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2020年代に惑星間輸送システムで火星に人を送り込む計画をSpaceXのイーロン・マスクCEOが発表


メキシコのグアダラハラで行われている国際宇宙会議で、宇宙船の開発・打ち上げなどを行っているSpaceXのイーロン・マスクCEOが基調講演を行い、「惑星間輸送システム」によって2020年代に火星に人を送り込んで火星に都市を造ることを計画していると明かしました。マスクCEOが目指しているのは火星入植と、人類を地球だけではなく複数の惑星に暮らす「マルチプラネタリー」な種族にすることだとのこと。

Mars | SpaceX
http://www.spacex.com/Mars

基調講演の様子はYouTubeで全編が公開されています。長さは1時間58分21秒ありますが、最初の21分間はイベント開始の待ち時間なので、およそ1時間30分ほど。

Making Humans a Multiplanetary Species - YouTube


さすがに基調講演を見るのは大変ですが、「惑星間輸送システム」については4分21秒のプロモーション映像が用意されています。

SpaceX Interplanetary Transport System - YouTube


打ち上げ台と「惑星間輸送システム」の宇宙船(スペースシャトル)。連絡橋を渡って、人が乗り込んでいきます。


シャトルの先端はこんな感じ。


側面には「SpaceX」の文字が。


打ち上げはケープ・カナベラルにあるケネディ宇宙センターの「39A」と呼ばれる発射台で行われます。ここは2014年からSpaceXが20年にわたってリースを受けていますが、かつて人類を初めて月面に到達させたアポロ11号打ち上げの歴史的な発射台でもあるとのこと。


打ち上げ時の推力は12万7800kN。


速度は時速3500km以上に。


やがて周回軌道上に到達。


ここで分離作業を行います。


宇宙船は周回軌道上に残り……


切り離されたブースターは地球へと帰還を開始。


発射台へと戻ってきました。イーロン・マスクCEOは「再利用」こそが鍵になると語っています。


続いて、「プロペラントタンカー(補給機)」がブースターに取り付けられました。


再び打ち上げが行われて……


補給機がさきほど周回軌道に残った宇宙船に近づいていきます。


そのまま、周回軌道上で宇宙船に対して燃料補給を行いました。


補給機はこれで役目を終えて地球へと戻ります。


一方、宇宙船は火星へ向けて出発。


200kWを生み出す太陽電池パネルを展開。


地球を離れて約40万km……


宇宙船は時速10万kmの速度で、火星へ向けて進んでいます。マスクCEOによると、惑星間輸送システムはこの距離を30日ほどで移動するとのこと。


やがて、火星が見えてきました。


突入時の温度は1700度。


そして、着陸。


人々が火星に降り立ちます。


マスクCEOは「火星までの旅費が100億ドル(約1兆円)もかかっていては、火星で自立した生活はできない」と述べ、コスト面の大幅な改善を目指していて、「アメリカで家を1軒買う」ぐらいの価格にする予定。また、目標としては、1便で100名ずつを火星に送り込み、火星に都市を造ることを掲げました。


いつかは、火星にも緑が芽生えるように……?


この「惑星間輸送システム」のために作られたエンジンが「Raptor」。テストの様子はこんな感じ。


これから開発とテストが進められ、2022年にまずは無人での打ち上げが、そして2024年には有人での打ち上げが予定されているとのこと。なお、マスクCEOは最初の旅はとても危険なものになるので、最初の旅行者は死の覚悟を持って旅立つことになるだろうと語っています。

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in 動画, Posted by logc_nt

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