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ティム・バーナーズ=リーがHTML5世代のDRM技術「EME」の開発タイムラインの延長申請を却下


World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進する為に設立された標準化団体World Wide Web Consortium(W3C)のティム・バーナーズ=リー氏が、HTML5世代のコンテンツ配信のDRM技術である「Encrypted Media Extension(EME)」の開発遅れに伴うタイムライン延長申請を却下したことが明らかになりました。Google・Microsoft・Netflixなどが推進する次世代DRM技術の実用化に暗雲が垂れ込めています。

Tim Berners-Lee just gave us an opening to stop DRM in Web standards | Defective by Design
https://www.defectivebydesign.org/blog/tim_bernerslee_just_gave_us_opening_stop_drm_web_standards

デジタルデータ・コンテンツの著作権を保護するために複製・利用を制限するDigital Rights Management(DRM)の中で、HTML5では既存のHTML要素のAPIを拡張させることで著作権を管理するEMEは、MicrosoftやGoogle、Netflixらが主導で標準化を進めてきました。

2002年にW3C Working Groupで提案されたEMEは、策定を進めるHTML Media Extension(HME)がW3Cによって割り当てられた所定の期限までにEMEの標準化を完了することができなかったため、6カ月の猶予を求めてEME勧告の発行を2017年3月30日までとする開発タイムラインの延長を求めました。しかし、2016年10月4日に送信されたW3CのMLでティム・バーナーズ=リー氏が延長申請を却下したことが明らかになっています。

On HME extension and AC review from Philippe Le Hégaret on 2016-10-04 (public-html-media@w3.org from October 2016)
https://lists.w3.org/Archives/Public/public-html-media/2016Oct/0009.html


ティム・バーナーズ=リー氏は延長申請を却下したものの、開発タイムライン延長の可否は大学や企業の識者から構成されるAdvisory Committeeに委ねるとしており、Advisory Committeeでの判断によってEMEの行方が決まることになりそうです。

なお、EMEなどのDRM技術がウェブ世界の自由なアクセスを妨げるとして一貫して反対の立場をとってきたフリーソフトウェア財団は、「ソニーのルートキットマルウェア問題に始まる過去の経過を見ても、ウェブ標準にDRM技術を組み込むことはウェブユーザーにとって害悪以外の何物でもありません。EMEはセキュリティ調査を妨げ、ウェブ上のプライバシーや自由を奪い取り、ウェブにとって不可欠な相互利用可能性を後退させるものだと予想できます」と述べ、EMEへの反対の意志をあらためて明らかにしています。

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in ソフトウェア, Posted by logv_to