360度VRムービーを4K画質で撮影可能なカメラ「Orah 4i」

YouTubeが360度ムービーに対応し、圧倒的な没入感を得られるVRヘッドセットの市販が開始されるなど、360度コンテンツへの注目が集まりつつあります。自分でも片手で360映像を撮影可能なカメラが登場するなど、カメラの世界でも360度コンテンツに対応した機器が続々と登場していますが、360度映像機器に特化した企業・VideoStitchが新たに発表した360度カメラ「Orah 4i」は、小型の本体に4つのレンズを備え、4Kムービーが撮影可能なカメラになっています。

The camera for live VR | Orah
https://www.orah.co/

Orah 4iは本体の4つの側面に4台の魚眼レンズを搭載するカメラ。それぞれのレンズの角度が微妙に上下にずらされているところがポイントのようです。本体の下にはイーサネット端子が備わっていますが、これは4K映像をストリーミング配信する際に別売りの「プロセッシング・ユニット」に接続することに加え、本体への電源供給にPOE(Power-On-Ethernet)方式が採用されているためでもあります。

カメラ本体はアルミ製となっており、高い耐久性でプロフェッショナルの現場にも対応とのこと。本体サイズは80×70×65mmという小型サイズとなっており、4つあるセンサーの位置を一点に近づけることでゆがみのない映像が可能になっているとのこと。重量は17オンス(約481グラム)と非常に軽量に仕上がっているようです。

魚眼レンズはガラス製のものを採用。また、ソニー製の高感度センサーを搭載することで、暗い場所での撮影でも高い画質を保てるようになっているようです。各カメラの解像度は2048×1536ピクセルで、4K/30fpsの映像を撮影することが可能。

本体内部にはスタビライザー機構を備え、揺れや動きの影響を受けにくいようになっているとのこと。さらに、4つのマイクを内蔵することで、臨場感のあるサウンドが収録可能とのこと。

こうなるとどんな映像が撮影できるのか気になるところですが、まだメーカーのサイトやYouTubeでも実際の映像は公開されていない模様。メーカーのYouTubeチャンネルではOrah 4iのイメージムービーが公開されているのみですが、気になった人はチャンネルを登録しておけば今後新しいコンテンツを目にすることができるかも。

Orah: Live VR Made Simple - YouTube


詳しい仕様などは以下のページで公開されています。

Technical Specifications | Orah
https://www.orah.co/tech-specs/

まだまだ謎に包まれた部分も残る360度カメラのOrah 4iですが、Engadgetが実機のレビューに成功しています。記事によると、4つのカメラで捉えた映像の合成にはガタ付きが見られるなど、まだカメラとしての完成度は向上途中の模様とのこと。また、リコーが発売済みの「THETA S」などのライバルが多い中、Orah 4iのアドバンテージは未知数であると言う評価になっていました。

The Orah 4i camera makes live 360-degree videos a reality
http://www.engadget.com/2016/04/06/orah-live-360/

Orah 4iは通常価格が3959ドル(約43万円)のところを1795ドル(約19万6000円)で予約を受付中で、2016年中の出荷が予定されています。