メモ

健康について心配しすぎると逆に病気になりやすくなる

by Alex Proimos

7000人以上の人々の健康に関するデータを分析した結果、健康に対して不安を抱いている人は、健康に対して不安を抱いてない人と比較して心疾患にかかる危険性が2倍に高まることが判明しました。

BMJ Blogs: BMJ Open » Blog Archive » ‘Worried well’ may be boosting their risk of heart disease
http://blogs.bmj.com/bmjopen/2016/11/03/worried-well-may-be-boosting-their-risk-of-heart-disease/

Hypochondriacs Have a Higher Risk of Heart Disease | Time.com
http://time.com/4554795/hypochondriac-heart-disease/


今回の研究は、ノルウェーのベルゲン大学が行った研究プロジェクト「Norwegian Hordaland Health Study」のデータを分析したもの。被験者は1953年から1957年の間に生まれた7052人で、プロジェクトでは1997年から1999年にわたって健康状態・ライフスタイル・学業成績などの質問が行われたほか、血液・身長・体重・血圧といった身体データが記録されました。

この時、被験者らは、健康への不安を14項目・5段階で評価され、トータルスコアが31以上もしくは高スコア上位10%は「健康に対して不安がある」と見なされました。今回新たに行われた調査は、プロジェクト後の被験者らが病院で受けた治療のデータや、被験者らの死亡報告書を2009年まで追跡したものとなっています。


モニタリングを行った期間において、心臓発作や狭心症などの虚血性心疾患になった人は被験者全体の3.3%で、アンケートから平均して7年で最初の変調が起こっていました。一方で、健康に対して不安のある人が心疾患にかかる割合は6%で、これは不安のない人が3%であるのに対して約2倍の確率だったそうです。もちろん、この調査において1997年から1999年の間に何らかの治療を受けていたり、疾患があったりする人は除かれています。

調査によって最終的に判明したのは、1997年の研究時に健康不安があった人は、なかった人に比べて73%も心疾患になりやすいということ。そして、健康不安のスコアが高くなればなるほど、心疾患のリスクも高くなったそうです。

この調査は観察研究であるため、不安と心疾患という2つの要素に確実な因果関係があるとは言えない、ということは研究者たちも認めるところ。健康不安を抱いている人たちはうつ病などの精神面での問題を抱えていることもあり、それらの要素をはっきりと区別するのが難しいためです。

by Naomi August

しかし、研究者らは「今回の研究では、健康不安を抱く人々がしきりに症状を気にしたりするような行動が、心疾患のリスクを下げないということを強く示しています」として、「不安」の持つ潜在的な危険性を指摘しています。病気を心配して体を「厳戒態勢」に置くことが、逆に病気を引き起こしている可能性があるわけです。ただしここにはジレンマがあり、健康不安を抱いている人に「健康不安は心疾患のリスクを上げる」と知らせても逆効果を発揮する可能性があるので、医師らは知識を患者に与えつつも患者を安心させる必要がある、と研究者らは語っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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