取材

スカイマークの特別デザイン機「タイガースジェット」の招待フライトに参加してきました


スカイマークは2016年4月27日から、プロ野球チーム「阪神タイガース」のロゴなどを機体にデザインした特別デザイン機「タイガースジェット」を運行しています。5月20日には阪神タイガースのOB選手らも一緒に飛ぶ招待フライトが実施されたので、一体どんなフライトになっているのか、その後のセレモニーも含めて参加してきました。

特別デザイン機「タイガースジェット」の運航
http://www.skymark.co.jp/ja/campaign/tigers.html


「タイガースジェット」は、阪神タイガースのロゴなどが機体にデザインされた、日本では珍しい球団コラボの機体。スカイマークでは2機のボーイング737-800型機をタイガースデザインに変更して運航しており、同社が運行する全ての路線で運航されています。


機体にはあちこちにタイガースのロゴなどが描かれており、タイガースを身にまとって飛ぶことができるという旅客機になっているのでした。


当日は、羽田空港を12時45分に出発して神戸空港までのフライトが行われました。搭乗口となる羽田空港の38番搭乗口に到着。


この日のフライトの便名は、熱心な阪神タイガースファンならきっとピンとくる「SKY1985便」。1985とは阪神タイガースが21年ぶりにリーグ優勝し、その勢いのまま日本シリーズを制して日本一になった1985年(昭和60年)のことで、トラキチにはたまらない便名になっているのでした。


搭乗口で案内するグランドスタッフのみなさんは、スカイマーク仕様にデザインされた阪神タイガースのユニフォームを着用。


背番号の「737」は、もちろんスカイマークが運行している「ボーイング737」からつけられたもの。


出発時刻が迫り、搭乗開始。当日はマスコミのほかに、招待された乗客もフライトに参加していました。


機内もタイガースの雰囲気が漂うデザイン。シートのヘッドレストは、タイガースらしい黄色と黒のカバーで統一されています。


手触りの良いレザーのヘッドレストでした。


一番前の座席では、阪神タイガースのマスコットキャラクター「トラッキー」がお出迎え。また、搭乗時と降機時には客室内に「六甲おろし」の名称で知られる阪神タイガースの球団歌「阪神タイガースの歌」が流れます。


機内安全の説明もこのとおり、タイガースのユニフォームを着た客室乗務員(CA)さんが実演。


離陸して巡航に入ると、同乗していたスカイマークの会長である佐山会長からあいさつ。「安全をないがしろにすることなく、定時運行率を高めて行きたい。スカイマークでしかできない取り組みを進めたい」と意気込みが語られました。


また、阪神タイガースOBで野球解説者の江本孟紀さんも同便に搭乗するというサプライズも。「エモヤン」の愛称で知られる江本氏は「まさかタイガースの飛行機に乗ることになるとは思わなかった。アメリカの大リーグのように、球団専用の飛行機も飛ばして欲しい。そうすれば、野球解説者も一緒に乗れる」と語って機内を沸かせていました。


SKY1985便は、いろいろな面で特別なフライト。飛行高度は1万6000フィート(約4900メートル)と普段の半分程度となっており、富士山もこのド迫力。さらには、富士山がよく見えるようにルートが設定されていたり、機体を傾けたり普段ではありえない近さで富士山を見ることができたりと、まさに至れり尽くせり状態。


乗客には特別フライトの記念品が配られました。お茶と一緒に、阪神タイガースとスカイマークのコラボタオルが配られ……


さらに、特製のうちわと、招待フライトの搭乗証明書も手渡されました。


搭乗日、便名、機材名などが書かれた証明書には、この日の「特別ルート」の説明が書かれているのですが……


なんとこのフライトは、羽田を出て1度神戸を通過し、山口上空で折り返して戻ってくるというもの。その理由は、神戸空港への着陸路に設定された「BERTH」「KAKEF」「OKADA」という3つのウェイポイントを通るためなのですが、もちろんこの名称は1985年にバース・掛布・岡田が魅せた伝説の「バックスクリーン3連発」から付けられたものというから、阪神ファンは鼻血が出てもおかしくないレベル。なお、このルートは「HANSHIN WEST ARRIVAL」と名称がついており、神戸空港への着陸路として実際に使われているものだそうです。


このフライトに乗れたラッキーな人がゲットできたスポーツタオル、うちわ、搭乗証明書など。なお、うちわはタイガースジェット機内のシートポケットに入れられるもので、実際に搭乗した人は全員がゲットできるもの。また、タイガースとスカイマークがコラボしたスポーツタオルは、1枚1500円で機内販売されている商品で、売上の一部は平成28年熊本地震の義援金として寄付されるようになっているとのこと。


なお、うちわのデザインは2種類あるとのこと。どちらをゲットできるのかは、その日の運次第かも。


左右のエンジンカバーにも、タイガースのロゴがデザインされていました。座席番号13番前後の乗客は「タイガースと一緒に飛べる」という特典になっているとのことでした。


1時間20分ほどのフライトの後、SKY1985便は神戸空港に到着。


到着後、格納庫の中でタイガースジェットお披露目記念式典が開催されました。小型機の737-800型機といえども、間近で見るとものすごい迫力。


前方に回り込んでみると……


機体左側の搭乗口の横にもタイガースのロゴと、神戸空港開港10周年のロゴがデザインされていました。タイガースジェットでは、1機あたり7個のトラが配置されているそうです。


セレモニーでは、久元喜造 神戸市長や四藤慶一郎 阪神タイガース球団社長、百北幸司 阪神電鉄取締役などの来賓のほか、元阪神監督で1985年にタイガースを日本一に導いた吉田義男氏や、吉田氏と同期で「哀愁のサード」で知られる三宅秀史氏、球団幹部を務めた上田次朗氏、そして江本氏らの阪神OBも駆けつけるという力の入りよう。


吉田氏からは「私は阪神一筋で40年野球をやってきたが、まさかタイガースが描かれたジェット機が飛ぶとは、まさに隔世の感がある。阪神タイガースとスカイマークの両方に応援をお願いしたい」というコメントがありました。


また、この場では佐山会長がスカイマークの益田機長を呼び出すという一幕も。というのも、このタイガースジェットが実現したのは益田機長の発案とのこと。会長と同席した益田機長が神戸を盛り上げるためにタイガースとのコラボレーション案を伝えたところ、「やってみよう」と言うことになってあっという間に実現してしまったそうです。このあたりからも、2016年に民事再生手続きが終結したスカイマークの勢いが感じられるよう。


スカイマークのタイガースジェットは、2016年4月27日から同年10月末まで運行される予定で、期間内は2機の737型機がタイガースデザインに彩られるそうです。これはスカイマークが保有している25機のうちの2機とのことで、佐山会長によると「10回スカイマークに乗ったら1回ぐらいは巡りあえます」とのこと。今後もいろいろな取り組みが進められるとのことなので、地域に密着した航空会社であるスカイマークらしい取り組みに目が離せなさそうです。


佐山会長からは「巨人ファンの人もぜひ乗ってください」とも。空の上でもファンによる阪神巨人戦が繰り広げられる……となると大変なことになりそうですが、実に珍しい球団モチーフの飛行機は、いちど乗ってみる価値ありと言えそうです。


なお、このイベントが開催された翌日の2016年5月21日(土)には、タイガースジェットを一般公開するイベントも開催されます。開催場所は神戸空港のスカイマーク格納庫となっており、午前と午後の合計4回実施される予定。当日は整理券が配られますが、午前9時30分から全4回分・各先着200名の整理券が配布されることになっているので、参加したい人は少し早めに行っておいたほうが良さそうです。

(PDF)特別デザイン機「タイガースジェット」の一般公開2016年5月21日(土)神戸空港格納庫

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in 取材,   乗り物,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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