取材

カカオ豆からチョコレートを作る風景がじっくり見られる「Cacaotier Gokan」に一足早く行ってきました


「日本の素材で洋菓子を作る」をコンセプトにお米のロールケーキなどを手がけているGOKANが、今度は「世界の農家と一緒に洋菓子を作る」と新しく立ち上げたお店がチョコレート専門店「Cacaotier Gokan(カカオティエ ゴカン)」です。カカオ豆にこだわり、店内で豆からチョコレート作りを行う様子が見られるとのことで、グランドオープンに先駆けて開催された内覧会に行ってきました。

CACAOTIER GOKAN 大阪・北浜に2016年2月1日(月)グランドオープン
(PDFファイル)http://www.patisserie-gokan.co.jp/pdf/1512_kokuchi.pdf

Cacaotier Gokanに到着。お店の外観は、洋館のようなクラシックで落ち着いた雰囲気です。


住所は大阪市中央区高麗橋2-6-9、大阪市営地下鉄堺筋線の北浜駅から徒歩5分ほどの場所にあります。


カカオ豆をかたどったロゴ入りの看板が目印。


道路に面したショーケースには、上から下まで全てチョコレートで作られたカカオの木が展示してありました。パティシエさんが夜中の2時までかかりきりで作ったこだわりの作品だそうです。


店内にはショーケースやテーブルにチョコレート菓子がびっちりと並んでいて、お店に入った瞬間にチョコレートの甘い香りに包まれます。


壁の模様をよくよく見てみると、カカオ豆が鈴なりに成ったカカオの木が描かれています。


実物大のカカオの模型も置いてありました。


入口に一番近いショーケースには、20種類の一口サイズのチョコレート「ボンボンショコラ」がずらり。


カカオ豆の産地にこだわったチョコレートや……


「レモンミント」味や、「シソ(紫蘇)」味、香辛料を練り込んだクッキーのスペキュラースをイメージした「スペキュロス」など、珍しいフレーバーが並んでいます。価格は1粒216円~238円。


シソ味のチョコレートは、内側にシソ風味のソースが入っています。食べてみると外側のチョコレートが口の中でとろけてシソの爽やかな風味が広がり、甘さは控えめでカカオのコクがシソとよく合っていました。


ショーケースに並ぶケーキも、全てチョコレートを使ったものばかり。


こちらは板状に成形したチョコレートに、ドライフルーツなどを飾り付けた「カカオティエバー」(1枚1080円)。


横から見てみるとこんな感じで、一口サイズに割りやすいように切り込みが入っています。


左上から時計回りに、カカオ70%のビターチョコレートにプルーンとドライいちじくを加えた「ノワール」、ホワイトチョコにココナツや蜂蜜を加えてトロピカルフルーツで爽やかに仕上げた「トロピック」、甘さ控えめのミルクチョコとオレンジの酸味のバランスが絶妙な「オランジュ」、フリーズドライのイチゴやブルーベリーの酸味とサクサク食感が特徴の「フリュイルージュ」、宇治茶と白米パフをホワイトチョコレートに練り込んでゆずピールを加えた軽やかな食感の「テ・ベール」の5種類があります。


標高1000mというアンデス山脈の高地で作られたカカオを使い、チョコチップとバナナとナッツを混ぜ込んだチョコブラウニー「グランパアルベルト」(1個1512円)。さっくりとした軽い生地に、カリカリ食感のチョコチップとバナナの甘い香りが相性抜群です。


シルクショコラ」(7個入918円、15個入り1836円)は、ガナッシュにシルクパウダーをまぶした一口大のチョコレート。口に入れた途端に溶けるほど柔らかく、生チョコのような食べ心地です。


「気軽に食べられるチョコレート菓子」というコンセプトで作られた焼き菓子が「カカオサンド」。「ハイミルク」「ヘーゼルナッツ」「オレンジ」「カフェ」の4種類の味が1個ずつから販売されていて、価格は1個378円。


表面にカカオ豆の模様入り。


チョコレートアイスクリーム「カカオティエ グラス」は、「ショコラフリュイリュージュ」「ショコラノワール」「ショコラブラン」「ショコラジャンドゥジャ」「ショコラオーレ」の5種類のフレーバーがあり、アイスクリーム工房でひとつひとつ手作りで製作されています。価格は1個432円です。


店舗の奥にある、カカオ豆からチョコレートを作る厨房「Bean to Bar」の内部も見てきました。


厨房の壁沿いに、チョコレートを作るための機械がずらり。


実際にチョコレート製作用の機械が動きまくっている様子は、以下のムービーで見ることができます。

カカオ豆からチョコレート作りを手がける「Cacaotier Gokan」厨房の様子 - YouTube


実際にチョコレートを作る工程を見ることもできました。通常は、このような布の袋に60kgほどの豆を詰めて輸入するそうなのですが……


Cacaotier Gokanでは、コロンビアなどのカカオ豆生産国を訪れて農家の方と直接交渉し、専用のカカオ豆を生産してもらっているそうです。豆の発酵から乾燥までの加工は現地で行って、産地が異なる5種類の生豆を取り寄せているとのこと。


カカオの生豆(きまめ)はこんな感じ。


まずは生豆を焙煎機にザラザラと入れていきます。


最初にフタをして蒸し焼きを行ってから、次にから炒りを行い、40分以上かけて豆を熱するそうです。


ドラム状の容器をぐるぐると回しながら、下からガス火であぶっています。


から炒りの際に蒸気が出るので、天井には排気用のダクト。


続いては熱した豆を荒く砕く機械。


砕いた状態の豆は以下のような感じ。試食させてもらったところ、熱した豆の風味が香ばしく、わずかに渋みが感じられました。


こちらは、砕いた豆を皮とカカオニブに分ける機械。風を吹き付けて、重量の軽い皮と重たいニブを自動で分けていくとのこと。


選別した皮はお湯を注いでお茶として飲むことができ、2016年3月1日オープンの2階カフェで提供予定となっています。熱々の状態ではカカオの渋みが強くブラックコーヒーのような風味で、冷ますとチョコレートの風味が出てくる不思議なドリンクでした。


カカオニブは、この機械でペースト状に加工。


ペースト状になめらかになったカカオニブを、最後にミキサーにかけて砂糖とカカオバターを加え、最低でも24時間混ぜ続けることで雑味を飛ばしてさらになめらかにしていきます。砂糖は数回に分けて入れるのがこだわりとのことで、あまり早く入れすぎると、粘度が高くなってしまったり、焦げ付いたりするので、タイミングが重要で試行錯誤を繰り返しているそうです。


ミキサーがぐるぐる回ってチョコレートをかき混ぜ続けている様子は、以下から見ることができます。

チョコレートを24時間かき混ぜ続ける「Cacaotier Gokan」の厨房 - YouTube


混ぜている途中のチョコレートを試食させてもらったところ、口当たりがサラッと軽く、砂糖の甘みが控えめでカカオの芳醇な香りが強く感じられました。混ぜた後に1日寝かせて結晶を安定させてから、翌日に板チョコ状に成形するそうです。


こうして作られたチョコレートがこちら。ガーナ、ベトナム、コロンビアのアラウカとサンタンデール、トリニダード・トバコという、産地の異なるカカオ豆を使ったカカオティエバーが5種類用意されています。価格は1枚972円。


原材料は、カカオマス、砂糖、カカオバターの3種類だけで、市販の板チョコとは異なり保存料や乳化剤などは使われていません。


割りやすいように切れ込みが入っているのは、ドライフルーツ入りのカカオティエバーと同じ。


1個ずつカカオ豆のロゴが入っています。どのカカオティエバーもカカオ分が多く含まれていますが、例えばベトナム産のカカオ豆で作ったチョコレートは酸味が強く、サンタンデール産は後味に渋みが広がるなど、豆の産地ごとに風味が全く異なり、「豆の種類でここまで味が変わるのか……!」と驚かされます。


なお、Cacaotier Gokan高麗橋本店は2016年2月1日(月)グランドオープン。営業時間は月~土曜日が9時30分から20時、日・祝日が9時30分から19時となっています。

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in 取材,   試食,   動画, Posted by darkhorse_log

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