FFシリーズのキャラデザで知られるあの天野喜孝が「天野らしさってなんだろう?」と語るドキュメンタリー映像が一見の価値あり


ファイナルファンタジー(FF)シリーズのキャラクターデザインやパッケージイラストで知られる天野喜孝さんと言えば、唯一無二の独特のタッチで描かれたイラストが特徴ですが、フランスのMana Booksが出版する「Final Fantasy Memorial Ultimania official encyclopedia」のために撮影されたドキュメンタリー映像の中で、「天野らしさってなんだろう?」といまだに自身の絵柄を追及していることを明かしています。ドキュメンタリーの中では、自身と関わりの深いFFシリーズについてや、イラストレーターになった経緯などを赤裸々に語っています。

Amano - his universe, on paper on Vimeo


大量の画材・紙・筆が置かれた作業台で紙の上で筆を走らせているのが天野さん。「白い紙があると、どうこれを汚すかというかね。色をつけたり形を作ったり……なんだろうな。あまりこう苦痛ではなくて、むしろ楽しい作業ですね。だからこれは仕事でもそうですし、落書きとかでも楽しいし。それを見て人が喜んでくれるっていうのはプラスアルファというかね。それは描いててやりがいがあるというか、子どもの頃からそうなんだけど、あまり変わらないですよね」と、「絵を描く」という自分の仕事であり趣味でもある行為について語る天野さん。


1:空想の世界


「僕が14歳の時に幼なじみが東京の方に引っ越しまして、そこへ遊びに行ったんですね。近くにタツノコプロというアニメーションの会社がありまして、その時に絵を描いて持ってったんです。そしたら採用の通知が来てしまいまして」と、自身がアニメーターとなった経緯を語る天野さん。


さらに、「プロダクションに入って、まずアニメーターというか絵を動かす方をやって。タツノコというのは実はオリジナルのアニメーションを作っているところでして、なので、20代後半までアニメーションのキャラクターをやっていました。アニメーターの人が僕の絵を見て(アニメの絵を描いて)、それがTVに流れたりとかして。それじゃあ自分の絵をちゃんと見て欲しいと思って、イラストレーションというかちゃんと絵を描くようになりました」と、アニメーターからイラストレーターに転向することを決めた際の心境を説明しています。


天野さんの描く独特の幻想的なイラストについては、「日本人なんですけど、西洋のファンタジーとかがすごく好きで、騎士とかそういうものを描きたいと思って。小説のイラストレーションを始めて、その時に現実にない世界を描くっていうことで、絵を描いていて、気持ちが良いというんですかね」とコメント。


作業場には京都の伏見稲荷大社のうちわや……


等身大っぽいガイコツ模型などが置かれています。イラストなどのポージング見本などとして使用しているのでしょうか?


さらに、直筆の大量のイラストも無造作に置かれています。


2:ファイナルファンタジーについて


大量のダンボール箱が置かれた部屋


その片隅に多数の引き出しを発見


ここにしまわれているのは……


天野さんとは切っても切り離せない関係となったファイナルファンタジーシリーズのイラスト


そんなファイナルファンタジーでのキャラクターデザインの仕事が舞い込んできた際については、「コンピューターゲーム自体がそんなにメジャーじゃなかったですね。で、僕もよく知らなかったんです。坂口さんっていう人がスクウェアから来たんですけど、その時に、やはりファンタジーの世界を描けるってことで、じゃあ面白そうだなと」


「最初にやったのがファイナルファンタジーで、いまだにやってるってのはちょっと不思議というか、僕にとっては『ゲーム』=『ファイナルファンタジー』なのかなと思いますね」と語っています。


棚にはしっかり番号が振ってあります。


中から取りだしたのは「ファイナルファンタジーX-2」のタイトルロゴに使用されているユウナ・リュック・パインが描かれたイラスト。


ファイナルファンタジーIV」のゴルベーザや……


FFシリーズ生みの親である坂口博信氏が最もお気に入りがという「ファイナルファンタジーIX」のビビ


同じくFFIXのイラストが多数登場、山頂の戦い


かっこよすぎるスタイナー


ストーリー序盤で飛空艇が墜落する魔の森のイメージイラストでしょうか


暗雲を越えて


主人公・ジタンのイラストも。


もちろん他シリーズのイラストもあります。シリーズ屈指の人気をほこり、PS4での完全リメイクも決定している「ファイナルファンタジーVII」から、主人公のクラウド&レッドXIII


優しいタッチのクラウド&エアリス


ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のコレクターズエディション版に付属した描き下ろしイメージイラスト特別装丁デザインボックスのイラスト


ファイナルファンタジーVIII」からスコール


その他、「例えばギリシャ神話とか、いろんな神話はあるんですけど、いろんな想像しているモノを表現するものとして、(ファンタジーの世界は)すごく好きにできると言うんですかね。そういう意味では、僕の中ではすごくリアルな世界だったりするので、決しておとぎ話ではなく、神話の世界をゲームで表現しているのかなと思います」「(ファイナルファンタジーで担当したのは)キャラクターデザイン、それからモンスター、イメージイラストレーションですね。(最初は)ゲーム用に描くのかと思ったの、ドットでね。『そうじゃなくてリアルに描いてくれ』って言われて、そうか普通にイラスト描けばいいのかと。キャラクターもね。なので、僕としては普通の絵を描いたものがゲームになったという形ですね」と、長年連れ添ってきたファイナルファンタジーについて語っています。

3:永遠に追及する自身の絵柄


殺風景な部屋に……


複数の本が積まれています。


自身がどのようにキャラクターデザインを行っているかについては、「あのね、苦労しないんです、僕。あまり深く考えないので。感覚でどんどん作っちゃうので。というのは、キャラクターですけど、例えば10とか20作れと言われて、締め切りがある場合。とにかく思いつくままにドンドンドンドン描いてく。そういうやり方なので、あまり悩んだことはないですね」と語る天野さん。


「ファインアートっていうのは、自分の感情を表現する。今はもう9割くらいそっちの方にかけてるんですけど、例えばイラストレーションでやってること、ファイナルファンタジーでやってることやキャラクターがファインアートに出てくるんですよ。だから、表現する場所によって、違ってくるのかなと思うんですけど、僕の中ではそんなに境目はなくて。どこで発表するのかの違いがあるのかなと思いますね。だから、僕の場合はアートはアートで山を目指すっていうのが楽しいんですよね。それはまたゲームともイラストレーションとも違うから、アートの世界ではまだ僕そんなにベテランじゃないですから、そのステージでやることが楽しいのかなと思いますね」


地べたにそのまま座りながら筆を走らせる天野さん。


「僕のキャリアに関係あると思うんですけど、キャラクターデザインっていうのは絵柄を作るのが仕事だったんですね。(そのせいか、)イラストをやろうと思った時、自分の絵柄がわかんなかったんですね。どういうとこが自分の個性なのか(わからなかった)。(その理由は、キャラクターデザインが)個性を作るのが仕事だったんで。それで、モローとかミュシャとかいろんな人を見て。ダ・ヴィンチもそうだし。いいなぁと思って、まねたりもして。それがどんどんドンドンいって、ある時から自分のものが出てくるようになったんですね。だからそれが自分の表現なので、いまだに自分の絵柄ってよくわかんないんですけど、天野らしさってなんだろうって自分ではわかんないんです。ただ言えることは、いいなと思ったものを描いている。それが多分自分の絵柄なのかなぁと思うんで」と、自身の絵柄が生まれるまでの苦悩と、自身が考える「天野らしい絵柄」についてを語っています。

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