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テロ対策で政府が国民監視を強化しても安全につながらない理由を説明するムービー「Safe and Sorry」


人々を恐怖に陥れるテロリズムに関しては、国外のテロリストよりも国内に潜んでいるテロリストを取り締まることが重要とする風潮が世界的に広がり、アメリカで発生した911テロ事件以降は国民の通信や情報の監視が強化されるようになっています。そんな風潮に対し、「国民監視の強化は安全にはつながらない」とするムービー「Safe and Sorry – Terrorism & Mass Surveillance」が公開されています。

Safe and Sorry – Terrorism & Mass Surveillance - YouTube


テロは恐ろしいものです。特に遠くより 近くで起こった場合は、恐怖が強くなるもの。


誰もがこの恐怖をなくしたいと思い、安全保障の強化を求めるようになります。


そして、安全保障の名目のもと、この10年で権利の制限は当たり前になり、政府機関による国民へのスパイ活動が行われ、個人情報がかき集められるようになりました。


これは、左寄りであれ、右寄りであれ、個人が持っている意見に関わらず、全員が関わる問題と言えます。


そのため、私たちはよく調べて、こう問うべきでしょう。「それで安全になるのか?」と。


911テロの後、アメリカ政府は法律に現代技術を組み込みました。


監視計画が作られ、テロ組織「アルカイダ」の通信を傍受しました。


アメリカ政府は「911前にこれがあれば、テロは防げた」と言います。


しかし一方で、これは偏見の強化にも使われることになりました。


FBIは、移民記録から特にイスラム教徒に注目


8万人が指紋の登録を求められ、8千人が取り調べられ、5千人が予防拘禁されるという事態に。


その内、実際に見つかったテロリストはなんと「ゼロ」で……


第二次大戦後最大の国家的人種差別と呼ばれるにいたります。


政府による個人情報の収集がどの程度のものだったかが、2013年にエドワード・スノーデン氏により暴露されました。


NSAは特殊な方法でMicrosoftやGoogleのインターネット通信を毎日傍受し、個人のメールを見ていたことがわかっています。


つまり、政府は犯罪者そのものではなく、国民全員を監視していたということ。


しかし、落とした針(テロリスト)を探すのに、さらに干し草(調査対象者)を増やすと大変なことになります。


結局、NSAが見つけたのは、既存の情報ばかりだったというわけです。


寄せられる期待とは裏腹に、この仕組みは大きなテロを防げていません。


ボストンマラソンで起こったテロ事件の容疑者も、実はすでに監視対象でした。


つまり、雑多な情報の収集より、既存情報の活用が大事ということになるわけです。


また、政府による暗号の無効化も行われています。2016年初め FBIはAppleに対してiPhoneの暗号解除技術を求めました。


Appleはそのような技術は個人情報を危険にさらすものであり、政府に対し巨大な権限を与える恐れがあると表明。セキュリティ専門家の多くもAppleに同意しました。


しかしその数週間後、FBIは自力で暗号の解除に成功し、Appleに要求した技術は不要になったと発表しました。


個人情報と安全保障の本当の問題は何なのでしょうか?


すでにNSAが持っている技術ではあなたのiPhoneが解除が可能で……


ノートPCなどのウェブカメラも自在に起動できることが知られています。


中には、「やましいことがないなら問題はない」と言う人もいます。


しかし、そこには「抑圧」の問題は存在したままです。


秘密を守りたい気持ちは、犯罪とは関係ないというわけです。


アメリカをはじめとする先進国の多くは民主主義社会です。しかし、悪い人が権力を得たらいったいどうなってしまうのでしょうか


反テロ法は、テロ以外の犯罪により多く使われる可能性があります。しかも政府は、その効力が強力であるほど使うことになるでしょう。


そのため、権力は監視が必要というわけ。


たとえ、今日のあなたは大丈夫でも、明日どうなるかはわかりません。


例えば2015年、パリでのテロを受けたフランスは反テロ法を拡大し、家宅捜索などの権限を大幅に強化しましたが……


その後すぐ、法律の意図しない形で環境活動家の鎮圧に使われています。


スペイン、ハンガリー、ポーランドでは、言論の自由が制限され……


トルコの表現の自由はここ数年深刻な状態に。


今では、政権批判は犯罪となっています。そしてこれらは全てテロとは何の関係もないことです。


たとえ、動機が良いものだとしても、個人の自由が脅かされることになれば「テロリストの勝ち」です。


そのため、私たちが注意しなければ、監視国家ができあがるでしょう。


権利を侵す大規模な監視はたいした成果を出さず……


むしろ、社会の本質を変えるということを、データは示しています。


テロは複雑な問題といえます。ボタン一つで解決するような簡単な解決策はありません。


言い換えれば、地下室の爆弾魔を探す方法はないということです。


ここでは、バランス感覚が必要になるでしょう。たとえば、一般家庭に対する家宅捜索を行う場合にでも、全ての家のドアを開けることが可能な「マスターキー」が作られることはまずありません。


多くの国で権力が拡大し……


監視の網が広まっています。


力をうまく生かすには、国際的協力が必要です。


技術や方針の共有、自由を制限するものではない、適切な法律も必要です。


「我々は、恐怖があるがために誇りを捨ててはいけない」として、ムービーは民主主義、そして自由の権利の大切さを説いていました。

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