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インド一の実業家が私財を投じて激安の高速無線通信網を構築、インドにIT革命到来の予感

By Russ Bowling

インドの実業家ムケシュ・アンバニ氏が、自身の資産を投入してインドに激安の4G通信サービスを開始しました。これによりインド国内の高速通信網が一気に整備され、新たなインターネットサービスが続々と誕生しそうです。

India's richest man offers free 4G to one billion people
http://money.cnn.com/2016/09/06/technology/india-reliance-jio-4g-internet/

これまでインドでは、無料で利用できる公共のWi-Fiスポットはほとんどなく、農村部ではインターネットインフラが整わない状態で、インターネットにアクセスできるのは都市部に住む人のみで、国民全体の5人に1人に限られていました。この状況を打破すべく動いたのが、インド人実業家のムケシュ・アンバニ氏。アンバニ氏は自らの資産を投入して、リライアンス・Jioネットワークという4Gの高速無線通信を激安で提供することにして、インド全土に一気にインターネット通信網を築こうとしています。


リライアンス・Jioは、すでにインドの80%の地域で4G無線通信を構築し、2016年9月5日からJioネットワークをスタートさせており、2016年内についてはなんとモバイル通信を無料で解放するとのこと。2017年以降も月額149ルピー(約230円)という激安価格で提供する予定です。

アンバニ氏は「デジタル化できるあらゆるものが今後次々とデジタル化されるでしょう。それも指数関数的な速度で、です」と述べ、インド全土におけるデジタル・通信革命を予見しています。アンバニ氏によると、リライアンス・Jioネットワークはすでに1万8000都市、20万の村をモバイル通信網をカバーしており、2017年3月までに人口カバー率90%を達成する目標だとのこと。


インドではこれまでにもGoogleがインド中の駅舎に無料のWi-Fiサービスを提供したり、Facebookがフリーバージョンのサービスを提供するなど、10億人の巨大市場にインターネットサービスを普及させる試みを行ってきました。しかし、リライアンス・Jioの圧倒的なサービスを受けて、ライバルのモバイル通信社であるエアテルは3G・4Gサービス価格の80%オフに、ボーダフォンはデータ通信容量を70%引き上げるなど早くも対抗する動きが起こっているとのこと。リライアンス・Jioの価格破壊とも言える攻勢によって、インドのインターネットサービスは劇的に変化すると考えられ、今後、インドがIT大国としての存在感をますます高めることが予想できます。

・おまけ
インド最大の民間企業であるリライアンス・インダストリーズを率いる実業家で、世界長者番付のトップ10に名を連ねるアンバニ氏は、地上高170メートルの豪邸を所有。アンバニ氏のぶっ飛び具合がうかがい知れる建物となっています。

By Jhariani

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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