いかの足がピクピク動く新鮮ないか活造りを食べるべく「海中魚処 萬坊」に行ってみた

日本初の海中に浮かぶレストランであり、海中で泳ぐタイやアジなどの魚を見ながら新鮮な海鮮料理を食べられるのが、佐賀県呼子にある「海中魚処 萬坊」です。任天堂Wii Uのゲーム「スプラトゥーン」と佐賀県のコラボイベント「Sagakeen(サガケーン)」で呼子を訪れた際に、いか活造りを食べられる「いかコース」が昼食にちょうどよさそうだったので、食べに行ってみました。
海中レストラン「海中魚処 萬坊」|いかしゅうまい発祥の店『呼子萬坊』
http://www.manbou.co.jp/restaurant/
「海中魚処 萬坊」の住所は佐賀県唐津市呼子町殿ノ浦1946-1、呼子の朝市通りから車で西へ15分ほど走った場所にあります。
バスで行く場合は、呼子バスセンターから加部島行きの路線バスに乗車して、「呼子大橋」で降りると歩いて2分ほどでたどり着けます。なお、乗車時に運転手さんに「萬坊の海中レストランに行きたい」と事前に伝えておけば、駐車場の入り口でバスを止めてもらえる場合もあります。

駐車場からレストランを見下ろすとこんな感じ。建物が海の真ん中にどどーんと浮かんでいます。

駐車場は、お店の無料駐車場が50台分と、近くに町営の無料駐車場があるので、車で訪れても問題ナシ。

さっそく桟橋を渡ってレストランへ向かいます。

萬坊の建物は以下のように海に浮いている「海中レストラン」で、建物の中央には外海とつながったいけすが設置されています。

建物ではなく「船」なので、最大搭載人数は271人までと決まっているようです。

お店に入ると、真正面に水槽が置いてあり、観賞用の小さい魚が泳いでいました。

水槽の奥には巨大ないけす。

いけすの中を泳いでいる魚たちを真上からじっくりと見ることができます。

海上階には、大人数用の広間があります。

窓を開けると、呼子大橋を眺めながら食事することもできるようになっていました。

次は階段を降りて海中の席へ行ってみます。

階段を降りると、正面にドドーンといけすが設置してあり、巨大なガラス窓からいけすの中をのぞけるようになっています。

いけすには、タイやアジ、イサキ、クロ(メジナ/グレ)、イシダイ、メバル、アラ(マハタ)、チヌ(クロダイ)、スズキ、カワハギ、カマス、アラカブ(カサゴ)、サバ、ベラ(ホリ/クサビ)など、さまざまな種類の魚が泳いでいるとのこと。

いけすに泳ぐ魚と店内の様子はこんな感じ。
海中レストラン「海中魚処 萬坊」の店内でタイやアジなどが泳ぎ回るいけす - YouTube
巨大なメジナがこちらに向かって泳いでくる姿は、迫力満点。

群れを成して泳いでいるイサキ。

いけすの底は外海とつながっているので、常に新鮮な海水がいけすの中を満たしています。

いけすのまわりを座席がぐるりと囲んでいて、大勢で座れる広めの座敷があります。

2~4人向きの小上がり席もあります。

1テーブルごとに壁に小窓が付いていて……

海中を泳いでいる魚を見ることができます。時折、大きい魚の影が窓の外を通り過ぎることもあり、食事そっちのけで魚を眺めてしまいそう。

座敷席以外にテーブル席もあり、こちらは白を基調とした内装のおしゃれな雰囲気です。

食事のメニュー表はこんな感じ。いか活造りやいかしゅうまいがセットになった「いかコース」(税込2860円)が人気No.1とのこと。

その他にも「ひらめコース」「鯛コース」「鰤コース」や、お造り、一品料理、丼メニューなども豊富に取りそろえられています。

いかコースを注文して待っていると、まずはいか活造りが到着。

スーパーで売っているようないかの刺身とは一線を画した、透き通ったゲソ。さばいたばかりなので、時折ピクピクと動きます。

いかのゲソがピクピク動く新鮮な活造り - YouTube
ゲソを触ってみると吸盤が指に吸い付くほど。

胴体部分も透き通っていて、ヒレの部分が透けて見えています。呼子のいか専門店「いか道楽」によれば、呼子のいかは水揚げしてから店舗に運んだ後、新鮮な海水を取り入れたいけすで泳がせているため、いかの体にアンモニアがたまりにくいそうです。これによって、身の透明感を保つことができ、さらにいか本来の甘み(糖分)がアンモニアで分解されることなくしっかりと残るとのこと。

しょうゆをつけて食べてみると、さばきたての身は驚くほど甘く、コリコリと歯ごたえがあります。いかを活造りにすることで、色素のある皮と身の間の部分を多く残してさばくことができ、身の甘さを最大限に引き出しているそうで、「今まで食べてきたいかの刺身は一体なんだったのか……」と思うほど臭みもなく、とにかく濃厚です。

胴体部分のお刺身を食べ終えると、以下のようにえんぺらとゲソが残り、「天ぷら」「塩焼き」「煮付け」のいずれかに調理してもらうことができます。今回は天ぷらを選択しました。

えんぺらには「色素胞」という、細い筋肉につながっている細胞があり、筋肉が伸縮することで色素胞がチラチラと点滅しています。
活造りのイカの体がチラチラと点滅 - YouTube
天ぷらを待っている間にも続々とコースの料理が出てきます。茶色のせいろに入った料理は……

いかのすり身を使った真っ白な「いかしゅうまい」。周りにはワンタンの皮を細かく刻んでまぶしてあり、まるで花のようなユニークな見た目に仕上がっています。いかしゅうまいは萬坊の調理場で誕生したメニューで、季節や天候によって余ってしまういかを活用するために生まれたものだそうです。

ポン酢をつけて食べてみると、ふわふわに練り上げられたすり身からはいかのコクや甘みが存分に感じられ、お肉を使ったしゅうまいとはまた違った独特のむっちりとした歯ごたえを楽しめます。

いかしゅうまいの後に出てきたのは、ごはん・お吸い物・香の物。ごはんはお茶わん1杯分までお代わり可能です。

そしていかの天ぷらが到着。天つゆと大根おろしもついてきます。

プリプリのイカの身とサクッと香ばしい衣の組み合わせがパーフェクトで、脂っこくなくアッサリとしているので、いくらでもパクパク食べられそう。

大根おろしを溶いた天つゆにつけて食べると、ダシの旨みが染み込んで、また違った味わいに変化します。

なお、塩焼きと……

煮付けはこんな感じ。

コースの最後に、デザートとして季節の果物が付いてくるので、口の中をさっぱりとさせることができます。

なお、海中魚処 萬坊の営業時間は、平日が11時~18時(最終入店16時45分)、土日祝が10時30分~20時(最終入店18時45分)。天候によってイカの入荷が少なかったり、悪天候の場合はレストラン自体の営業時間が異なる場合があるので、事前に問い合わせてからお店に行くのがオススメです。
・関連記事
スプラトゥーンと佐賀県のコラボイベント「Sagakeen(サガケーン)」開幕、イカの限定グッズ物販ブース「呼子のイカす広場」に行ってみた - GIGAZINE
函館朝市名物「活いかの踊り丼」が欧米の人々から大反響、英紙にも掲載 - GIGAZINE
イカを生きたまま丸ごとしょうゆ漬けにした「函館竹田 真いか沖漬」を食べてみました - GIGAZINE
本格的なイカスミの煮込みやイカのアヒージョが速攻で楽しめる巨大缶詰を食べてみた - GIGAZINE
廃液のように真っ黒で一度食べたらやみつきの「イカ墨のパエリア」を食べてみました - GIGAZINE
いか丸ごと1匹のツヤツヤした姿を再現した手作りの和菓子「いかようかん」試食レビュー - GIGAZINE
・関連コンテンツ