空港のチェックイン時間を半分に短縮し業績5倍アップに成功、いかにしてセキュリティチェックを改善したのか?

by James Emery

空港では飛行機に搭乗する前に、チェックインカウンターや荷物のセキュリティチェックなどで長い時間行列に並んで待たされることがあります。そんな乗客の不満を解消するため、スイスのジュネーブ空港では施設内でBluetoothとWi-Fiセンサーを活用して、乗客が行列に並ぶ時間を半減させた上に、業績を前年度の5倍以上にアップすることに成功しています。

Genève Aéroport Cuts Wait Times by Half : Blip Systems
http://blipsystems.com/geneve-aeroport-cuts-wait-times-by-half/


ジュネーブ空港は、スイス国内で2番目に利用者数の多い空港であることから、既存のセキュリティチェックの設備配置やチェック方法の改善に2014年から取り組んでいます。一環として、デンマーク企業のBLIP SystemsCopenhagen Optimizationの技術を組み合わせて、乗客のリアルタイム計測と高度なデータ分析を行い、空港スタッフ数の最適化ならびにセキュリティチェックの可視化を行っています。


Copenhagen Optimizationの「Security Performance Evaluation Tool」(セキュリティパフォーマンス評価ツール、SPET)と呼ばれる技術は、「空港の利用者数を予測して、データを基にセキュリティチェックの使用レーン数を決定したり、待機時間のSLAを向上したり、スタッフの需要計画を立てたりする」というものです。

ジュネーブ空港ではSPETに加えて、BilpTrackのBluetoothとWi-Fiセンサーも導入しています。センサーは空港内各所に設置され、行列に並んでいる人数や待ち時間をリアルタイムで測定したり、実際の乗客数と事前の乗客予想数を比較したり、使用中のレーンで計画通りにセキュリティチェックが行われているかどうかを確認したりしています。2社の技術を併用することで、ジュネーブ空港はセキュリティチェックのパフォーマンスを日々査定することが可能となり、セキュリティチェックで行列が発生した際に原因を解明したり、行列を解消するために何に注力するべきかを分析しています。


BilpTrackのセンサーが収集した情報を基にして、ジュネーブ空港では予測が誤っていた場合やスタッフ不足の際に、パフォーマンスが低下している場所を素早く正確に見つけ出すことが可能となりました。また、スタッフの配置プランを見直し、不測の事態や混乱が起こっても速やかかつ有効的に対応できるようになったとのこと。


新技術の導入以後、ジュネーブ空港ではセキュリティチェックの待ち時間を平均で51%減らすことに成功。従来のセキュリティチェックは平均して7分かかっていたところ、2015年にはセキュリティチェックの所要時間が平均3分半に短縮されています。加えて、前年度よりも業績がアップした日数は、2014年には54日間だったのが、2015年には297日間となり、5倍以上に増加しています。


ジュネーブ空港ではさらなる効率化を目指して、「85%の乗客のセキュリティチェックを7分以内に完了して、全乗客のセキュリティチェックを20分以内に済ませる」ことを目標に掲げています。ジュネーブ空港でセキュリティ長を務めるRuben Jimenez氏は、「セキュリティプランニング会社は、空港のセキュリティを正確かつ信頼性の高いレベルへ進めています。空港では前もって数日後のセキュリティチェックのプランを立てることができ、さらには1年後の予定を先取りすることもできます。そのため、空港の予算計画や乗客数の計画の品質を著しく高めることができます」と語ります。

ジュネーブ空港の地上管制塔のプロジェクトマネージャーであるAnita Filli氏は、「BilpTrackとCopenhagen Optimizationの技術は、ジュネーブ空港にとって強力なツールとなります。空港のセキュリティスタッフの運用経験と、2社の技術を組み合わせることで、我々はさらに先を見越した行動に出る事が可能です。最も重要なのは、空港のサービスが改善すると、空港の利用者が直接的に恩恵を受けられることです。ジュネーブ空港のスタッフは、BilpTrackとCopenhagen Optimizationの技術を今後も使い続けることを楽しみにしています」と語っています。

BLIP Systemsでエンジニアとして働くKim Hermansen氏は、「ジュネーブ空港と我が社の長期間にわたる協力や、空港スタッフがより有効的なオペレーションと乗客の満足度のためにデータを活用しているという、革新的なアプローチを尊重します」とコメントしています。

なお、BlipTrackの行列分析システムは、ジュネーブ空港に加えて、オランダ、アメリカ、カナダ、ドバイ、スペイン、デンマーク、ノルウェー、イングランド、ベルギー、アイルランド、フィンランド、ニュージーランド、ドイツ、スイス、アイスランドなどの25以上の国際空港で採用されています。また、スイス、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、アイルランドの道路交通や、デンマークとイギリスの港、オランダの鉄道駅、アメリカのスキー場、世界各国の遊園地やイベントでもBilpTrackの技術が使われています。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log