卓上サイズで激安なのにロレックスを真っ二つにできる切断力を誇るウォータージェット加工機「WAZER」

研磨剤入りの水を高圧で噴射することで金属板さえも切断できるウォータージェット加工機は業務用のマシンであり、おいそれと手を出せない代物です。しかし、卓上サイズのコンパクトさを持ち業務用とは比較にならないほどの低価格を実現した「WAZER」の登場で、何でも自作してしまう「メイカー」の手が届く加工機になりつつあります。

WAZER
http://www.wazer.com/

卓上サイズのウォータージェットカッター「WAZER」でどんな物をカットできるのかは以下のムービーを見れば一発で分かります。

Introducing WAZER, The First Desktop Waterjet - YouTube


「何でも自分で作れるパーソナル・マニュファクチャリングの時代が到来しましたが、耐久性の高い固い素材を使おうと思うととたんに加工が難しくなります」と話すのはWAZERの共同創立者の二サン・レリア氏。

同じくWAZERの共同創立者のマシュー・ノウィキ氏は「あらゆる素材を使う必要があります。だからウォータージェットカッターを作ったのです」と述べています。

そんな二人が開発したのが卓上サイズのウォータージェット加工機「WAZER」

サイズは縦635mm×横864mm×534mmで、重さは50kg。作業台に載せられるサイズで場所をとらず、110V電源で駆動します。

サイド部分に研磨剤を流し込んで準備が完了。

銅や……

鉄を加工可能。ウォータージェットカッターは研磨剤入りの水で切断するため、熱や粉じんが出ないという特長があります。

デジタル入力したデータ通りに寸分違わずに切断できます。

タイルを切り抜くことも可能。

同じ形のタイルを複数枚切り出すこともOK。

アルミの板を加工して作ったのは……

自転車のスプロケット。

WAZERの設計を担当するノエル・ジョイス氏。

デスクトップサイズで多くの素材でも加工できるWAZERによって、加工時間が大幅に短くなることで、テストの回数を飛躍的に増やせる点で、モノ作りの強い味方になるとその利点を語ります。

カーボンファイバーのパネルを切り出して……

車いすに設置。

ジョイス氏は車いす用の傘ステーを取り付ける部品を自作しました。

金属アーティストのウェバーさんは……

これまで金ノコなどで金属を加工していましたが、手間も時間もかかり作業はたいへんだったとのこと。

しかし、WAZERを使う事で作業内容は激変。

精度が高まるだけでなく時間短縮にもつながり、手間も大幅に軽減しました。

近い将来、各自が物をたった1日で自作できるローカルファブリケーションの時代が来るはずで、WAZERはモノ作りにとって強力なツールになるとジョイス氏は考えています。

なお、WAZERに取り付けられたロゴプレートはWAZERで切り出されています。

WAZERが加工できる素材と厚さは以下の通り。

WAZERの切断能力は極めて高く、ロレックスの腕時計を真っ二つにするムービーも公開されています。

WAZER Cuts Rolex In Half - YouTube


WAZERは量産化に先だってクラウドファンディングサイトKickstarterで出資を募集したところ、目標額の13倍以上の133万ドル(約1億4400万円)の資金を獲得しました。

The First Desktop Waterjet Cutter by WAZER — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/1294137530/the-first-desktop-waterjet-cutter

WAZERはウォータージェットカッター本体＋PUMPセットが5999ドル(約65万円)、さらに専用のフレームLEGS付きのセットは6249ドル(約68万円)で発売予定。現在は、発売前の予約を受け付けており、各セットを25％オフの4499ドル(約49万円)、4749ドル(51万円)でゲットできます。なお、商品の発送は2017年12月が予定されています。

Pre-Order — WAZER
http://www.wazer.com/pre-order/