車のように走る「移動都市」が小さな都市をバリバリ食らって繁栄する弱肉強食のSFファンタジー「モータル・エンジン」が「ホビット」のピーター・ジャクソン監督で映画化、予告編はこんな感じ


ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」などのピーター・ジャクソン監督の新作「モータル・エンジン」の予告編が公開されました。原作は、走る巨大都市が自分よりも小さな都市を食らって繁栄していくというSF小説「移動都市」で、冒頭から引き込まれる予告映像となっています。

映画『モータル・エンジン』 特報 - YouTube


風に揺れる1本の大木。


しかし……


巨大な車輪が木をなぎ倒していきました。


車ではない、車輪のついた巨大な建物のような後ろ姿が過ぎ去っていきます。


単眼鏡をのぞく1人の女性。この女性が先ほど過ぎ去った「移動都市」に乗っている人物。


何かの存在に気づき……


目を見張ります。


女性が乗る移動都市の背後に……


比べものにならないほど巨大な姿がぬっと映ります。


「車」と呼ぶには巨大すぎる、まさに「走る都市」


庭園までついています。


「あれは何?」と聞かれ、「ロンドンよ」と女性。


走るロンドンの上にはセント・ポール大聖堂のようなものが建っています。


走る巨大都市から必死で逃げます。


ギギギ……と巨大都市の「口」が開きます。


何かが発射され……


女性の乗っていた都市にくさびが打たれました。


ゴゴゴ……


引きずりこまれていきます。


そして、弱肉強食とでも言うように、小さな建物が集まった乗り物はロンドンに飲み込まれていきました。


モータル・エンジンの原作はフィリップ・リーヴ氏の「移動都市」。Amazonでは以下のような評価が行われています。

移動都市 (創元SF文庫) | フィリップ・リーヴ, 安野 玲 |本 | 通販 | Amazon

創元SF文庫のシリーズだから、当然、これは大人向けのヒネクレた物語だろう、じっくり読むべき小難しい物語だな・・・と思いこんでいたが、ぜんぜん違います。冒頭から凄まじい疾走感。なにせ、ほんとうに都市が地球の上を突っ走っているのだ。そして都市は、自分より小さな都市を見つけるとばりばりと喰らってしまう。そして内部で「消化」してさらに繁栄するのだった。未来社会、ではあるものの、都市の上では中世〜1900年頃?を思わせるノスタルジックな時代風景が展開。それでいて、現在の文化は過去の遺物と成り果てており、CDなどは「オールドテク」などと呼ばれて珍しがられている。

奇想天外な世界、だけどキャラクターは「これでもか」とばかりステレオタイプで、基本的に素直なストーリー展開。疾走する大都市ロンドンにて、博物館の見習いトムは、憧れの史学ギルド長ヴァレンタインに声をかけてもらって浮き足立った。しかも彼が連れてきた娘キャサリンはとびきりの美人。だが、そこに突然、醜い少女へスターが飛び出してきてヴァレンタインの命を狙った。間一髪、憧れのギルド長の命を救ったトムは、へスターを捕獲しようとしてヴァレンタインの秘密を知ってしまい・・・。

訳文はおそろしくテンポが良くて、「ああ、よくある話っぽいな」と思いつつも一気読み必至。作者フィリップ・リーヴは児童書にイラストを描いていた人で、本書は初めての小説、イギリスでは児童書として分類され、児童書の賞を受賞しているらしい。
たしかに、社会的な仕組み、科学的な説明、キャラクターの心理描写は極めて単純で、子供でも理解できそう。だが小さい都市を「食べる」大都市、というのは領土拡大の帝国主義を髣髴させるし、でなくても経済的に豊かな国が貧しい民族を「食い物にしている」雰囲気はアリアリとあります。科学的な説明などなくても「メデューサ」の正体なんて誰にでも分かるし、疾走する都市を飛び交う飛行船についている名称は奇妙で興味深い生物の名前だったりするらしいし(このあたりは、あとがき参照しました。)、細かな「くすぐり」が効いていて、面白い。

そして、ステレオタイプだなあ、ハリウッドの大衆向け映画的だなあ・・・と思いつつも泣かされてしまうラストシーンになだれ込んでいくのですが。
これが、悪くないのですね。キライじゃない。面白かったです。
続々と続編があるようなので、また読んでみたいと思います。


なお、映画の公開は2019年になる予定です。

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