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弁護士さえも「10年以内に弁護士が人工知能に取って代わられる」と考えている


オックスフォード大学の研究者が発表した「(PDFファイル)The Future Of Employment(雇用の未来)」という論文に、「10年後になくなる職業」として不動産業者、ホテルの受付係、映写技師などさまざまな分野の職業が挙げられていて話題になりました。そのリストの中に「パラリーガル」と呼ばれる法律事務所で弁護士のサポートをする職業が挙げられていましたが、実のところ経営者クラスの弁護士(パートナー)の多くが、若手の弁護士さえも人工知能によって取って代わられると考えていることが調査から明らかになっています。

U of T students’ artificially intelligent robot signs with Dentons law firm - The Globe and Mail
http://www.theglobeandmail.com/report-on-business/industry-news/the-law-page/u-of-t-students-artificially-intelligent-robot-signs-with-dentons-law-firm/article25898779/

トロント大学でIBMの人工知能システム「Watson」を使って人工知能の研究を行っていた学生が中心となって立ち上げたスタートアップ「NextLaw Labs」は、法律に関する事務処理を行うソフト「ROSS」を開発しています。ROSSは単なるデータベースではなく、Watsonの人工知能技術を使って、数百万の判例や法律文書を検索・参照することで、与えられた法律上の問題に回答する能力を持つそうです。


このROSSの持つ高い能力を見て、カナダの大手法律事務所のDentonsは、NextLaw Labsに出資しています。もちろんDentonsはNextLaw LabsのROSS開発に実務レベルでも協力をしているとのこと。Dentons社内ではROSSはすでに判例検索だけでなく、破産法に関するデータベースとして実際に活用されており、プログラムは日々改良されているそうです。

Dentonsのパートナー弁護士であるアンドリュー・アルーダ氏は、ROSSがまだまだ開発の初期段階にあることは認めつつも、「質問を通じて法律概念を理解することができ、まるで人間のように学習して経験を積み、成長できる」と述べ、ROSSの持つ潜在能力を高く評価しています。

判例集や法文など紙の資料をどんどんコンピュータシステムに置き換えているROSSですが、近い将来、「人」を置き換えることになるとみられています。つまり、法律事務所で実務をサポートするパラリーガルはもちろん、弁護士でさえコンピュータが代替することになるというわけです。

アメリカの所属弁護士数50人以上の法律事務所320社のパートナー弁護士のアンケートを基に作成された調査報告書「(PDFファイル)2015 LAW FIRMS IN TRANSITION」に取り上げられた、「5年から10年のうちに人工知能が法律実務家に置き換わると思うか?」という質問の回答結果によると、パラリーガルが取って代わられると答えた経営者クラスの弁護士は47%おり、1年目の新米弁護士が取って代わられると答えたのは37%にものぼります。さらには13.5%の弁護士は自分たちと同じパートナークラスでさえも人工知能に取って代わられると考えているという衝撃の結果になっています。

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