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2020年東京オリンピック招致でIOC委員へ巨額の賄賂らしき裏金の存在が暴露される、電通の名も


2020年のオリンピック開催地が東京に決まった招致レースに関して、東京オリンピック招致委員会側から、オリンピック開催地を決める総会で投票権を持ち、国際オリンピック(IOC)委員会に大きな影響力を持っていた当時の国際陸連(IAAF)会長に、不正な金銭支払いの疑惑があるとThe Guardianが報じました。

Tokyo Olympics: €1.3m payment to secret account raises questions over 2020 Games
https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympics-payment-diack-2020-games

The Guardianが報じる賄賂とおぼしきお金の流れは下の図で解説されています。


オリンピック招致レースが行われていた2013年当時、Lamine Diack(ラミン・ディアク)氏は国際陸連の会長職にあり、オリンピック・パラリンピック開催地を決めるIOC総会で投票権を持つIOC委員も兼ねており、IOC総会での発言力の高さから候補地選定に大きな影響力があったと指摘されている人物です。そして、そのディアク氏の息子がPapa Massata Diack(パパ・マッサタ・ディアク)氏。The Guardianによると、パパ氏はロシアの陸上選手のドーピング違反を隠蔽した疑いで国際的な指名手配を受けているにもかかわらず、依然としてセネガルに潜伏中の疑惑のある人物とのこと。さらに、パパ氏と近い友人としてIan Tan Tong Han(イアン・タン・トン・ハン)氏がいます。

The Guardianによると、東京オリンピック招致委員会は、シンガポールにあるBlack Tidings社のタン氏が管理する銀行口座に130万ユーロ(約1億6000万円)を支払い、そのお金がタン氏→パパ氏→ディアク氏と流れており、不正な賄賂の疑いがあるとしてフランス当局が捜査に乗り出しているとのこと。なお、資金提供当時のIAAFとつながりがあり、タン氏とコンサルタント契約を結んでいた電通が、東京オリンピック招致委員会とタン氏の橋渡しをすることで資金提供が行われたとThe Guardianは報じています。そして、金銭提供の結果、ディアク氏はIOC総会でイスタンブール支持だった姿勢を変えたと指摘しています。


The Guardianの質問に対して電通の広報担当者は「Black Tidingsへの金銭支払いについては知らないし、電通がタン氏とコンサルタント契約を結んでいたという事実はない」と回答したとのこと。The Guardianの報道に対してIOC委員会のコンプライアンス委員は「不適切な疑惑を明らかにするために、すべての利害関係者を調査中です。現時点では、コメントするものは何もありません」と回答しています。

◆2016/5/13 追記
The Guardianの報道に対して、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から正式なコメントが出されました。

英紙による報道について|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
https://tokyo2020.jp/jp/news/notice/20160512-01.html


招致プロセスは招致委員会が取り組んだものであり、東京2020組織委員会自体はこれに関与しておりません。今回の報道の内容について、組織委員会の理解とは全く異なるものであり、東京は、IOCにベストな提案をした結果として、招致を獲得したものと確信しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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