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人類の夢「タイムトラベル」はどのようにフィクションの世界へ持ち込まれたのか?


「タイムトラベル」というジャンルは小説や漫画、映画やドラマなど非常に多くのフィクションで扱われる一大ジャンルです。そんなフィクションの中に登場する「タイムトラベル」について、さまざまな人や概念に関する解説ムービーをYouTubeにアップしているNerdwriter1さんにより、「フィクションにおけるタイムトラベルの歴史」をまとめたムービーがYouTubeで公開されています。

When Did Time Travel Come From?


「世界で初めて『タイムトラベル』につながる概念を考えたのは、いったいどこの誰なのでしょう?」


「おそらく、何万年も前の人だったはずです。崖から滑落するなどの事故に巻き込まれた彼または彼女は、『あのときあんなことをしなければ、こんなことにはならなかったのに……』と思ったに違いありません。昔の人にとって『タイムトラベル』とは、『こんなはずじゃなかったのに』という後悔から生まれた産物であったでしょう」


「次第に人間は知能を発達させていき、身近に起こる出来事に因果関係を見いだすようになっていきます。これまでに起こった出来事から、『次はコレが起こるんじゃないか……?』と想像するようになったのです。さらに、実際に起こるであろう出来事とは違う、まったく新しい出来事も空想できるようになりました。これが『タイムトラベル』という概念の、本当に始まりの地点です」


「サイエンスフィクションにおける『タイムトラベル』の歴史とは、すなわち現実世界におけるテクノロジーの歴史をなぞることでもあります。人々はいつだって、その時代の最先端技術が使われたものを利用して、『タイムトラベル』を実現する夢を見てきたのです」


「たとえば映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、『タイムトラベル』に使われたのは改造されたデロリアンでした」


「フィクションにおける『タイムトラベル』は小説や映画、TVドラマなどに広く用いられているジャンルですが、その歴史は一世紀を超えています。どの地点を最初の『タイムトラベル』と定義するのかは人によってさまざまですが、1895年に出版されたH.G.ウェルズの小説『タイム・マシン』、1899年に出版されたマーク・トウェインの『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』、古いものでは1843年に出版されたチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』などが『タイムトラベル』を扱った最初の作品として挙げられます」


「ちなみに、見落としがちですが未来からサイボーグがやってくる『ターミネーター』も、『タイムトラベル』ものとして数えることができます」


「常にゆっくりと変化を遂げてきたフィクションにおける『タイムトラベル』は、その起源について誰にもはっきりと断定することができません。しかし、ある1冊の本が大きな影響を与えたことは間違いないといえます」


「イギリスの自然科学者であるチャールズ・ダーウィンが1859年に出版した『種の起源』は、『進化』という概念を提唱したことで、科学や宗教の世界だけでなく『タイムトラベル』の歴史に大きく関わってきます」


「進化の概念は生物学的な分野だけでなく、社会学的な分野においても重要視されるようになりました。『世の中はどんどん進化していく』、つまり、『世の中は時代が進むにつれて、古い時代より次第によくなっていく』という考えをもたらしたのです」


「こうして生まれたのが『ユートピア文学(理想郷文学)』というジャンルです。これらのジャンルでは未来の世界をユートピアとして描き、理想の社会を小説の中に見いだしました」


エドワード・ベラミーが1880年に発表したユートピア小説『Looking Backward』は、『1887年に催眠術で眠らされた男性が113年後の西暦2000年に目覚め、社会主義的ユートピアが達成された社会を目にする』というストーリーの小説で、アメリカで100万部を超える大ベストセラーとなりました」


「その後もユートピア小説は多数発表され、人気のジャンルとなりました。しかし、ユートピア小説においては『タイムトラベル』の手法として機械などのガジェットが使われることは少なく、『主人公がなんらかの原因で長い眠りに陥り、目覚めたら未来の世界だった』というパターンがほとんどです」


「『タイムトラベル』にガジェット的要素を持ち込んだのがウェルズの『タイム・マシン』です。これは現実的な枠組みの中でタイムマシンを作り上げ、時間を移動するというパターンを作り出した小説といえます」


「やがて『未来の世界が必ずしもいいものとは限らない』という考えが常識的なものとなり、かつて隆盛を誇ったユートピア小説は衰退しました。しかし、『タイムトラベル』という要素は生き残り、ユートピア小説の衰退後もさまざまな作品が発表されることになります」


「『タイムトラベル』はウェルズが作り出したSF的な枠組みの中で発展を遂げ、アインシュタインの宇宙論など最新の科学理論を取り入れるようになり、『タイムトラベル』をより現実的に作り出すタイプの作品が増えていきます」


「『タイムトラベル』によって起こる結果についても、より現実的な考察が加えられるようになります。たとえば、『同じ時間に同じ人間が同時に存在してはならない』というルールがありますが、これを遵守すると……」


「『時間のルールを守るために、同じ時間に出現したタイムトラベラーを撃ち殺す』というストーリーになるわけです」

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