大陸上空に飛行機の軌跡を描く巨大なスカイアートをボーイングが敢行


信頼性が求められる航空機のエンジンには、多くの試験が必要とされています。新型機「ボーイング787-10型機」に搭載する予定の新型ジェットエンジン「ロールスロイス トレント 1000 TEN」の信頼性を確認するために18時間連続飛行というフライトをこなす必要があったボーイングは、ただ飛行機を飛ばすだけでなく、広大なアメリカ大陸の上にボーイング787型機の軌跡を描くというプランを完了させています。

Boeing puts a creative twist on skywriting with this meta flight path
http://mashable.com/2017/08/03/boeing-test-flight-plane-art/

この軌跡は、航空機のフライトを記録できる「Flightradar24」で確認できるようになっています。また、Flightradar24は以下のようなムービーを作成して公開しています。

Boeing’s ETOPS test of the Rolls Royce Trent 1000 TEN - YouTube


フライトは、ワシントン州シアトルにあるキング郡国際空港、通称「ボーイングフィールド」を離陸して一路東へ。ちなみに便名は「BOE004」となっています。


五大湖の1つ・スペリオル湖付近でUターンした機体は、南西へと進路を変えます。


その後、機体は以下のような軌跡に沿って飛行を続け……


最終的にはこのような軌跡を描き、出発地であるボーイングフィールドへと戻っていきました。全行程の飛行時間は「18時間3分」というもので、一般的には超ロングフライトと呼ばれるものでした。


ボーイングが実施したテストフライトは、エンジンを2基搭載する双発機に求められる「ETOPS」と呼ばれる制限をクリアするためのもの。双発機の場合、もし飛行中のエンジンにトラブルが起こるとエンジンのパワーが半分になってしまい、近くの空港に緊急着陸することも大変な作業になるほか、万が一残されたエンジンまでもが止まってしまうと、もはや墜落は避けられません。

そのような事態を避けるために、双発機には60分以内に空港があるルートを飛ばなければならない「ETOPS-60」、120分以内の「ETOPS-120」などの制限が課せられています。これはつまり、空港が存在しない洋上のフライトが難しくなるのですが、近年はエンジンの信頼性の向上を受け、「ETOPS-240」や「ETOPS-330」、「ETOPS-370」などが認められるようになったため、ボーイングの777型機や787型機、エアバスA-350型機などは洋上飛行を行えるようになっています。

記事作成時点では、Flightrader24のページでもその軌跡を確認することができました。

N7874 - Boeing 787-8 Dreamliner - Boeing - Flightradar24

ボーイングフィールド(BFI)から飛び立ったテスト機・ボーイング787-8(登録番号N7874)は、まず北西に出発してから180度旋回し、東へと向かいます。


高度3万7000フィート(約1万1300メートル)・速度約970kmで巡航してきた機体は、ミシガン州上空で大きく右旋回してから南西へのルートを取ります。赤く見えているのは帰路につく時のルートで、高度が違うために別の色で表示されています。


その後、飛行を続けて飛行機の形を描き続ける787-8型機。ちなみにこの時点での飛行時間はおよそ6時間。


メキシコとの国境近くまで南下し、左の翼の先端までやってきた機体は、ここから折り返して残りの形を描きます。


せっせと機体を描きながら飛ぶ787-8型機。ここまで正確な航路を飛べるのは、おそらく全行程を自動操縦で飛んでいるため。


高度を4万3000フィート(約1万3000メートル)に上げ、機体を描ききった787-8型機は、一路ボーイングフィールドへ向けて帰路につきました。ちなみに、機体を描くためだけにかかった時間は、およそ11時間30分となっていました。

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