは、1日200ドル(約2万2700円)~300ドル(約3万4000円)だとのこと。


近ごろは、赤ん坊を抱いているシーンで、背中向けの時は人形などを使い……


顔がはっきりと写るところだけ赤ん坊を使う、という使い分けも増えています。


さらに、赤ん坊と同じように動く「ロボット赤ちゃん」が登場することで、赤ん坊の映画への出演はさらに減っていくのではないかと懸念されています。

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