サイエンス

ニワトリのニオイが「マラリア予防」に効果的であることが研究で明らかに

By Thomas Vlerick

世界の三大感染症の一つで年間2億人もの罹患者と200万人の死亡者を出しているという感染症が「マラリア」です。大昔から人間を苦しめてきたこのマラリアの感染予防に、なんと「ニワトリのニオイ」が役立つことが新たな研究で明らかになっています。

Chicken odour 'prevents malaria' research in Ethiopia finds - BBC News
http://www.bbc.com/news/world-africa-36854781


エチオピアとスウェーデンの科学者たちが、「マラリア蚊」と呼ばれるマラリアを運んでくる蚊は、ニワトリやその他鳥類のニオイを避ける傾向にあることを発見しました。同研究結果は、Malaria Journalというマラリア関連の研究結果が公表される国際フォーラムの中で明かされたもので、蚊帳の中で眠る被験者のそばにかごの中に入れた生きたニワトリをつるしておくという実験を行い、その中で蚊がニワトリのニオイを避けることを発見しています。

マラリアは予防可能かつ治療可能な感染病ですが、全世界で毎年200万人もの死亡者を出しています。国連の発表によると、2015年のアフリカでのマラリアによる死亡者の数は40万人です。そのマラリアは蚊を媒介にして感染拡大する感染症のひとつなので、これの予防には「蚊に刺されないようにすること」が非常に重要です。殺虫剤や虫除けスプレーなど蚊対策はさまざまですが、ある科学者は「蚊の中には殺虫剤に対する抵抗性を身につけているものもいる」と語っており、蚊を寄せ付けないようにするための新しい手段の必要性を説いています。マラリアのワクチンが開発され、年々、感染率と死亡率は減少傾向にあります。しかし、厚生当局は現在もマラリアの感染拡大を防ぐための新しい方法を模索しています。

By steve p2008

そんな中で新たに発見されたのが、マラリアを運んでくる蚊がニワトリのニオイを避ける、という研究結果。同研究に参加したアディスアベバ大学のHabte Tekieさんは、「ニワトリのニオイから作った合成物で虫除けが作れるかもしれない」とコメントしています。なお、研究はまだ「実地実験の段階」とのことで、具体的にニワトリのニオイのどういった成分を蚊が嫌っているのかまでは不明です。

しかし、ニワトリの羽から抽出された合成物を使った実験も行われており、生きたニワトリ同様の効果を発揮していることが明らかになっています。さらに、同研究に参加した研究者は、「ニワトリと(ニワトリの羽から抽出された)合成物は、蚊帳の近くに来る蚊の数を著しく減らした」と述べ、その有効性を強調しています。

なお、同研究にはスウェーデン大学の農業科学の研究者も参加しているそうです。

・関連記事
ビル・ゲイツが貧困撲滅のために「ニワトリ」を寄付する理由とは? - GIGAZINE

ネコ・犬・鳥・ヘビ・ハエ・サメ・魚の目で見た世界と人間の目で見た世界の差がわかるムービー - GIGAZINE

鳥の目には自然界に潜む謎が隠されている - GIGAZINE

実はブロイラーの鶏肉の値段は想像以上に高い - GIGAZINE

どうして鳥は目の前にある障害物にぶつかってしまうのか - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物, Posted by logu_ii