「OK Go」が無重力空間で宙を舞う前代未聞のミュージックビデオ「Upside Down & Inside Out」を公開

アメリカのロックバンド「OK Go」は、ランニングマシンを使ったアイデアあふれるPVから、日本で2000名を超えるエキストラとワンカットで撮影した超大規模なPVまで、見応えのあるミュージックビデオを制作してきました。そんなOK Goが、S7航空の本物の航空機を使って無重力空間を作り出し、躍動感あふれるアクロバットを交えた「Upside Down & Inside Out」の新作ミュージックビデオを公開しました。

「このビデオは実際に無重力空間の本物の飛行機の中で、飛行中に撮影したものです。ワイヤーやグリーンスクリーンは使っていません」

飛行機の座席に着席して、音楽に合わせてノートPCをパチパチするOK Goの4人。一見すると普通の飛行機の機内のように見えますが……

ノートPCを投げ捨てると、重力の影響を受けずにそこら辺を漂っています。よく見ると4人の座席の足元にはバーが設置されており、無重力空間の中で踏ん張っていたことがわかります。

無重力なので、座席の左端と右端の2人がタブレットを投げて渡したり……

ちょっとジャンプすると、瞬く間に宙を漂うことができます。

空中に浮かべた輪っかの間をロケットみたいに飛び抜ける様はとても楽しそう。

この飛行機内では、フライトアテンダントが空中で乗客をサポートしてくれる模様。

2つの台をつかんでスタンバイしたボーカルのダミアンは……

なんとバク宙を披露。

無重力とはいえかなりのテクニックを要するはず……。

フライトアテンダントの2人も無重力ならではのダンスを披露。この2人はS7航空で勤務する本物のフライトアテンダントで、空中アクロバットの訓練を受けてムービーに参加しているとのこと。

スーツケースを開けると、中から色とりどりのカラーボールが飛び出します。

人間からぬいぐるみまで、ありとあらゆるものが漂うカオスな空間。

飛んでくるカラーボールには塗料が含まれており、破くと塗料がそこら中に拡散しています。

曲のクライマックスに合わせて、何事もなかったかのように着席する4人。右端のメンバーはスーツケースやぬいぐるみをぶん投げまくっていたためか、へとへとになっています。

それでも「やったぜ！」とばかりに笑顔のダミアン。

なお、この撮影は1日2回のフライトが1週間かけて行われ、一度のフライトで無重力状態が作れるのはわずか27秒間だけ。飛行機を放物線状に自由落下させることで微小重力状態を作り出すという宇宙飛行士の訓練にも使われる手法が取り入れられており、合計8フライトのムービーカットを組み合わせて作られたムービーとのこと。ムービーの途中で重力が戻ったように見えるポイントがあるのは、飛行機が水平飛行に戻ったためで、「0:46、1:06、1:27、1:48、2:09、2:30、2:50」がそのポイントです。

楽しそうに見えるムービーには多大なる労力がかかっており、メンバーは合計で58回も嘔吐したとのこと。撮影に使用された機体はロシアのS7航空のもので、ロシアの宇宙開発企業ロスコスモスの協力のもと、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターの付近で撮影を行ったとのことです。

UPSIDE DOWN & INSIDE OUT FAQ & CREDITS |
http://okgo.net/2016/02/11/upside-down-inside-out-faq/