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コストコ&AMEXのようにクレカ会社と提携する「コ・ブランドカード」はなぜ使われているのか?

by frankieleon

デパートやホテル、航空会社などの企業が、クレジットカード会社と提携して発行しているカードは「コ・ブランドカード」と呼ばれていて、例えばコストコではアメリカン・エクスプレス(AMEX)と提携してカードを発行し、会員限定のサービスを提供しています。このコストコとAMEXを例にとって、コ・ブランドカードの仕組みと、クレジットカード会社、提携企業、カード利用者の三者が得るメリットについて解説されています。

Anatomy Of a Co-Branded Credit Card
http://thefinancebuff.com/anatomy-co-branded-credit-card.html


◆コ・ブランドカードとは?
コ・ブランドカードは、デパートやスーパーなどの大手小売業や、ホテル、航空会社、石油会社、特別利益団体と、クレジットカード会社が提携して発行しているカードのこと。提携企業は、コ・ブランドカードを利用することで顧客に対してサービスをアピールすることができます。例えばコストコのAMEXカードや、アメリカン航空のMasterCard、自然保護団体シエラクラブのVisaカードなどがあり、それぞれ企業や団体の名前を冠したクレジットカードとなっています。カードの発行や限度額設定などの管理は、クレジットカード会社が行っています。

◆クレジットカード会社がコ・ブランドカードから得るメリット
クレジットカード会社が得る利点は、「小売業などと提携することで、クレジットカードの利用者数を増やし、販売網を拡大できる」ということ。例えばAMEXでは、利用者全体のカード利用額の20%がコストコで使われており、カード発行数のうち10%がコストコAMEXカードとのこと。

by The.Comedian

◆提携企業がコ・ブランドカードから得るメリット
・クレジットカード会社からのリベート
提携企業は、コ・ブランドカードの利用者が増える度に、クレジットカード会社から利用者1人あたり100ドル(約1万円)程度のリベートを得ています。そのため、提携企業は店舗内にコ・ブランドカード契約用の専用窓口を設置したり、申込書を配布したり、会計の際に案内を出したりと、熱心に勧誘活動を行っています。このような提携企業では、コ・ブランドカード契約件数に応じて、「spiff」と呼ばれる特別な賞与を社員に出しているところもあります。

・銀行の手数料が実質ゼロ
顧客がクレジットカードを使って買い物をした際に、通常は店舗側が銀行に対して手数料を支払う必要があります。しかし、コ・ブランドカードの場合、提携企業はカード発行会社からリベートを得ています。ほとんどの場合において銀行の手数料とリベートはほぼ同額のため、銀行の手数料が実質ゼロになるというわけです。提携企業の買い物でコ・ブランドカードを使うことで、利用者側は通常よりもポイントを多く獲得でき、カード利用者もメリットがあります。

・コ・ブランドカードの支払い滞納金や、他店舗での利用額の一部を配当
コ・ブランドカード利用者が、カード利用額の支払いを滞納した場合に、延滞金の一部が提携企業に分配されます。また、利用者が提携企業以外のお店などでコ・ブランドカードを使った場合も、提携企業はクレジットカード会社から利用額の一部を受け取ることができます。コストコAMEXカードの場合、利用額のうち70%がコストコ以外の店舗での支払いだとのこと。

コストコでは、支払時に受け付けるクレジットカードをAMEXだけに絞ることで、コ・ブランドカードの利用回数を増やし、上記のようなリベートをより多く得るための戦略を講じています。

◆クレジットカード会社・提携企業の両者のメリット
コ・ブランドカードの利用により、顧客の年齢や性別などの人口統計や、買い物の傾向といったという膨大なデータを収集でき、クレジットカード会社と提携企業の両者が今後のマーケティングにデータを活用することができます。また、コ・ブランドカード利用者限定の値引きやポイント付与を行うことで、コ・ブランドカードの利用を拡大しやすいというメリットもあります。

しかし、上記のような利点が存在するにも関わらず、コストコは2016年4月にアメリカ国内でのAMEXの取り扱いを終了しています。これは、コストコがAMEXよりもリベート額の大きいクレジットカード会社との提携を望んでいるため。コストコは、「クレジットカードを使って買い物をしている顧客は、コ・ブランドカードの提携カード会社が変わったとしても、新しいコ・ブランドカードを作成してコストコについてくるだろう」と考えていると見られています。

一方で、コストコが別のクレジットカード会社と提携することで、今後はAMEXの利用者が減少すると見込まれており、コストコとAMEXの提携解消のニュースが発表された当時、AMEXの株価は2日で10%も下落したとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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