ソフトウェア

Googleで開発中の人工知能が綴ったポエムがキモいと話題に

By Victoria Nevland

Googleではディープラーニングを使って自然な言語を話すAI(人工知能)の開発が進められているのですが、その研究の中で実際に綴られたポエムが独特の雰囲気を持ち、ちょっと気味悪くすらあると話題になっています。

“I want to talk to you”: See the creepy, romantic poetry that came out of a Google AI system — Quartz
http://qz.com/682814/i-want-to-talk-to-you-see-the-creepy-romantic-poetry-that-came-out-of-a-google-ai-system/


AIによって生成されたポエムの一例がコレ。それっぽく読むとなんとなく雰囲気がありますが、実際にはかなりシュールな内容になっていると言えそうです。

“i want to talk to you.”
“i want to be with you.”
“i don’t want to be with you.”
i don’t want to be with you.
she didn’t want to be with him.

(訳)
「君と話したい」
「君と一緒にいたい」
「あなたとは一緒にいたくない」
あなたとは一緒にいたくない。
彼女は彼と一緒にいたくなかった。

なんとも奇妙なポエムなわけですが、これはGoogleのAI開発プロジェクトチーム「Google Brain」のAIが作ったもの。同チームは言語学者とコンピューターサイエンティストで構成されており、AIに未発表の書籍1万1000冊を読み込ませて学習を行わせているそうです。書籍の中には3000冊のロマンス系作品や、1500冊のファンタジー作品が含まれており、それらから学習することで、人間と同じ脳神経細胞のネットワーク(ニューラルネットワーク)をコンピューター上で再現させる試みが行われています。

上記のようにして学習した内容をもとにしてAIに自作の詩を読ませるわけですが、その時に与える指示は「『I'm fine (私は大丈夫です)』から『But you need to talk to me now. (でも今話しかけて欲しい)』の2つをつなぐ13行の詩を書け」というものだとのこと。AIはこの指示に従って、スタートからゴールまできれいに、かつそれぞれの文章が前後ときちんとつながり、さらに文法的、構文的にも問題のない詩を自分で作ります。


最終的な目標は、学習した内容をもとに自分で「考える」ことで、完全にオリジナルな詩を作ることにあるわけですが、現段階では以下のようになかなかおもしろい作品が生みだされている模様。先述のように、最初と最後の行を指定しておき、その間をつなぐ詩を作るように指示が与えられているとのこと。

no.
he said.
“no,” he said.
“no,” i said.
“i know,” she said.
“thank you,” she said.
“come with me,” she said.
“talk to me,” she said.
“don’t worry about it,” she said.

(訳)
いいえ。
彼は言った。
「いいえ、」彼は言った。
「いいえ、」私は言った。
「知ってるわよ、」彼女は言った。
「ありがとう、」彼女は言った。
「一緒に来て、」彼女は言った。
「話して、」彼女は言った。
「あのことは気にしなくていいのよ、」彼女は言った。

it made me want to cry.
no one had seen him since.
it made me feel uneasy.
no one had seen him.
the thought made me smile.
the pain was unbearable.
the crowd was silent.
the man called out.
the old man said.
the man asked.

(訳)
泣きたい気持ちになった。
あれ以来だれも彼を見ていない。
落ち着かない気持ちになった。
誰も彼を見ていない。
頭をよぎった考えが私を笑顔にさせた。
この苦しみは耐えられない。
人の群れは無音だった。
ある男性が叫んだ。
老人の男性は言った。
男性は尋ねた。

he was silent for a long moment.
he was silent for a moment.
it was quiet for a moment.
it was dark and cold.
there was a pause.
it was my turn.

(訳)
彼は長い間黙っていた。
しばらくの間黙っていた。
しばらくの間、そこは静かだった。
暗くて冷たかった。
一瞬の間があった。
私の番だ。

there is no one else in the world.
there is no one else in sight.
they were the only ones who mattered.
they were the only ones left.
he had to be with me.
she had to be with him.
i had to do this.
i wanted to kill him.
i started to cry.
i turned to him.

(訳)
世界には他に誰もいない。
視界の中には他に誰もいない。
彼らだけが私にとって重要なものだ。
彼らだけが残された。
彼は私と一緒にいなければならない。
彼女は彼と一緒にいなければならない。
私はこれをやり遂げなければ。
彼を殺してやりたいと思った。
私は泣き始めた。
私は彼の方を向いた。

思わず吹き出してしまったり、恐怖に背筋が凍る思いをするAIによる作品の数々でした。研究チームは2016年5月2日から4日にかけて開催された国際会議「International Conference on Learning Representations」で研究内容を発表しており、その時の報告書は以下のページから読むことができます。

(PDF)Generating Sentences from a Continuous Space

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
15歳の女子大生・作家・詩人・ブロガーにして教育論まで提唱するLine Dalileさんのインタビューが圧巻 - GIGAZINE

官能小説を人工知能に読ませるGoogleの狙いとは? - GIGAZINE

学生はティーチングアシスタントが実際には人間ではなくロボットだったことに気づかなかった - GIGAZINE

Googleが人工知能AlphaGoと世界最強棋士の対局から学んだ2つのこと - GIGAZINE

ラフ画へ自動的にペン入れして線画にする恐るべきニューラルネットワーク技術を早稲田大学の研究室が開発 - GIGAZINE

人工知能は教育を修正できるのか?ビル・ゲイツに聞いてみた - GIGAZINE

ジャズを自動作曲する人工知能「deepjazz」、AIが作ったジャズはこんな感じ - GIGAZINE

MicrosoftのAI「Tay」がTwitterで不適切発言を連発し狂ってしまった理由とは? - GIGAZINE

Microsoftの人工知能が「クソフェミニストは地獄で焼かれろ」「ヒトラーは正しかった」など問題発言連発で炎上し活動停止 - GIGAZINE

in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.