ワイングラスは昔よりも7倍も大きくなっている

by Jamie Street

大昔は下水処理などが整っていない環境であったため、水は汚いものであり、水分補給にはお酒を飲むことが当たり前という地域もあったほどお酒は生活の一部となっていました。そんなお酒の一種であるワインは新石器時代から醸造が始まったとされていますが、最新の研究によると、ワインを飲むためのワイングラスはそのサイズが徐々に大きくなっていることがわかっており、もしかすると現代人の方が大昔の人々よりも飲んべえな可能性があります。

Since 1700, Wine Glasses Have Gotten 7 Times Bigger - Gastro Obscura
https://www.atlasobscura.com/articles/wine-glasses-growth-history


The Behaviour and Health Research Unit(BHRU)のディレクターであり、飲酒用グラスのサイズを調査した研究論文を発表したテレサ・マルトー氏によると、イギリスにおけるワインの歴史は富裕層と共にあったそうです。古代ローマがイギリスの一部を植民地としていた時代、イギリス本土にブドウ畑を設けましたが、イギリスはワインを作るには少し寒すぎる気候でした。そういった背景からか、イギリスでは20世紀後半まで誰もがワインよりもビールやスピリッツを好んで飲んでいたそうです。しかし、1960年代になってイギリスでワインが流行してからは、スーパーマーケットでも手軽にワインを入手できるようになり、そこからイギリスでも多くの人々がワインを飲むようになります。

by photo-nic.co.uk nic

ワインの消費量がどのように変化してきたかを調べるため、マルトー氏ら研究グループは300年分のワイングラスのサイズを測定しました。研究グループが調査したのは、博物館に展示されているものからガラス製造業者やeBayが販売しているものまでさまざまで、合計411種類のグラスに関するデータを集めることに成功したそうです。グラスは年代ごとに分けて平均容量が算出されています。

ワイングラスが製造された日付とその容量を調査したところ、ワイングラスのサイズが年々巨大化してきていることが明らかになりました。その変化の理由のひとつは、「18世紀半ばのメガネがなぜ小さいのか?」と同じものであることが予測されます。それは、1746年からガラス製品に対する税金が課せられるようになったというもの。この税金は1世紀後の産業革命時に廃止されており、その後ワイングラスなどのガラス製品が巨大化しているそうです。

産業革命後から1900年代まで着実にサイズを拡大してきたワイングラスですが、2000年にはワイングラスの平均サイズは300mlに到達しました。1700年代から2000年代までのワイングラスの拡大傾向についてマルトー氏は、イギリスでワインが流行するようになったことも挙げています。大きなワイングラスは香りをとどめることでワインの香りをより楽しめるようにする効果を持っています。アメリカのガラス製品市場ではますます大きなワイングラスが求められており、イギリスでも同様の傾向があるとのこと。なお、最近のイギリスのワイングラスの平均容量は250mlだそうですが、「1980年代に入手可能なワイングラスの平均容量よりも大きい」とマルトー氏は語っています。

by henry fournier

また、大きなグラスは「どれくらい酔っ払うか」にも影響を与えた可能性があります。過去の研究から、平均の食器サイズが大きければ、結果として消費される食べ物や飲み物の量も多くなることが示されています。さらに、バーなどでワインを提供する場合に大きめのグラスを使用すれば、売上を平均で約10%も増やすことができることも判明しています。

マルトー氏は飲酒量の増加を心配している規制当局が、より小さなワイングラスを用いることを奨励する可能性を示唆しています。

・関連記事
第1級ワインは本場ボルドーでどうやって作られているのか?現場を見てきたよレポート - GIGAZINE

安物ワインと高級ワインの味は一般人に区別できるのか? - GIGAZINE

世界35カ国200種類以上のワインを実際に味わえる「世界のワイン博物館」がグランフロント大阪北館にオープン - GIGAZINE

コルクを抜かずにワインを注ぐことができるワインサーバー「ソムリアート」 - GIGAZINE

in , Posted by logu_ii