生き物

ヤギは飼い犬と同様に人間へアイコンタクトを行う

By marcovdz

人間の幼児・犬・馬は自分で解決できない問題に直面した時、近くにいる人の目を見て注意を引くという行動をとることが知られています。この行動は特に飼い犬に顕著に見られ、コンパニオンアニマルとして何千年も人間に飼育されてきた結果、脳の構造が変化したためと考えられています。このアイコンタクトの技術を、家畜化されたヤギも持ち合わせていることが実験によって証明されました。

Goats display audience-dependent human-directed gazing behaviour in a problem-solving task | Biology Letters
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/12/7/20160283

Video: These goats stare at men—when they want help | Science | AAAS
http://www.sciencemag.org/news/2016/07/video-these-goats-stare-men-when-they-want-help

ヤギが人間にアイコンタクトを行っている様子は以下のムービーから見ることができます。

These goats stare at men—when they want help - YouTube


犬は人間の目を見てコミュニケーションをとることが知られています。


しかし、犬と種族の近いオオカミはこのような行動をとることはありません。


ロンドン大学クイーン・メアリーの生物・化学・科学スクールのChristian Nawroth氏は、32匹のヤギを使ってヤギがアイコンタクトをとるかどうか調べる実験を行いました。実験は室内にヤギ1頭と人間1人を入れて、解決できないタスクを与えるとどんな反応をとるか観察するというもの。


部屋の中央に置かれたケースをしばらく調べたヤギは、そばにいる人間に助けを求めるように目を見つめているのがわかります。


これは床に接着して剥がせないようにしたエサが入ったケースで、どのヤギもまずエサを食べようと挑みますが……


ケースが剥がせないことがわかると、まず人間の目を見て、もう一度ケースからエサを食べようと試みます。


部屋に人間を2人配備してみると……


両方に対してアイコンタクトをとっているのがわかります。人間の目を凝視することで、何かしらの補助が得られることを理解しているわけです。


ペットとして人間に接するイエネコはあまりアイコンタクトを行わないことから、これまで特定の種類を家畜化するとアイコンタクトの意味を理解すると考えられていました。近年になり、飼育された馬もアイコンタクトを行うことが判明しており、ヤギも同様にアイコンタクトの技術を習得することがわかりました。科学者は「特定の種類の動物だけがアイコンタクトを覚えられる」という従来の説に疑問を投げかける研究結果であるとしており、家畜化による動物の認知行動の変化が、さらに広範囲の種類にも及ぶかもしれないことを示唆しています。

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in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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