生き物

サンゴはすべての「悪」を退ける魔除け

By Robert Howie

古くは石や宝石として扱われていたサンゴですが、さらにさかのぼると魔除けとしても使用されていたそうで、その起源をThe Recipes Projectが探っています。

The coral and the seal: an ancient amulet against all ills | The Recipes Project
https://recipes.hypotheses.org/7715

現代を生きる人々は珊瑚(サンゴ)は海に生息する無脊椎動物であることを知っています。しかし、サンゴが動物であると分類されたのは18世紀になってからで、それ以前は非常に独特な形をしているものの、一般的には空気に触れると石になる植物と考えられていました。ギリシャ語でサンゴは「lithodendron」と呼ばれており、これは「石の植物」という意味の単語です。当時は多くの人々がサンゴを「石の植物」と考えており、それゆえ宝石細工やパワーストーンとして扱われたそうです。

古代ローマのアウグストゥス時代に生きた詩人であるオウィディウスは、サンゴはギリシア神話の英雄・ペルセウスが斬り取ったメドゥーサの頭部から流れた血が海に落ちて生まれたもの、と伝えています。こうして生まれたサンゴはその後、海の精により世界中の海にばらまかれたと言われており、これがギリシャ神話の珊瑚伝説として現代にも伝えられているわけです。

By Chris Brown

この「サンゴは血を吸って誕生した」という珊瑚伝説がもととなったのかどうかは定かではありませんが、その後サンゴには止血作用があるものと考えられるようになりました。古代ギリシャの薬理学者で「薬理学と薬草学の父」とも呼ばれるペダニウス・ディオスコリデスは、自身の著書である「薬物誌」の中で「サンゴは喀血にとても効果的に作用する」と記しています。また、ローマ帝国時代のギリシアの医学者であるガレノスは、失血時に使う薬の処方に新種のサンゴを含めています。

さらに、サンゴは止血作用以外にも注目される特性を持っていました。その特性というの「歯を白く保つ」というものでした。ガレノスの書いた医学書には、「歯を白くするため治療には、赤珊瑚や軽石、甲イカの骨、焼けた塩などを砕いて使用するのが良い」と記されています。

By Rick&Brenda Beerhorst

サンゴ関連でいえば、より面白いレシピが存在します。そのレシピが載っているのはギリシャ語で魔法の材料のコレクションなどが記されたCyranidesという書物。これにはサンゴをアザラシの皮で包んで作るアミュレットの作り方が記されています。

アザラシと言えば海に生息する足を四つ持った哺乳類ですが、その皮膚は昔から家や船の中に飾られてきました。これを飾ることで雷やハリケーン、ひょうなどの自然災害や、魔法や幽霊などの魔除けにもなると考えられていたわけです。そして、このアザラシの皮はそれ単体かサンゴと一緒に魔除けとするのが良いとされています。

なぜアザラシの皮とサンゴを一緒に使うと良いと考えられていたのかは不明ですが、両方が海から生まれたものであり、分類するのが難しいという共通点を持っています。例えばアザラシは魚に似ていますが四足動物であり、サンゴは「植物のように見えるが実際は石」と考えられていたためです。

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in 生き物, Posted by logu_ii