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「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をわずか45分でクリアする猛者が最速クリアのための高度な移動テクニックや時短技を解説


ゼルダの伝説シリーズ最新作である「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を、ゲームスタートからクリアまでにかかった時間の短さを競うゲームスタイル「リアルタイムアタック(RTA)」でプレイするプレイヤーが世界中で続出しています。プレイヤーの中にはクリアまで1時間を切る人も多く、日本のsva161620さんもそんな凄腕RTAプレイヤーのひとり。そのsva161620さんが「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を最速クリアするための驚きのテクニックや「そこまでするか……!」と思ってしまうようなこだわりの数々を解説しているムービーが公開されています。

※記事中でラスボス戦まですべてを書いているわけではありませんが、ムービーには全編の内容が含まれているため、未クリアの人は視聴の際はくれぐれも注意してください

【RTA】ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 45:51でクリア【字幕解説】 - YouTube


字幕解説付きのRTA挑戦ムービーはニコニコ動画でも公開されており、他ユーザーの反応を見てみたいという場合はこちらで再生するとよさそう。

【RTA】ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド Any% 45:51 Part1【字幕解説】 - ニコニコ動画:GINZA


【RTA】ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド Any% 45:51 Part2【字幕解説】 - ニコニコ動画:GINZA


また、sva161620さんは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を45分51秒でクリアした際のゲーム映像をTwitch上で生配信しており、その様子は以下から見ることができます。

Breath of the Wild Any% 45:51


ムービーがスタートすると、画面下部に字幕が表示されプレイ内容をsva161620さんが解説してくれます。


「この最初のムービーは約1分後からのみスキップできる。今作では誤ってスキップしないよう、重要ムービーのスキップは『X→+』」といった具合に、ムービーのスキップ方法まで解説されており、いかに秒単位で無駄な時間を削っているのかがわかる冒頭になっています。


「さて、知らない人からすると『なんでこんな早いんだ!?』と思うかもしれないが、今作はラスボスへほぼ直行もできるように作られている。決してAny%のタイムでゲームのボリュームを判断してはいけない」とのこと。「Any%」というのは「ゲームのクリア率を問わない」という意味。


「ゲームのボリューム自体は今までのゼルダの中でもダントツトップ100%RTAなんてやろうものなら20~30時間かかるのでは 死にそう」とあるように、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」では決められたルートがほぼなく、自由に冒険のルートを選べるようになっているため、この動画のようにわずか45分あまりでゲームをクリアすることもできるし、何十時間プレイしてもやることが盛りだくさん残っているということもあり得ます。


「バージョンについて。意外なことにSwitchよりWii U(DL)の方がロードが早く、Any%では約30秒の差が出る」


「ラグはWii Uの方が多いようだが、今作のラグは基本コマ落ちのみでゲームスピードは落ちないため、あまり気にしなくて良い」


「更に最速はドイツ語で日本語は10秒遅い。テキスト送りに差はないが、序盤のゼルダの声で差が出る」と、ゲームをスタートする前から既に時間短縮のためのポイント解説がスタートしています。なお、sva161620さんはWii Uの日本語版「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」で45分51秒のタイムをたたき出しています。


ゲームがスタートすると、スタート地点にある宝箱を無視して駆け出すリンク。「宝箱の服はもちろん無視。このRTAで多少防御が増えたところで生死が変わるような場面はほぼ無い」とのこと。


使用しているコントローラーはWii U Pro コントローラーだそうで、ジャイロ操作がないのが難点だそうです。


「このRTAである意味最も厄介な技、口笛ダッシュ。十字下を押しっぱなしでB連打でスタミナを消費せずにダッシュできる」というがんばりゲージを気にせずダッシュし続けることができるテクニックをさっそく披露。実際にゲームでやってみるとこれは比較的簡単にまねできるのですが、ボタンの配置的にかなり指が大変で「このRTAである意味最も厄介な技」というのも納得。


なお、「口笛ダッシュは通常ダッシュより僅かに遅いため、通常ダッシュでギリギリまで(がんばりゲージを)消費し、口笛ダッシュで回復が理想。しかし大差は無いので無理は禁物」とのことで、わずかに移動速度に差が出るようです。


そのままダッシュで丘を駆け下りていくのかと思いきや、木にとまっているツルギカブトを捕獲。これは後々使用するチカラ薬のためだそうです。


いろいろ散策することなくダッシュで丘を駆け下り、続いて「木こりのオノ」を入手。「攻撃力はどうでもいいが、木の棒では敵の盾を落とせない」とのこと。


さらにマップのどの辺りに木の矢が落ちているかも把握しており、「ここら辺に固定で矢が落ちているので4~5本拾っておく。口笛ダッシュのBと一緒にA連打して拾うと楽」だそうです。


なぜ木こりのオノを拾ったのかと言うと、ダッシュしながら攻撃することで敵の盾を落とすことができるから。盾は戦闘で使用するのではなく、「盾サーフィンが色々と便利なため早めに欲しい」とのことで、基本的に敵との戦闘は必要不可欠なもの以外カットされています。


そのまま最初の「始まりの塔」を起動。「ここからしばらくパラセール入手のために4つの祠へひたすら走ることになる。ラスボスへ"ほぼ"直行と言ったのはこのため」


「パラセールのスキップが実現する見込みは非常に薄い。パラセール入手までは始まりの大地(ゲームスタート時にリンクのいる場所)の外側ほぼ全域に落下判定がある」


「一応ビタロックを使って判定の無い隙間へ飛ぶことで一時的に脱出は可能。しかし、結局その周辺しか移動できないため意味がない」


「もし仮にどこぞのオカリナよろしくラスボスへワープするバグがあったとしても、ボス戦ですら落下判定をくらうことが確認されている」とのことで。まずは空中を滑空するためのアイテムである「パラセール」を入手する必要があるようです。


そしておもむろに走り出し……


塔の1番上からジャンプするリンク。


このままだと落下してゲームオーバーになってしまうのですが、盾の装備画面を表示して……


盾を外すと落下ダメージをくらいませんでした。「装備変更で武器投げを強制中断することで落下距離の計算をリセットできる」そうで、これにより高所から落下してもダメージをくらわなくなるわけです。塔を一段一段降りる必要がなくなるのでかなりの時間短縮になるはず。


さらに、「テキストを飛ばせるのはBボタンのみなので、基本はB連打。ただし選択肢ではAが必要になるので結局どちらも連打する場合が多い」


「いくつかの選択肢は下押しっぱ+Aで下を選んだ方が早い。ここは3つ目のみ下(間違って2つ目も下を選んだがこれは同じ早さ)」


「地味に会話が終わる前からカメラを動かせる。あらかじめ行き先へ合わせておくと便利」ということで、会話シーンでも時間短縮のためのテクニックが取り入れられており、さらにはカメラアングルまで時間短縮に生かそうとするその貪欲な姿勢が垣間見えます。


「以前は先にマグネキャッチからだったが、先の落下ダメージキャンセルにより、先にバクダンを取り、ワープで戻って再び塔を降りた方が僅かに早くなった(多分Wii U限定)」とのことで、時間短縮のために攻略ルートも細かく変えているようです。


「ここは左右のガーディアンに近づくとムービーが発生するので堀の上を通って避ける」とのことで、「どの順番で攻略するか」だけでなく、移動ルートも細かく決められており、これをミス無く45分続けるというのはかなりの精神力が必要になりそう。


他にも1度ジャンプしてからマップを開くという小技が紹介されており……


これは「初回はマップを開く時にシーカーストーンを覗き込む短いムービーが入る。ジャンプしながら開くことによりこれをスキップできる」とのこと。1分1秒を争うRTAならではのテクニックと言えそうですが、こんな小技を一体全体誰がいつどうやって気づいたというのでしょうか……。


水辺にやってきたリンク。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」では水中を移動できる範囲が「がんばりゲージがなくならない限り」に制限されており、実際にプレイした編集部員は初めてこの水辺にダイブした際、がんばりゲージがなくなり溺れてゲームオーバーとなってしまいました。


ここでどんなテクニックを見せてくれるのかというと、ジャンプして盾サーフィンを行い……


即座に盾を外し……


さらにバクダンを取り出して……


即座に爆破。爆破の勢いでリンクが吹っ飛び……


一気に反対岸まで移動してしまいました。一瞬のうちにさまざまな動作が行われており、初見でこれを行うのは至難の業。修練の結果としての45分というタイムだと思われるので、この域に達するにはどれぐらい頑張ればいいのか……。


ダッシュジャンプでは届かないくらい大きな溝に突っ込むリンク。


ジャンプから盾サーフィンを行い……


盾を外して着地。これにより通常では届かない2段ジャンプが可能となり、盾を外すことで盾の耐久の消費と着地時の硬直を防げるそうです。


「盾サーフィンは雪や砂以外の場所へ着地時に耐久を消費する。残り耐久3以下で『壊れそうだ』と表示されるので覚えておくと便利」とのことで、豆情報も盛りだくさん。


「さて、見せ場である新おもしろ技」が披露されます。


まずは四角いリモコンバクダンを持って……


目の前の岩と地面の隙間に入れます。


続いてビタロックで岩を止めて……


攻撃ボタンを押しっぱなしにして岩に衝撃を溜めます。


衝撃を溜め終わったらバクダンを爆破して……


岩に張り付きます。


ビタロックの固定時間が過ぎると岩が空中に飛び上がり……


岩と一緒にリンクが空を大移動できます。


地面に衝突する間際で……


岩からジャンプ。


これで落下ダメージもなく大移動ができてしまうわけです。


「この技自体はかなり前からあったが、あの岩は窪みに嵌っているため、普通に殴るだけでは岩が引っかかってスピンしてしまう。最後にバクダンで上方向へ向けてやるのがカギ」とのことで、バクダンの爆破で岩を飛ばす方向を最後に変えるのがポイントになっているそうです。


そうこうしているうちに目標としていた「パラセール」を入手。ここまでの所要時間はなんとわずか23分30秒。ここからわずか22分21秒でラスボス撃破までいってしまうという事実にも驚きです。この後、始まりの大地を下りてラスボスとの激しいバトルを繰り広げるわけですが、ゲームのエンディングもモロに入っているので、続きが気になる場合は実際にムービーを再生して確認してみてください。


なお、世界中のRTAプレイヤーがどれくらいの速度で「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をクリアしているのかは以下のサイトでチェック可能。sva161620さんの45分51秒というクリアタイムは記事作成時点では世界で4番目に早い記録となっており、最も早い記録と比べてもわずか2分18秒しか差がありません。

The Legend of Zelda: Breath of the Wild - Leaderboard - speedrun.com
http://www.speedrun.com/botw/full_game


ZeldaSpeedRuns Leaderboards
http://zeldaspeedruns.com/leaderboards/botw/any


なお、ランキングの上位陣は軒並みWii Uを使っていますが、これはムービー中で解説されていた「ロード時間がわずかに早い」という特徴があるから。また、上位陣の使用言語にフランス語やドイツ語が多いのも「他の言語よりもイベントムービーが早く終わるから」で、以下のムービーを見ると言語によってどれくらいイベントムービーの速度が異なるかがよくわかります。

Breath of the Wild - Voice Acting Comparison (Any%) - YouTube


ムービー中で紹介されている口笛ダッシュや2段ジャンプのような移動テクニック、さらに少しでも時間短縮するためのコツやテクニックなどが積もりに積もり、記事作成時点では世界最速が43分33秒となっています。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の発売日は2017年3月3日で、リリース初期のRTA最速タイムは1時間オーバーのものだったことを考えると、細かな時間短縮テクニックの積み重ねとプレイヤー同士の研鑽により今の驚異的なタイムが形成されていったことよくわかります。


なお、ゲーム本編は以下の通りレビュー済み。RTAの様子を見て「逆に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』本編が気になった!」という人は以下の記事を読んでみてください。

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の圧倒的自由度&完成度にこれまで培われてきたゲーム観をぶち壊された - GIGAZINE

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in 動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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