ミツバチにも「右利き」と「左利き」があることが判明、ドローンの自律飛行技術にも応用が期待される

By regexman

ペンを右手で持つ人がいたり、箸を左手で持つ人がいたりするように、ミツバチの中にも右と左のどちらかを好む「右利き」や「左利き」の個体が存在することが研究によって明らかになっています。この研究をさらに進めることで、将来的にはドローンなどの自律飛行にも役立てられることが期待されています。

Obstacle traversal and route choice in flying honeybees: Evidence for individual handedness
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0184343

Brisbane researchers discover bees can be left or right-handed - ABC News (Australian Broadcasting Corporation)
http://www.abc.net.au/news/2017-11-09/brisbane-researchers-discover-bees-can-be-left-or-right-handed/9130302

この研究を行ったのは、オーストラリアにあるクイーンズランド大学の研究チーム。正面にある障害物を避けてミツバチが飛ぶときに見られる左右の偏りを調査したところ、左右どちらかを好んで選択する確率の高い個体が一定の割合で存在していることが発見されています。

研究チームを率いたMandyam Srinivasan教授は、長いトンネル状の実験設備を用意し、その一番奥に砂糖水を置いてミツバチが奥へと入り込むように誘導。そのトンネルの中には2つの開口部がある板が設置されており、ミツバチが奥へと進む際に左右どちらの間を選択するかを上部に取り付けたカメラで撮影して記録しています。


実験の際には、開口部の大きさを左右で同じにしたものや、どちらか一方を大きくしたものを複数個用意。およそ120匹のミツバチには、タミヤ製アクリル塗料でマークを付けて個体を認識できる状態にしたうえでトンネルの中を飛ばし、それぞれの個体がどのような判断を行うのかを記録。すると、左右が同じ大きさの場合には、計測できたミツバチのうち55%は左右への偏りなく開口部をすり抜けたのですが、残りの個体は左右どちらかへの選択に偏りが見られ、45%のグループの4分の1は強い左への偏向、また別の4分の1は強い右への偏向が見られたとのこと。単純な確率で言えば、二者択一の状態であることから左右を選ぶ比率は同数となっても不思議ではないのですが、全体の45%の個体には左右どちらかへの「こだわり」があることが確認されたということになります。

ちなみに、左右で開口部の大きさを変えた場合には、大きさの違いの比率に比例して大きいほうの開口部を選ぶ傾向が強くなったことも明らかになっています。

この結果で特に興味深いのが、「右利き」と「左利き」の個体がいずれも全体の25%を占めたという事実だとのこと。Srinivasan氏はこの結果について、ミツバチにも「利き手」のようなものが存在することがまず興味深いのに加え、「右利き」の人が多い人間とは違ってミツバチの場合は左右の利きが同じ割合で存在していることも注目すべき点であるとポイントを挙げています。

By Courtney Collison

ミツバチのような小動物にとって、左右どちらかに偏って選択を下すことは、木々が生い茂る森の中で効率的に飛ぶうえにおいて大きな結果の違いを生むことにつながるとのこと。特に、左右の偏りが均等に存在することで、集団全体がより素早く森の中を抜けられるという結果を生みだすことにつながっているとSrinivasan氏は指摘しています。

さらにこの研究結果は、ドローンの自律飛行技術に活かすことができるとも考えられています。Srinivasan氏の周囲には動物など自然の中に存在する出来事に注目している技術者が多く、今回判明した事実はドローンを効率よく飛ばすうえでの重要なヒントになり得るとのこと。Srinivasan氏は、「自律飛行するドローンのプログラムに対し、いくつかは右寄りに、またいくつかは左寄りに判断を下すようにバイアスをかけておくことで、複雑な制御を行うことなく集団全体を効率的に飛ばすことが可能になるでしょう」と展望を語っています。

By quisnovus

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in サイエンス,   生き物, Posted by logx_tm