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時速1000km超えの世界新記録で超高速走行する磁気浮上式鉄道・Maglevのムービー


アメリカ・ニューメキシコ州にある空軍基地のホローマン・エアフォース・ベース(AFB)で、リニアモーターカーの代表格である磁気浮上式鉄道(Maglev)の走行実験が行われ、Maglevの世界最速記録が更新されました。

633 mph -- nothing to mach > Holloman Air Force Base > Article Display
http://www.holloman.af.mil/ArticleDisplay/tabid/6274/Article/721428/633-mph-nothing-to-mach.aspx

テストが行われたのはニューメキシコ州にあるAFBで、同基地の第846試験小隊が開発した車体が世界記録を塗り替えました。


見ての通り試験走行用の車体はかなり小型で、有人走行できるものではありません。重量はわずか2000ポンド(約910kg)で、世界でも珍しい「ロケット推進式の磁気浮上式のそり」とのこと。


試験車体には強力な磁石が搭載されており、磁力を用いてレールから磁気浮上させることで走行時の摩擦を極力減らし、超高速走行が可能になるとのこと。車体の磁石を正常に動作させるには、走行前に4ケルビン(摂氏マイナス269度)にまで冷やす必要があるそうで、第846試験小隊の指揮官であるショーン・モーガンスターン中佐によると「我々はそりを超電導磁石で浮遊させるために、液体ヘリウムを使用している」とのこと。


実際に試験で世界新記録となる時速633マイル(約1018km)をたたき出した際の様子は、以下の通りです。

MagLev World Record - YouTube


AFBに設置されているMaglevの試験用レール。


軍服を着た兵士がレールの点検にやってきました。


試験場に敷かれた磁気レールの全長はなんと2100フィート(640メートル)。


場面は変わって祈るようにどこか一点を見つめる兵士が映し出され……


次の瞬間、とてつもなく巨大な煙を上げて高速で走り去っていく何かが映し出されました。


第846試験小隊のショーン・モーガンスターン中佐は「今日は我々が行ってきたMaglevの走行テストの中で、最も速い記録が出た日だった」「テスト機は時速633マイル(約1018km)で走行しました」と語ります。


AFBで世界新記録が更新されたのは、2016年4月の第3週に入って2度目だそうです。


テスト車体の真横からスーパースローで発車の瞬間をじっくり観察することもできます。


発車して少し経ってからロケット推進剤がさらに強力に吹き出して……


車体は画面外に飛び出していきます。


スローではなく実際と同じ速度で再生されると、一瞬にして車体が目の前から消えてしまう様子を体感できます。


なお、第846試験隊の目標は「Maglevでマッハ10(時速約1万キロメートル)」を達成することのようです。

・おまけ
日本でも磁気浮上式鉄道関連の走行テストが行われています。例えば2015年6月26日、JR東海は山梨リニア実験線でリニアモーターカーの最新車両である「L0系」の走行実験を行っており、同テストでは有人走行としては世界最速の時速603kmを記録しています。

JR東海は2027年までに東京~名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線の開業を目指しており、L0系はその実験車両というわけ。なお、実際の営業運転時は安全性を考慮し、最高時速505km程度に抑えられる見込みです

リニア一気に時速603km 鉄道の世界最高速度を更新(15/04/21) - YouTube

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in 乗り物,   動画, Posted by logu_ii

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