動画

まるでSF映画、無人船舶の航行管理をリモートで行う未来を描いたロールスロイスのムービー「Rolls-Royce future shore control centre」


数名のスタッフが中央コントロールルームに集まり、世界の海を航海する無人の輸送船を一元で管理する、そんなSF映画のワンシーンのようなシステムが実現するかもしれません。無人で貨物を運搬する「ドローン輸送船」を開発するロールス・ロイスが作成したムービー「Rolls-Royce future shore control centre」では、無人の「ドローン船」をコントロールルームからリモートで管理するという「oXコンセプト」が可能にする未来の船舶管理システムが描かれています。

Rolls-Royce future shore control centre - YouTube


洋上を進む一隻の貨物船。外板が滑らかに覆われたその外観からは、近未来の船であることが感じられます。


この船をコントロールしているのは、フィンランドにあるロールス・ロイスのWest Coast VTS (Vessel Trafic System:海上交通管制システム)。フィンランド西海岸の都市「ラウマ」にある施設で、隣国のスウェーデン、エストニアにつながるバルト海とボスニア湾の海上交通を管制する施設です。


突然建物がCG表示に。「コントロールルーム」と書かれた場所で、未来の船舶管理が行われている模様です。


カメラが入ると、中はさながらSF映画に登場するコントロールルーム。これがロールスロイスの提唱する「oXコンセプト(Operater eXperience)」の中枢となるリモート・コントロール・ルームで、地球規模で船舶情報を表示する巨大なディスプレイや、空中に情報を表示するホログラムのようなものが使われています。


船舶を管理するオペレーターはイスに座り、目の前のディスプレイに表示される情報をもとに船舶の管理を行っています。


「♪ピコーン」という音が鳴りました。どうやら船舶に異常が発生した模様で、コンピューターの音声に耳を傾けるオペレーター。


人工音声が「ダイナミック・ポジショニング・レポート。DGPS1、船舶『RR-9835』との通信が失われました。推奨される対応は『診断』です。コマンドを。」と、状況レポートと対応案を音声で案内し、オペレーターからの指示を待ちます。


オペレーターは「Proceed(進めて)」と、診断作業を進めるように指示。


すると、画面にはさまざまな項目をチェックする表示が流れ……


チェックが完了。GPSなどのナビゲーションには問題がなく、通信装置(transmission)が停止する問題が生じていることが突き止められました。「考えられる問題は物理的な故障です。コマンドを。」との音声に対し、オペレーターは……


「スタンバイ。詳しく見てみる」と返答。


そしてタッチパネルを操作。「Drones(ドローン)」と書かれたアイコンを操作すると……


ホログラムでドローンが表示され、「ドローン01からドローン08が検査フライトの準備完了です。コマンドを。」との音声。ディスプレイの上に、8機のドローンの映像が投影されていることがわかります。


オペレーターは「ドローン01とドローン02。フライトプランは『標準検査ルーチン』で」と指示。


さらに、「カメラコントロールは『アイトラック』によるマニュアルコントロールで」と話しかけると……


目の左右に青い光が照射されました。どうやら眼球の動きをトラッキングしてドローンのカメラを操る機能が実装されている模様。


画面には、飛行するドローンが捉えた船体の様子が映し出されています。


ドローンによる検査の結果、船体後尾にある通信アンテナが壊れていることが判明。


「交換用のアンテナを展開。故障したアンテナには事後検査を予約し、次の寄港地で交換を」と指示。従来なら、船上のスタッフが現地で行っていた一連の対応を、室内のイスに座ったまま完了してしまったということです。


その後、コンピューターは必要な資料の準備を行い、オペレーターに「推奨される対応:『休憩してリフレッシュ』してください」と、ホログラムに飲み物アイコンを表示するという気の利きよう。


船舶の情報は、部屋の中央にある巨大なスクリーンにも表示。別のスタッフが対応を引き継ぎます。


タブレットで資料を確認するスタッフ


コンピューターが「RR-9835において、規定の数値を超える環境効率の変動が連続しているという情報があります」と報告。


それを聞いたスタッフは、駆動系のスタッフをタブレットで呼び出し……


引き継ぎます


引き継いだスタッフは画面で状況を調査


船舶のマイクが捉えた音を頼りに問題の解明をこころみます


音データを精査することで、問題の可能性が判明した模様


原因がわかったら、スタッフを招集してミーティングを実施


ミーティング用のテーブルには、ホログラムで船体の構造が映し出されています。


集めた情報をもとに、洋上の船の対策をコントロールルームで検討するスタッフ。


手をかざすと、問題のある部位が選択され……


手に持ちながら説明を行うスタッフ。「音データから判断すると、フィードバックセンサーに問題があるようだ。このセンサーをバイパスすることで、航行は続けられると思う」


「ただ、その前に君たちの意見を聞きたいと思ってね」と、対策について語り合う様子。


こんなふうにテクノロジーを駆使することで、ロールス・ロイスが考える未来の船舶運航管理はコントロールルーム内で大部分が行われ、安全と効率化が実現されるものになるようです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
無人で貨物を運搬する「ドローン輸送船」をロールス・ロイスが開発中 - GIGAZINE

世界最大規模のバナナ輸送専用冷蔵コンテナ船団を「ドール」が自社で所有しているわけとは? - GIGAZINE

世界最大のコンテナ船「マースク・トリプルE」が建造されているドックの風景 - GIGAZINE

世界最大のコンテナ船が組み立てられる様子の一部始終を記録したムービー「Building the World’s Largest Ship」 - GIGAZINE

「コンテナ」はどのようにして世界を変えたのか? - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.