サイクロン掃除機のダイソンが2020年から「過激な」電気自動車を生産すると発表

By ジェイ。Sō

「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」として抜群の知名度を誇るダイソンの創業者であるサー・ジェームズ・ダイソンは、ダイソン社は2020年から「ラジカルな(過激な)」電気自動車(EV)を生産する計画を明らかにしました。

Dyson to make electric cars from 2020 - BBC News
http://www.bbc.com/news/business-41399497

BBCに対してダイソン氏が明らかにした内容によると、同社は20億ポンド(約3000億円)の予算を投入してEVを開発し、2020年にも発表する計画を進めているとのこと。ダイソン氏はまた、過去2年にわたって400人規模の開発チームがマームズベリーにあるダイソン本部内で開発を行ってきたことを語っています。

ダイソン氏は車両に関する詳細を明らかにしていませんが、その理由について「自動車業界の新しい技術の競争は激化しており、開発の機密を守るためにはあらゆる手段をとる必要があるため」としています。発表をおよそ3年後に控えるタイミングですが、まだ同社では走行車両はおろか試作車すら存在しておらず、生産拠点となる工場の予定地も未定の状態とのこと。ダイソン氏は20億ポンドの予算の内訳について、10億ポンド(約1500億円)を車両に、残りの10億ポンドをバッテリーの開発に注ぐとしています。

ダイソンによるEV開発については、2016年にもその兆候が伝えられていました。

掃除機のダイソンが電気自動車を開発中と報じられる - GIGAZINE


ダイソン氏は、EV開発の構想を1980年代から温めてきていたと言われています。また、同社の中核技術の一つである「サイクロン・テクノロジー」を用いてディーゼルエンジンに含まれる微粒子を取り除くことで、排気ガスをクリーンにするという構想を自動車会社に売り込んだこともあったとのこと。

そんなダイソン氏は現在、他社とは異なるEVを作ることにリソースを注いでいるとみられています。2020年にも登場とされるダイソンEVについてはほぼ全ての詳細が不明という状況ですが、少なくとも「安くはならない」という方向性だけは間違いなさそう。より多くの台数をさばくことで利益を上げる市場に入るのではなく、個性的で高付加価値なEVの市場を狙うことで、存在感を持たせることを狙いとしている模様です。

2020年前後はさまざまな自動車メーカーがEVを中心とした新型車両を次々に投入する見込みとなっており、今後の自動車業界を変えるターニングポイントとなると考えられています。「EVは内燃機関による自動車よりも参入が易しい」ということで、多くの新興メーカーが次々と現れる状況となっており、特に半ば国策としてEV普及を目指す中国ではその兆候が強いとも言われています。しかし、実際には「走る、曲がる、止まる」という自動車の基本性能をうまくまとめ上げることは容易ではなく、「EV=簡単に作れる」という等式はまったく成り立たないとも言われています。今後5年から10年で自動車業界の勢力図が大きく塗り替えられるのか、それとも既存の自動車メーカーが一日の長を発揮して今後も業界を引っ張り続けるのか、目が離せない状況が続きそうです。


なお、GIGAZINEでは2017年2月にジェームズ・ダイソン氏にインタビューを敢行済み。将来の技術についてはあまり明らかにされていませんが、「バッテリー革命」を起こしたいという展望やダイソンの技術についての考え方など、興味深い内容が語られています。

ジェームズ・ダイソンにインタビュー、テクノロジー企業が開発する技術と人材などについて聞いてきました - GIGAZINE

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