レビュー

地底を探検し素材収集して街を構築する徹底的に練り込まれた設定のボードゲーム「Above and Below」をプレイしてみました


クラウドファンディングサイトの登場により、アナログゲームの一種であるボードゲームの人気が世界中で拡大しつつある中で、クラウドファンディングサイトの1つであるKickstarterで出資を募集していたボードゲーム「Above and Below」が、目標出資金額を見事に達成し製品化されGIGAZINE編集部に送られてきたので早速プレイしてみました。

Above and Below | Red Raven Games
http://www.redravengames.com/aboveandbelow/

これがAbove and Belowです。


Above and Belowは2~4人プレイで13歳以上向け。1回のプレイは約90分になっています。


箱の中には大量のカードやボードが入っていました。


これはトークンと呼ばれるもの。


トークンを1つずつボードから外していきます。


上から村人×18枚、スターティング村人×12枚、スペシャル村人×6枚。3種類とも見た目が似ていますが、2列目にある裏に家がプリントされているのがスターティング村人で、3列目にある洞窟が描かれているのがスペシャル村人です。


梨・魚・キノコ・つぼ・ロープ・鉱物・紙・エメラルドのアイテムトークンは全部で81枚もあります。


ゲームの通貨となるコインは1・5・10があります。


瓶の中に緑色の液体が入ったポーショントークン・タルが描かれているサイダートークン・月がプリントされたラウンドマーカー。


カードは、ハウスカード・左上にカギが描かれたキーハウスカード・星が付いているスターハウスカード・ベッドがプリントされたハウススタートカード・洞窟の中に家が建っているアウトポストカード・サイコロの目が並んでいる洞窟カード・1枚しかないファーストプレイヤーカードの合計7枚。


左の4枚がプレイヤーボードで右の1枚がレピュテーションボード(プレイヤーが直接使用しないボード)です。


これはエンカウンターブック(ストーリーが記載された冊子)。


中には英文がびっしり。


よく見ると番号がふられていて、洞窟内で発生するイベントのストーリーが書かれています。


サイコロは全部で7個で、右のカラフルなキューブはレピュテーションボードに配置するプレイヤーの駒のようなもの。


かわいい木製の駒のようなものと……


このボードのトークンは拡張モデル専用のルールで使用するとのことなので、今回は使用せずに箱の中にしまっておきます。


中身を確認したところでゲームの準備。今回は2人でプレイするので、プレイヤーボード×1とスターティング村人×3をそれぞれに配ります。配られたスターティング村人はボードの左のスペースに置いておきます。


配布するスターティング村人はサイコロだけが描かれたものと、ハンマーが左上にプリントされたもの、羽が左上に描かれたものを1種類ずつ。


プレイヤーに配るのは全部で7コインで、これはスタート時の所持金になります。


スターティングハウスカードをプレイヤーボードの右側に置いたら、プレイヤーボードの準備は完了。


次はスターハウスカードを6枚、キーハウスカードを4枚テーブルに並べます。


レピュテーションボードをテーブルに置いて、村人カードをボードの上部に5枚並べ、残りはボードの右側に裏向けにします。


ラウンドマーカーはレピュテーションボードの真ん中上部にある洞窟の入り口へ配置。


洞窟は7個あり、これはゲームが全部で7ラウンドあるということ。1ラウンド終わると、ラウンドマーカーを1つ下にずらせばOK。


ラウンドマーカーの左側にサイダートークンを置きます。


レピュテーションボードの左下に洞窟カードを表向きにして配置。


アイテムトークン・ポーショントークン・コインはレピュテーションボードに近くに置いておけば大丈夫です。


さらに、ハウスカードとアウトポストカードをシャッフルし裏向けに置き、一番上から4枚ずつとって山の右側に並べます。


4色のキューブから、プレイヤーボードの左上の色と同じものを選んで……


レピュテーションボードのたいまつの位置に置きます。今回はプレイヤー1が緑で、プレイヤー2が青。


最後にファーストプレイヤーカードを、最初にプレイするプレイヤーのボードの左側におけば準備完了。


2人プレイの場合、全てを設置するとこんな感じ。両サイドに並べられているのがプレイヤーに関連するもので、真ん中にはレピュテーションボードを挟み込むようにして3種類のハウスカードとアウトポストカードを配置しました。この並べ方でないとダメというわけではなく、わかりやすければ何でもOKです。


ということで早速プレイヤー1からゲームを開始。基本的には1ラウンドに「探検」「建築」「収穫」「雇用」「労働」という5つのアクションを行えますが、1アクションにつき村人を1人以上使用する必要があります。アクションは1ラウンドで1プレイヤー1回ずつになるものの、村人の数が許す限り何回でも行ってOK。今回は2人プレイなので、交代でアクションを1回ずつ行っていき、どちらもアクションを行えなくなったら、そのラウンドは終了。これを7回繰り返して最後に合計ポイントを競い合うのがAbove and Belowの基本的なルールです。アクションにはかなり細かい設定があるので、プレイしながら詳細を書いていきます。


ゲーム開始時は資金が少ないので、とりあえず「探検」を行ってみます。探検を行うには洞窟カードを1枚引いて、プレイヤーボードの左下に設置。


探検には村人が2人以上必要です。村人の上部に描かれているサイコロが探検でカギを握るポイント。


洞窟カードを引いたらサイコロを1回振り、今回は3が出ました。洞窟カードの下の3の部分の右側に「177」と書かれており、これはエンカウンターブックの177番を読むということ。


エンカウンターブックの177番に書かれている文章をプレイヤー2の人に読み上げてもらいます。177番を要約すると「1人の植物学者が杖をなくして洞窟内で迷っています。あなたは洞窟内落ちているがらくたを使って新しい杖を作ってあげられるかもしれません」と書かれていて、その下に「彼女を助ける」と「彼女からアイテムを奪う」という選択肢があります。「彼女を助ける」には「Explore」と呼ばれる数値が「4」、「彼女からアイテムを奪う」には「Explore 3」もしくは「Explore 7」が必要で、それぞれに報酬が記載されていますが、プレイヤー1は報酬を聞くことが許されていません。つまり、報酬を聞かずに2つの選択肢から1つを選ぶ必要があるということ。


選択肢から1つを選んだら、村人の数だけサイコロを振ります。村人の上に書かれているサイコロの数に対応したランタンをゲット可能で、合計ランタンが選択肢に定められた「Explore」の値よりも多ければ報酬をもらえます。今回はExploreが3と7の「彼女からアイテムを奪う」を選び、サイコロの目は3と1がでました。左側の村人はサイコロが1以上でランタンを1つ、3以上でランタンを2つもらえて、右側の村人はサイコロが4以上でランタンを1つもらえるということ。つまり、今回はランタンを2つしかゲットできず、Explore 3を上回ることができませんでした。


しかしながら、ランタンの数が足りない場合は1人の村人をプレイヤーボードの十字が描かれたエリアに移動させることで、ランタンを1つだけもらえます。これを利用してランタンの数を合計3にして、今回は報酬をゲットすることに成功。


報酬はマッシュルーム×1とコイン×1でした。


ただし、報酬の中に「評価マイナス2」とあったので、レピュテーションボードの自分の駒を2つ下げなければいけません。この「評価」の値は、ゲーム終了時に獲得できるポイントにつながるため、なるべく下げないのがベター。


泣く泣く緑の駒を「-2」の場所へ移動させます。


探検が終わったら洞窟カードをプレイヤーボードの右側に配置。洞窟カードを所有していないとアウトポストカードを建築することができなくなっています。アウトポストカードの建築については、後から出てくるのでここでの説明は省略。


報酬をゲットできなかったときは、洞窟カードを山の一番下に戻せばOKです。


「探検」で使用したもう1枚の村人は、プレイヤーボードの月が描かれたエリアに移動させます。月のエリアおよび十字のエリアはお休みのゾーンになり、ここにいる村人は一番左側のエリアに戻らないとアクションを行うことはできません。また、エリアは1つずつしか戻れないため、一番右にいるひげを生やした村人はエリアを2つ戻らないとアクションを行えないということになります。これでプレイヤー1のアクションは終了。


次はプレイヤー2の番です。


プレイヤー2は真ん中のハンマーが描かれている村人を使って「建築」を行ってみます。


建築で建てられるのは、レピュテーションボードの上にあるスターハウスカードとキーハウスカード……


レピュテーションボードの下にあるハウスカードとアウトポストカードのどれか1つ。


カードの左上に書かれている数字が建築にかかる費用で、スターハウスカードはかなり高め。


反対にキーポストカードは費用が低くなっています。


建築費用に影響しているのがカードの下部に書かれているシンボルです。これは建築すると使用できるスキルを意味し、下記のシンボルは「雇用」のアクション時に追加できる村人をすぐに使えるようになるもの。雇用のアクション時には村人を「休憩ゾーン」にいったん配置しなければならないのですが、画像のカードを持っていると、休憩ゾーンをスキップしてすぐに使用することができます。


これは建築したときにポーションをもらえるシンボル。


スターハウスカードは費用が高いこともあり、サイダートークン・ポーショントークンをコインに換えられるスキルと、サイコロをもう一度振れる複数のスキルが付いているというわけです。


ということでハンマーが描かれた村人を休憩ゾーンに移動させて……


コインを2枚消費して建てられるキーハウスカードをハウススタートカードの右側に配置。手に入れたキーハウスカードは「サイコロを2回振りなおせる」というスキルが付いていました。


プレイヤー2のアクションが終わったら今度はプレイヤー1の番。と言ってもアクションをとれる村人は1人のみ。


アクションを行える村人には羽のマークが書かれていて、これは「雇用」ができるということです。


新しく雇用できる村人はレピュテーションボードの上に並んだ5枚から選べます。ただし、村人の下に「2・3・3・4・5」と書かれていて、その数字の分だけコインを使う必要あり。


今回はコインが少ないこともあり、2枚で雇用できる一番左の女性村人を雇うことにしました。


新しく雇った村人は特別なスキルのハウスカードを手に入れていない限り、休憩ゾーンに移動し、すぐにアクションをとることができなくなっています。プレイヤー1はアクションをとれる村人がいなくなったので、第1ラウンドは終了。


プレイヤー2はアクションを行える村人が2人残っているので1ラウンド目を続行。


村人を2人使って探検を行います。


先に建てていたハウスカードのサイコロを振り直せるスキルを使って……


マッシュルームトークンを1つゲット。


さらに評価もプラス2になりました。


これでプレイヤー2もアクションをとれる村人がいなくなったので第1ラウンド終了です。


ラウンド終了時には先にプレイしているプレイヤーから村人を復活させます。


スターティングハウスカードの下にあるベッドの数だけ村人を復活させることが可能。3つベッドが付いているので……


3人の村人が休憩ゾーンから復活。


ひげの村人はけが人ゾーンにおり、ベッドの数が足りないので今回は復活を断念。


なお、サイダートークンとポーショントークンを持っている場合は、これらを使って復活させることもできます。両トークンとも1枚で1つゾーンを上げることができるので、2枚持っていればけが人ゾーンから休憩ゾーンを一気に飛び越えて復活させることが可能です。


さらに、プレイヤーボードの左下にある「4」の数字の分だけコインを受け取ります。


ここで気になるのがプレイヤーボードの下部にある円形のマス。


ここには手に入れたアイテムトークンを設置でき、上部の数字の分だけゲーム終了時にポイントと、ラウンド終了時にコインをもらえます。例えば、一番左にマッシュルームトークンが1枚ある状態だと、ゲーム終了時に1ポイントを、ラウンド終了時に5コインをゲット可能。


右に行くほど獲得できるポイントとコインの数は増えますが、最初から五つ目にアイテムを設置することはできず、左端から順番に別々のアイテムを並べなければいけません。また、同じ種類のトークンは何枚でも重ねて配置させることができ、枚数分だけゲーム終了時にもらえるポイントが2倍、3倍と増える仕組みです。


以下の画像のように、最初のマスにに2枚、次のマスに1枚設置したとしても、もらえるポイントとコインは一番右に1枚置いたロープに対応した数のみ。この場合だと、ポイント1つとコイン6枚になるわけです。


アイテムトークンの数は限りがあり、画像で縦に並んでいるトークンの下にいけばいくほど枚数は少なくなっています。つまり、一番上のマッシュルームとエメラルドであれば、複数枚手に入れられる確率がかなり違ってくるというわけ。この枚数を考えて配置するアイテムトークンの種類を考慮する必要があります。


プレイ中にアイテムトークンが記載されたハウスカードを手に入れることがあり……


ここにはカード左下の白い○の数だけ描かれている絵柄を山場から置いておくことが可能。


配置したアイテムトークンは「収穫」アクションで村人1人につきトークンを1つゲットできます。同じ種類のトークンを増やせば、ゲームとラウンド終了時に獲得できるポイントやトークンが変わっているので、収穫も重要なアクションです。


なお、「労働」は村人1人を使ってコインを1つ得られるというアクション。プレイ中に労働を行うことは少なく、コインがどうしても1枚足りないという時しか行いませんでした。


約2時間ほどで全7ラウンドが終了。


全てのラウンドが終了したら、ポイントの計算です。


プレイヤー1はコインを25所持していますが、コインはポイントに交換することはできません。


アイテムトークンをかなり集めた上に、ツボのトークンが「2ポイント」の場所に4枚あるので2ポイント×4で8ポイント獲得。


また、建築したカードの数だけポイントをもらえるので6ポイント加算。


所有していた以下のハウスカードは「ポイント2」のスキルがあり、これでも2ポイント加算されます。


さらに、17コインを消費してゲットしたスターハウスカードは「12ポイント」に加えて「紙」および「エメラルド」1枚につき2ポイントずつゲット。エメラルドを2枚持っていたので、4ポイント加算され合計は32ポイントでした。


次はプレイヤー2のポイント精算。32ポイントを上回れるのかが勝負のカギになります。


プレイヤー2はアイテムトークンを集めたものの、ポイントに交換できないコインが大量に余っています。


建築したハウスカードの数も4枚と少なめ。


また、ハウスカードのスキルから獲得できるのは1ポイントのみでした。


しかしながら、レピュテーションボードの「評価」がプレイヤー1より高かったので報酬として3ポイントをゲットで、合計は16ポイント。ゲームはプレイヤー1の圧勝で幕を閉じました。


なお、スペシャル村人は今回のプレイで一度も登場しませんでしたが、「探検」のアクション時に手に入れられることがあるそうです。


Above and Belowはルールこそ複雑ですが、全てを理解すると現況や先のことを考えながらプレイすることができ、じっくりと作戦を練るのが好きな人はかなり楽しめそう。ただし、現状ではKickstarterで出資を行った人しか手に入れることができないので、公式サイトで販売されるのを待つか、日本で日本語バージョンがリリースされるのを待つ必要があります。

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in レビュー,   ハードウェア,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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