取材

牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-・神撃のバハムート GENESISなどを生み出したアニメ制作会社「MAPPA」はこんなところ


2016年5月21日に劇場版「牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-」が公開されました。特撮で知られる「牙狼〈GARO〉」のシリーズ10周年記念作品であり、そのアニメ化は、アニメ業界で50年の長きにわたって活躍してきたプロデューサーの丸山正雄さんの強い思いから実現しています。

アニメーション制作を担当したのは、その丸山さんが2011年6月に、70歳にしてマッドハウスから独立して設立した「MAPPA」です。これまでに「坂道のアポロン」(手塚プロダクションとの共同制作)、「はじめの一歩 Rising」(マッドハウスとの共同制作)、「残響のテロル」、「神撃のバハムート GENESIS」、「パンチライン」、「うしおととら」(studio VOLNとの共同制作)などを生み出していて、アニメ版の「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」「牙狼-紅蓮ノ月-」も担当しています。その作品群はいったいどんな会社で生み出されたのか、MAPPAのスタジオを見せてもらってきました。

株式会社MAPPA
http://www.mappa.co.jp/

今回はMAPPAの第1スタジオ・本社を訪問しました。3階建ての建物です。


この建物は1階に整形外科が入っていて、2階と3階をMAPPAが使っています。もともと3階に第1スタジオがあったのですが、2014年4月1日からは2階も使うようになったということが公式サイトのコラム「第1スタジオ2F」からわかります。


階段部分は吹き抜けになっています。


3階から見下ろすとこんな感じ、日が差し込んできてとても明るい環境です。


スタジオの入口。


入口にタイムカード機が設置されていて……


「この世界の片隅に」「パンチライン」「劇場版 牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-」のチラシが置かれていました。


そしてスタジオの中へ……。左手側が作画や制作の部屋、右側はミーティングスペースが設けられていました。


背中合わせに机が配置された作画チームのスペース。アニメーターの仕事にはトレース台が必要となってくるので、基本的に使っている机はみんな同じ品で、その上に棚を置くというスタイルで統一されています。しかし、基本的にここで絵を描き続ける仕事なので、少しでもリラックスして仕事が進められるように、自分に合わせて最適化されています。


劇場版「牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-」関連の資料もたくさん置かれているのですが……


とにかく目を引いたのはスポンジボブ。


Windowsタブレットは作業用BGMなどを聞くために置かれているもの。端末は人によってそれぞれ異なります。


劇場販売商品のトートバッグに用いられた、林監督の描き下ろしイラストを発見。


棚から見守る牙狼の姿も。


壁面まで牙狼づくし。


とはいえ、劇場版「牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-」はAnimeJapan 2016が開催された2016年3月の時点ですでにダビング作業が終わっているので、すでにスタッフの方々の中には次の作品にかかっている方も多々いて、仕切りに張られている資料やビジュアルの一部は次の作品のものになっていました。


雑誌1冊分の奥行きのスペースにすっぽりと収まったVAIO。


次の作品のコンテ作業にかかられているようでした。


足元には、コーラの缶を模した冷蔵庫も。


この作画の現場で欠かせないのが「紙」です。原画用・動画用の紙が、棚に積み上げられていました。


こちらの棚にはタイムシートや、修正で使う薄い色つきの紙、絵コンテ用紙など、多種多様な用紙が積まれています。


当然ながら、文房具も大量に必要。特に、鉛筆と色鉛筆のストックはかなりの数。


硬いもの、柔らかいもの、合わせて30色以上がストックされています。


ちょっと短くなってしまったものも再利用。


スタジオ3階を、作画チームと分けあっているのが制作チームです。作品の制作を支えているのがここの人たち。


作画机とは違って、普通の事務机なのでスペースが見渡せます。ただし、いろいろな仕事で動き回る立場でもあるので、一堂に会することは「ほぼない」とのこと。


その壁には重要な連絡事項がいろいろと貼り出されているのですが、そこに混じって作画の方による素敵な落書きも。


「牙狼-紅蓮ノ月-」放送前に行われた祈祷式のときのものか、晴明神社のお札もありました。


ミーティングスペースの横に設けられていたキッチンスペース。


電子レンジはスペースの向かいに置かれています。その横には大きな本棚が置かれ、棚の上まで資料がぎっしり。


過去に手がけた作品のDVD・BDや資料、そしていろいろな書籍などが収められていました。書籍については丸山正雄さんの私物だそうです。


続いて2階へ……ですが、その前に目に入ったのは踊り場に積み上げられていた段ボール。「GARO2」とあるように、これは「牙狼-紅蓮ノ月-」のもの。


中にはぎっしりとカット袋が詰まっています。


2階の踊り場にも同じように積み上げられていた段ボール。こちらは劇場版「牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-」のものです。


ちらっと袋の中を見せてもらうと……


ロベルトのかわいい姿が現れました。これ1枚ではなく、絵が束になっているわけですが、映像にするとわずか数秒分。段ボールが積み上がるのも納得です。


2階のスタジオは……


色彩設計・CG・撮影のスペースとなっていました。


今まさに次の作品の作業を行っているところでした。


当初はこのメタルラックはなかったそうですが、作画と同じようにカット袋を置く場所が必要だということで設置されたそうです。


あれやこれやと、まだ見せられないものがいっぱい。


ちなみに、色彩さんのモニターは照明の影響を受けないようにと、こうした覆いが付けられていました。


このMAPPAが生み出した劇場版「牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-」は、現在劇場公開中。入場者プレゼントとしてオリジナルクリアしおり(全4種)を配布中です。公開1週目はレオン バージョンかアルフォンソ・エマ バージョン、2週目はヘルマン・ロベルト バージョン、3週目は魔戒騎士バージョンだとのことなので、ぜひ1度といわず何度も足を運んで、黄金騎士ガロの、そして帰ってきたヘルマンの戦いを目に焼き付けて下さい。

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in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logc_nt

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