バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンがパーティー用のジャグジースパに大変身する一部始終

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシンといえばデロリアンに他ならないわけで、世界中には細かいディティールにこだわってBttF仕様を再現するファンや、自分で映像作品を作ってしまうファン、はたまた全自動でドリフトをキメるデロリアンをスタンフォード大学が作ってしまうなど、実に多くのカスタムされたデロリアンが存在しています。そんな中でも特に個性的と言える、「ジャグジースパ仕様のデロリアン」という、一体何を言っているのかよくわからなくなるカスタマイズをするという企画が行われたようです。
DeLorean Hot Tub Time Machine - Super-Fan Builds - YouTube
この企画が公開されたのは、YouTubeチャンネル「AWE me」で公開されているSuper-Fan Buildsと呼ばれるシリーズ。このシリーズでは、スタートレックやスター・ウォーズ、ゲーム・オブ・スローンズなどの大ファン(スーパーファン)のために、ワンオフでアイテムを作成する映像を公開しています。

今回、デロリアンの改造を担当するのは、数々の映画でクリエイティブディレクターを務めてきたシェーン・ハモンド氏。

ハモンド氏は、映画「アイアンマン」などの名だたる映画に携わってきた人物だそうです。

そして、バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの大ファンであるブランドンさんが今回選ばれたスーパーファン。

子どものころは自動車にまったく興味が無かったというブランドンさんですが……

バック・トゥ・ザ・フューチャーでデロリアンを見て完全に心を奪われてしまったそうで、それ以来のスーパーファンとのこと。

ブランドンさんには9歳の娘のアイルランドちゃんがいるのですが、ブランドンさん同様に作品のスーパーファンだそうです。

ブランドンさんの願いは、自宅のガレージにあるミニバーを使って来客者をもてなせるようなデロリアンを手に入れること。

さまざまな友人がやって来る時に喜んでもらえるようなものが欲しいそうです。

そこで、ハモンド氏が考案したのが、「デロリアンを改造したジャグジースパ」というもの。

ハモンド氏は、さっそくデロリアンを生みだした「デロリアン・モーター・カーズ(DMC)」社を訪れます。

DMCは今でもデロリアンの保存や修復、そしてバック・トゥ・ザ・フューチャーファンのためのカスタマイズを行っています。

「このデロリアンの中に、バスタブを入れようと思うんだけど」と語るハモンド氏。DMCの店員さんは意外にも「OK、じゃ、店の裏にある車体を見に行きましょう」とスンナリ承諾。

店の裏には、部品取りとしておかれている車体がズラリ。

「あの上にあるのがデロリアンのフレームですよ」と指さす店員さん。

ほとんど目にすることがないデロリアンの骨格。素材はFRP(ガラス繊維強化プラスチック)でできていて、この上にステンレス製のシルバーの外板をネジ留めする構造になっています。

ハモンド氏は車体と各種パーツを購入して帰りました

作業倉庫にデロリアンを搬入。

ボディパネルを全部取り外します。


そうしてむき出しになったFRPの車体を、鉄製のフレームに乗せる作業を行います。これは、このあとの作業でボディを切断した時にバラバラにならないようにするためとのこと。

FRPのボディを、高速で回転するグラインダーの刃でガリガリと切断……もったいない……。

フレームの前部分と床部分をごっそり切り取ってしまいました。

そして、別の場所で作っていたバスタブのモックアップを搬入。

このように、実際の車体とあわせて大きさなどを確認するというわけです。

実際のバスタブの周りには、2×4材で作ったウッドデッキを作成。少しずつリゾートっぽい感じも出てきました。

ブランドンさんはバック・トゥ・ザ・フューチャーのスーパーファンなので、通常デザインのデロリアンでは到底納得してくれません。そのため、ハモンド氏は映画に登場したデロリアンの写真を見ながら細部の工作を専門家に依頼します。

金属加工をするスタッフがパネルを切断して……

別のスタッフがそれを溶接。

車体に青色のLEDテープをはわせて……

その上から溶接したパネルを装着。

イメージはタイムスリップする瞬間のデロリアンの状態です。

そして次に、足回りの作成。

このように、ホイールを横向きに装着するスペシャルバージョンで作成されています。

だんだんと映画のデロリアンらしくなってきました。

ここで、番組のホストであるミッシェルさんが何かを抱えてやって来ました。

「ハーイ、持ってきたわよ」と言って渡したのが……

フラックスキャパシターのレプリカ。コレがないとデロリアンは完成しません。

ミッシェルさんは、リモコン一つでオープンするように改造されたガルウイングにも大興奮。いかにもパーティーが盛り上がりそうな装備です。

また、車体下部には電気で長さが変わるアクチュエーターを取り付けてあります。

スイッチをONにすると……

車体がゆっくり持ち上がりました。実は、車体にそのままバスタブを入れると背が低すぎるので、アクチュエーターで車体を持ち上げることで空間を確保するという作戦です。

いよいよ作業も大詰め。実際のバスタブを取り付けて……

ディティールを仕上げて完成しました。

「ついにご対面の瞬間」

ブランドンさん宅のガレージが開き、そこで目にしたものは……

ガレージ前に置かれた、青く光るデロリアン。

ブランドンさんとガールフレンド、そして娘のアイルランドちゃんも興奮気味の様子。右の二人はホスト役のサンディープさんとミッシェルさん。

ミッシェルさんが「いい?このスイッチをこうやって押すと……」

ガルウイングが上昇!思わず「Oh Sxxt!」とイケない言葉を口走ってしまうブランドンさん。

ここでブランドンさんが「この空を飛ぶバージョンのデロリアンは、ナンバープレートが『2015』じゃないといけないんだ」とオタクっぷりを発揮。「じゃ、見てみてよ」と言われてのぞき込むと……

そこには「SUPERFAN」の文字が。

「すごいね……」とウットリする3人。

ここで製作を担当したハモンド氏が合流。喜びで抱き合う二人。

2015年仕様のデロリアンと言うことで、リアにはもちろん核融合発電装置の「MR. FUSION」を搭載。ちなみに、映画に登場するMR. FUSIONは、一般に市販されているコーヒーミルを流用して作られた小道具だとか。

車内にはミッシェルさんが持ち込んだフラックスキャパシターも搭載されています。とはいえ、青いLEDでライトアップされるなど、全体的な雰囲気はパーティー寄りになっている模様。

さっそくパーティー開始!

ジャクジーにつかるブランドンさんに、ドク・ブラウンのそっくりさんがドリンクを手渡すというサービスも。

「楽しんでる?」と聞かれて「Yeah!」と答えるブランドンさんたち。デロリアンの中でジャグジーに入れるなどそうある体験ではないものです。

こうしてパーティーは続きます。次はどの作品がモチーフになるのかも少し気になるところです。

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