ダイヤモンドではなく「モアッサン石」の方が宝石として優れているという理由

by Christophe

ビジネスと自己教育の専門家でベストセラー作家のJosh Kaufmanさんは婚約した際、婚約指輪を選ぶ段階になってダイヤモンドについて調べた結果、「ダイヤモンドの価格はぼったくりであること」「モアッサン石はカット・カラー・透明度・耐久性・輝き・費用のいずれにおいてもダイヤモンドより優れている」という結論にたどり着いたとのこと。モアッサン石とは何なのか、なぜダイヤモンドの指輪を購入すべきでないのかを、Kaufmanさんがブログにつづっています。

Diamonds Suck! A Personal Essay on the Virtues of Moissanite and Why You Should NEVER Buy a Diamond
http://diamondssuck.com/

写真の男性がKaufmanさんです。Kaufmanさんは、「ダイヤモンドを購入してお金を浪費する人が1人でも減れば」と記事を書いたとのこと。


◆モアッサン石とは?
モアッサン石とは「炭化ケイ素」の別名。モアッサン石が地球上で産出されるのはまれで、隕石やコランダムキンバーライトといった鉱石の中にごく少量が含まれています。

モアッサン石はダイヤモンドとケイ素の間のような性質を持ち、透明度や硬度の高さなど、ダイヤモンドと性質を同じくする部分が多くあります。例えば、ダイヤモンドのモース硬度は10で天然石の中では飛び抜けて高い数値ですが、モアッサン石の硬度は9.25であり、ダイヤモンドには劣るものの非常に高い数値となっています。また、ダイヤモンドの屈折率は2.42ですが、モアッサン石の屈折率は2.65~2.69であり、ダイヤモンド以上。そのため、丁寧にカットされ磨きあげられたモアッサン石は、人間の目ではダイヤモンドとは区別がつかいないほどだと言われています。

モアッサン石とダイヤモンド、その他の宝石の性質を数値で比較した表が以下のもの。左から屈折率・ディスパージョン (屈折で生じる分散光)・光沢指標・モース高度・強度・比重となっており、屈折率・ディスパージョン・光沢指標などにおいては、モアッサン石の方がダイヤモンドよりも数値が高くなっていることがわかります。


研究施設でモアッサン石とダイヤモンドの屈折率とディスパージョンを比較テストした結果がこれ。左側にあるモアッサン石の方が虹色に輝いているのがわかります。


モアッサン石は天然のものも存在しますが、ダイヤモンドとは違い、人造することも可能。人造のモアッサン石はダイヤモンドの10分の1ほどの価格で高いきらめきを誇っているとのこと。

ということで、Kaufmanさんが主張する「ダイヤモンドを買うべきではない7つの理由」は以下の通り。

1:価格
ダイヤモンドの価格は、1880年代以降、デビアスのダイヤモンド・カルテルのせいで人為的に高騰させられています。

2:ダイヤモンドのイメージはマーケティング戦略で作られた
現在人々がダイヤモンドに対して持っているイメージは、1938年からデビアスが開始したマーケティングによるものであって、生来的な価値や希少性を理由とするものではありません。例えば、デビアスは「ダイヤモンドは永遠と愛の象徴」として、映画の中で結婚祝いとしてダイヤモンドを使ったり、有名人を起用し雑誌や新聞中にダイヤモンドのロマンチックな面を想起させるストーリーを掲載したとのこと。これらのマーケティングによって、人々に「ダイヤモンド=永遠の価値」というイメージを植え付けることに成功したわけです。

by kyler kwock

3:投資対象にはならない
ダイヤモンドは非流動資産であり、投資の対象にはなりません。eBayなどで中古のダイヤモンドを販売しても、自分が購入した価格以上の価格、あるいは近い価格でダイヤの指輪が売れることはほとんどないとのこと。

4:戦争の資金源になる
ダイヤモンド産業は戦争・大量虐殺・テロを生み出します。アンゴラやシエラレオネなど内戦地域で産出されるダイヤモンドは紛争当事者の資金源になっており、紛争ダイヤモンドや血塗られたダイヤモンドと呼ばれています。

5:結局「ただのきれいな石」である
ダイヤモンドの結婚指輪は「給料3カ月分」の価格がふさわしい、と言われることがありますが、よく考えれば、ダイヤモンドが「ただのきれいな石」であることに気づくはず。「あなたが働いた数カ月の時間と労力を『ただのきれいな石』とトレードすることは賢明と言えるでしょうか」とKaufmanさんは疑問を投げかけています。

by M I S C H E L L E

6:大抵の人は石のグレードではなく指輪の装飾を見ている
宝石が黄みがかっていたり、中に不純物が入っていたり、明かに偏りがあったりしない限り、一般の人々がダイヤモンドそのもののレベルを見分けることなどほぼ不可能です。「これはEカラー、VS-1のダイヤモンド、理想的なカットですね」と一目見て言える一般人はおらず、それよりも、宝石がどのように配置されているのか、どのような装飾になっているのかなどを見るものです。

7:ダイヤモンドを選ばなかったお金で未来に投資できる
ダイヤモンドを購入した100万円で、別のことができることも覚えておきましょう。ダイヤモンドを買わなかった100万円で素敵な新婚旅行に行ったり、新しい生活に必要な車や家具を購入したり、未来への投資が可能です。

そしてKaufmanさんが主張する、「モアッサン石がダイヤモンドよりよい選択肢である8つの理由」は以下の通り。

1:「結婚」の象徴になり得る
婚約指輪・結婚指輪の価値は投資的なものではなく、感情的なものです。そして、指輪は結婚というイベントの象徴であり記念品としての役割があるので、見てくれがよく、それらの役割を果たしてくれるのであれば必ずしもダイヤモンドが使われている必要はありません。コスト・質・耐久性という点を考えれば、ダイヤモンドよりもモアッサン石の方が「結婚の象徴」として魅力的と言えます。

by luna715

2:品質コントロールが可能
モアッサン石は研究施設で作り出せるので、品質コントロールを行うのが簡単です。それゆえに、高品質なモアッサン石を手に入れることは高品質なダイヤモンドを手に入れるよりも容易です。

3:石にお金をかけない分、装飾やデザインで指輪をよりよくできる
「ダイヤモンドを買うべきではない理由」でも述べたように、多くの人は宝石のグレードではなく装飾や指輪のセンスに目がいくもの。宝石の価格が低い分、モアッサン石を選べばよりよい装飾にお金をかけることができます。

4:節約
結婚生活で遭遇する困難に「お金」が理由であるものは多くあり、中には財政的なことが理由で離婚する夫婦も。負債を抱えた状態で新婚生活を始めないためにも、お金は節約し、未来のために取っておきましょう。

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5:現金払いが可能
モアッサン石は現金払いができるほどの額なので、金利によって高額な結婚指輪がさらに高額になってしまう……ということもありません。

6:多くの人は「結婚指輪と言えばダイヤモンド」と洗脳されている
多くの人は「結婚指輪と言えばダイヤモンド」と洗脳されているので、「宝石が実はダイヤモンドではないと人に知られて威信を失う」という可能性はほとんどありません。実際に、Kaufmanさんが恋人に渡した指輪はダイヤモンドではありませんでしたが、誰かに気づかれたことはないとのこと。ただし、恋人に「これはダイヤモンドの指輪だよ」とモアッサン石を偽って渡すのはダメで、正直に話すべきとも語っています。

7:安心して眠れる
あなたが払ったお金で無実の人々が戦争で殺されることはないので、安心して眠れます。

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8:クリエイティビティを発揮し、婚約者を喜ばせることができる
婚約者はあなたの創造性やセンスが指輪に込められていることを喜び、人に話したがります。ダイヤモンドではなくモアッサン石を選ぶことで浮いたお金で、さまざまなオプションをつけ、指輪を優れたデザインにしてください。

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