レビュー

まさかの世界初水冷ノートPC「ROG GX700VO」実機レビュー、外付け水冷ユニットでオーバークロックの実力やいかに?


ゲームのグラフィックを超高精細に楽しむため、なぜかデスクトップPCではなくノートPCをオレは選ぶぜ!という剛の者のために作られてしまった恐るべき世界初の水冷ノートPCがASUSの「ROG GX700VO」です。「外付け水冷ユニット」という一見すると型破りかつ無茶苦茶な方法でハイスペックさを担保し、水冷ユニットとの悪魔合体もどきのドッキングによってCPUのオーバークロックまでもが可能。加えて、GPUにはNVIDIAのGeForce GTX 980を搭載し、32GBのDDR4メモリ・RAID 0構成の高速SSD搭載というすさまじいスペックとなっていたので、ASUSから実機を借り、いろいろやってみました。

ROG GX700VO | ノートパソコン | ASUS 日本
https://www.asus.com/jp/Notebooks/ROG-GX700VO/

◆フォトレビュー
巨大な段ボール箱に入った状態でROG GX700VOは送られてきました。


箱を開けると……


中からスーツケースが現れました。なんとこれがROG GX700VOの専用ケースで、本体・水冷ユニット・電源などなど、全部一式を一気に持ち運ぶためのものです。どこへでも最強水冷環境を移動させることができる、というわけ。


もちろんケースは3桁の数字ロック付。


数字ロックの両脇を指でグッと押し込むと……


ケースがパカリ。


一体どのようにノートPCや外付け水冷装置が入っているのかと思って見てみたところ、スーツケースの中には発泡スチロールがびっちりと詰まっており、ノートPC本体やコードなどあらゆる付属品が収められています。


というわけで中に入っているものを全て並べてみるとこんな感じ。左から水冷ユニットと本体が並んでおり、その他に水冷ユニット用の電源ケーブルとACアダプタ、ノートPC用の電源ケーブルとACアダプタ、そして専用のマウスが入っています。


これはROG GX700VOの本体。本体天板にはR.O.G.シリーズのロゴが彫られています。


本体はかなり大きめで縦30.99cm・横42.92cm・厚さ33~35cm、成人男性が持ってもこのサイズ感。


底面はこんな感じ。ほとんど排気口などもなく至ってシンプル。


前面には特にボタンなどが配置されておらず……


背面はこんな感じ。


背面中央にあるのはノートPCと水冷ユニットをつなぐジョイント部分。この中央にある赤色の端子はノートPC単体で使用する際のACアダプタジャックにもなっています。


その両脇には大きな排気口があります。


左側面には左からUSB 3.0ポート×2、マイクジャック、イヤホンジャック、SDカードスロット。


右側面は左からUSB 3.0ポート、HDMIポート、Mini DisplayPort、Thunderboltポート、USB 3.1(Type-C)ポート、LANポート。


天板を開くとこんな感じ。ディスプレイは17.3インチで縦38.3cm・横21.5cm、ノートPCとしてはかなり大きめのサイズです。


ディスプレイは最大開口時で約135度まで開きます。


キーボードは黒色を基調としたシックなデザインで、ノートPCなのに手抜きせずちゃんとテンキーが別個になっているというスペシャルなフルサイズキーボード仕様。


各キーには赤色で文字が刻印されているので、なんともゲーミングPCっぽい雰囲気満点です。また、「W」「A」「S」「D」というPCゲームで頻繁に使用される4つのキーの側面だけが赤色に塗装されているのもポイント。


ディスプレイが17.3インチもあるため、各キーは大きめのサイズとなっており、とてもタイピングしやすい印象。キーストロークは浅めですが打ち心地は良し。


トラックパッドもとても広く、滑らかな肌触り。


キーボード面の黒色部分はマットな肌触りの素材が使用されており、寒い部屋に置きっぱなしでも、「冷たくて触れない!」ということにはなりません。


そしてキーボードの両端には細長い溝が空いており、ここがスピーカーになっています。


キーボード右上には電源ボタン。


電源を入れるとこうなります。推奨表示の解像度は1920×1080。


視野角は広めで上下150度、左右150度程度はあり、表面はノングレア加工となっています。


電源を入れるとキーボードの下部がさりげなく赤色に発光します。


暗いところだとこんな感じ。


前面には以下のようなインジケーターがあり、これは左から電源・バッテリー・ドライブアクティビティ・機内モード・ナンバーロックの状態を示すものになっています。


水冷装置なしで使用するなら、ノートPC本体と電源コード、ACアダプタ、あとは必要であればマウスを持てば大丈夫。


ノートPC単体の際に使用するACアダプタは出力が19.5V/9.23A。


使用時はノートPC背面中央にある赤色のジョイントにアダプタを挿せばOKです。


これは付属のマウス。これも黒と赤を基調としたデザイン。


手に持つとこんな感じ。なお、マウス自体は有線のごくごく普通のものです。


マウスはPCとUSB接続する必要があるのですが、プラグ部分のカットが特徴的で全体的に手を抜かずにデザインされていることが伺えます。


さらに、ROG GX700VOのフルパワーを発揮するのに必要となるのが、この水冷ユニット。


天面は格子状になっており、本体以上に通気性抜群。


反対側を見ると、手前に伸びている黒色の部分にROG GX700VO本体を載せることで、水冷ユニットと接続できることがわかります。


水冷ユニット側の接続部分はユニット内部に引っ込んでいました。


本体を載せる部分にはツメが4つあります。


左右の側面はこんな感じ。


これはACアダプタのジョイント部分で……


反対側の盛りあがっている部分に冷却液が貯蔵されています。


ROG GX700VOの詳細なスペックは以下の通り。その他詳細は(PDF)ここからチェックできます。

CPU:インテル Core i7 プロセッサー 6820HK
GPU:NVIDIA GeForce GTX 980
OS:Windows 10 Home
搭載チップセット:モバイル インテル CM236 Express Chipset
メモリ(RAM):32GB(DDR4-2133)
ストレージ(ROM):512GB(SSD)
ディスプレイ:17.3型(1920×1080)
対応メディア:SDXCメモリーカード/SDHCメモリーカード/SDメモリーカード/MMC
カメラ:92万画素Webカメラ
Wi-Fi:IEEE 802.11 a/b/g/n/ac
インターフェース:USB 3.0×3、Mini DisplayPort×1、HDMI×1、USB 3.1(Type-C)×1、ヘッドホン出力×1、マイク入力×1、Thunderbolt port×1
サイズ:幅429.2mm×奥行き309.9mm×高さ33~35mm
質量:約3.6 kg

◆ROG GX700VOに水冷ユニットを取り付けてみた
まずはROG GX700VO本体の底面にある4つの穴(赤四角)と、水冷ユニットにある4つのツメ(赤丸)をきれいにかみ合わせます。


するとこんな感じで、水冷ユニットにROG GX700VO本体を固定できます。ただし、このままだと水冷ユニットと本体は接続されていないので……


水冷ユニットの背面にあるレバーを「ガチッ」と音が鳴るまで手で押し込みます。


このレバーが元の位置に戻ってこなければ接続完了。


接続を解除する際は水冷ユニットと本体の接続部分の真上にある「PUSH」を押せばOK。


水冷ユニットをつないだ状態のROG GX700VOには、こっちの大きいサイズのACアダプタと電源ケーブルを使用します。


こちらのACアダプタの出力は19.5V/16.9A。


ACアダプタは水冷ユニットの左側面につなぎます。このジョイントは挿さりが甘く感じますが、接続すると水冷ユニットが「ピッ!」と音を鳴らすので接続できたかどうかの判断はつきやすいです。


また、しっかり給電できているか心配な場合は本体前面にあるインジケーターの左から2番目がグリーンもしくはオレンジに点灯していることを確認すればOK。


また、水冷ユニットが赤く光り出すのも特徴です。


というわけでROG GX700VOを水冷ユニットにつなぐとこんな感じ。


奥行きは何と実寸で約54cmで、コンパクトなサイズのPCラックなどでは収納できない可能性も十分あるので注意。


水冷ユニットにドッキングすると、キーボードに少しだけ角度がつきます。


ROG GX700VOはかなり大きめのサイズなので、むしろキーボードに少し角度がついた方がタイピングはしやすい印象です。


◆ROG Gaming Centerで簡単オーバークロック
ROG GX700VOには誰でも簡単にオーバークロックを行えるようになる専用ソフトウェア「ROG Gaming Center」がプリインストールされており、これを使えば手軽にROG GX700VOの速度を向上させることが可能です。

オーバークロックするために使用する「ROG Gaming Center」を起動するには、キーボード上にあるR.O.G.シリーズのロゴキー(テンキー上部)を押すだけ。


オーバークロックのレベルは「標準」「最適化」「最高」「手動(マニュアル)」という4段階で設定できる他、CPU・GPUの周波数・温度・電圧・使用率などをチェックできたり、システムファンのコントロールをしたりと、さまざまな項目をユーザー好みに設定できるようになっています。


オーバークロックのレベルは「Turbo Gear」から変更可能。ROG GX700VO単体の初期設定は「標準」モードで、単体だと「標準」もしくは「最適化」のいずれかのレベルを選択可能。ROG GX700VOを水冷ユニットにつなぐと初期設定が自動的に「最高」に変更され、「最高」と「手動」が選択可能になります。


◆ベンチマーク結果
というわけで、水冷ユニットなしの場合とありの場合のパフォーマンスを比較すべく、3Dベンチマークソフトの「3DMark」でスコアを計測してみました。

ROG GX700VO単体の場合のスコアは以下の通り。「RUN DETAILS」を見ると、Oculus Riftの推奨動作環境とほぼ同等のスコアである「9120」となっています。


ROG GX700VO+水冷ユニットの組合わせだと、同ベンチマークのスコアが「11475」まで伸びました。これは、同ベンチマークテストにチャレンジしたPC全体の85%よりも優れたスコアとのこと。


ROG GX700VO+水冷ユニットならばOculus Riftの推奨動作環境以上のスコアが出ていたので、自分のPCでVRが動くどうかテストするツールを使ってみると、見事条件をクリア。どうやらROG GX700VOがあればOculus Riftも使えるようになる模様。つまり、どこにでもお出かけして持ち歩き、出先でOculus Riftのデモを行って誰かに体験させる、ということも可能なので、いろいろと可能性が広がります。


ROG GX700VOはPCI Expressを使用したNVMe(NVM Express)接続でSSDをRAID 0構成しています。なので、次はどれぐらい爆速なデータアクセスを実現しているのかを確かめるべく、ストレージのベンチマークソフトである「CrystalDiskMark」でスコアを計測してみました。

まずはGIGAZINE編集部で使用しているノートPC「CF-SX3」に搭載されている東芝のSSD「THNSF512GCSS」のスコア。


対して、ROG GX700VOのSSDのスコアがこれ、圧倒的です。


◆実際に使ってみた
ROG GX700VOでゲームをプレイしてみることに。プレイするのは初回ダウンロードデータが約63GBもある「Grand Theft Auto V(GTA5)」のオンラインモードであるGTAオンライン。


プレイ前にオプションからグラフィック設定を変更。ROG GX700VOのディスプレイは解像度がフルHD(1920×1080)で垂直リフレッシュレート75Hzとのことだったので、ゲームの解像度とリフレッシュレートを1920×1080、75Hzで設定。


設定画面から行えるGTA5のベンチマークテストを実行してみると、フレームレートは70超えで、カクついたり停止したりすることは一切なく、とても滑らかな映像が表示されました。


というわけでさっそくゲームをプレイ。


実際にROG GX700VOでGTA5をプレイしている様子は以下のムービーから見ることができます。何も知らずにプレイ画面を見た編集部員たちは、口を揃えてゲームの高画質っぷりを褒め称えており、ノートPCでありながらこのレベルを実現してしまっているROG GX700VOにまさに脱帽でした。

ROG GX700VOでGrand Theft Auto Vをプレイ - YouTube


ゲームをガシガシプレイしながら、ROG GX700VOにどれくらい熱がこもるのかを「FLIR i3」で確かめてみました。この角度からROG GX700VOにFLIR i3を向けると……


こんな感じ。水冷ユニット天面にある排熱口部分とROG GX700VOと水冷ユニットを接続する部分の周りが発熱していますが、その他はほとんど熱を持っていません。実際にROG GX700VO本体はディスプレイ中央下部以外はどこを触ってもほとんど熱を持っておらず、水冷ユニットのパワーがいかに強力かを思い知らされました。


しかし、水冷ユニットとつないでいるACアダプタはかなり高温に発熱していました。


これに対してROG GX700VOを使用していて1番気になったのが、排熱口から鳴る音。水冷ユニット内のファンが高速回転して水冷ユニット内の熱を逃がしているためファンの音が鳴るのは仕方がないのですが、ゲームをプレイしても動作は快適、熱もこもらない、となると気になるのはファンの音くらいのもの。実際にROG GX700VOでゲームをプレイしている際に水冷ユニットからどのような音が聞こえてくるのかは、以下のムービーでわかります。

ゲームプレイ中のROG GX700VOから出てくる排気音 - YouTube


◆感想
というわけで実際にROG GX700VOをアレコレ触ってみた感想としては、「とにかく何もかも規格外」ということ。サイズも大きければスペックも驚きで、加えて販売価格が約60万円という、どこからどう考えてもノートPCとは思えないマシンに仕上がっています。しかし、超絶ハイスペックなだけあって動作は非常に軽快で、並大抵のノートPCでは手も足も出ないようなゲームも楽々動作可能。さらに、水冷ユニットのおかげで熱に関する問題はほとんど起こらないのでは?というくらいに排熱がうまく行われているのも高印象でした。また、あまりにゴテゴテとした厳つい見た目になってはいるものの、見ているうちに「むしろ、このゴテゴテ感がかっこいいのでは?」と思えてくるほど。ノートPCなのに持ち運び不可能なくらいに重くて関連機器が多い点も、まさかの専用ケースで半ば強引に問題解決してしまっており、全体的に「良い意味で馬鹿な飛び抜けたマシン」になっており、不思議と使っているうちに愛着が沸いてきます。なお、パフォーマンスに関しては文句なしの一言ですが、水冷ユニットのファンの音だけはどうしようもないので、「ガッツリゲームに没入したい」という際はヘッドホンなどを使うのが良さそうです。

ROG GX700VOはASUSの公式オンラインショップでは税込59万3784円+送料で販売されているのですが、記事作成時点で既に入荷待ちの状態となっており次の入荷予定日は2016年3月下旬となっています。

ROG GX700VO (GX700VO-GC009T) - ASUS Shop


価格.comだと最安価格が税込57万8000円です。

価格.com - ASUS ROG GX700VO GX700VO-GC009T 価格比較

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