取材

卓球ロボから「やわらか制御」、家族の見守りなどオムロンのブースでは数々のセンシング&コントロール技術を展示


幕張メッセで2015年10月7日(水)~10月10日(土)の期間で開催される「CEATEC JAPAN 2015」のオムロンブースでは、昨年よりも性能がアップした「卓球ロボット」や映像認識技術を応用したネットワークカメラなど、独自の技術を取り入れた実演の数々が行われています。

CEATEC JAPAN 2015 オムロンブース出展のご案内 | オムロン
http://www.omron.co.jp/press/feature/2015/20150918.html

オムロン(株) | 出展者詳細情報 | CEATEC JAPAN 2015 ( シーテック ジャパン 公式サイト )
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=5128

オムロンのブースに到着。ブースの一角では、卓球ロボットが実際に人間とラリーを行っている様子を見ることができるほか、会期中は実際にロボットとのラリーを体験することもできるとのこと。


昨年より進化したという卓球ロボットはこんな感じ。手前から人が打つボールの弾道を読み、テキパキとしたラケットさばきでボールを打ち返しています。よく見れば、打ち返すコースが毎回異なっているのが面白いところです。会場の喧噪にかき消されていることもありますが、ロボットが動作する音はほとんど聞こえてきません。


実際に卓球ロボットが動いている様子は以下のムービーから。ロボット上部のディスプレイに表示されているように、ロボットが打ち返すコースはあらかじめ画面上で表示されていることがわかります。これが2015年型の新機能とのことで、打ち返しの予測軌道と落下点を卓球台に事前表示することで、プレイヤーに次のスイングを支援・アシストさせ、やる気や能力を高めることを実現しているとのことです。

リアルな人と卓球ラリーができるオムロンの「卓球ロボット」が実際にラリーしている様子 - YouTube


ロボットの傍らには、制御用の装置と思われる機器類が置かれていました。


卓球ロボット同様に、思わず「おおっ!」と声が出てしまうのが、この「やわらか制御」のデモコーナー。赤いボールを机の上に落して実演が行われるのですが、通常だとボールがもちろん弾んでしまうのに対し、「やわらか制御」が入るとまるでボールが机に吸い付くようにピタリと止まってしまいます。


「やわらか制御」が実際に動作している様子は以下のムービーにて。1回目が普通の状態で、2回目には制御が入っている状態を見ることができます。よく見ると、ボールの下にあるシルバーのプレートが「グググッ」と小刻みに動いていることがわかります。ボールが弾まない仕組みは、センサーがボールが反発しようとする力をセンシングし、その力を打ち消すようにプレートを動かすことで弾みを相殺してしまうようになっているとのこと。まさにセンシング&コントロールに示されるオムロンの技術が活用されているデモといえます。

オムロンの「やわらか制御」で落としたボールの弾みがウソのように相殺されてしまう様子 - YouTube


この「やわらか制御」の機構は、すでに精密機器の製造ラインなどで実用化されているとのこと。私たちが知らない間に、多くの人が「やわらか制御」のお世話になっているのかもしれません。

センシング技術を活かし、オムロンでは映像センサーを解析する技術を取り入れた見守りカメラセンサーの「家族目線(HVC-C2W)」を発表しています。


カメラが捉えた相手の様子をネット経由で見ることができるほか、センサーが捉えた映像を解析することで、人物の顔や手の検出・人体検出・ペット検出・動体検出・音声検出・顔認証・性別推定・年齢推定・表情推定・顔向き推定・視線推定・目つむり推定の13機能を実現しているというモデルで、まさに家族の「見守り」のために開発されたモデルとのこと。


かわいくディスプレイされた「家族目線」の数々。なお、残念ながらカメラが乗るかわいい胴体部分は非売品とのことです。


例えば、このように赤ちゃんの様子を見守ることができたり……


赤ちゃんが笑ったことを検知して、自動で画像をmicroSDカードに記録する機能もあるとのこと。さらに、赤ちゃんの動きを検知したり、周囲の音を解析することで泣き始めを検知した場合にはお母さんに異変を知らせるといった使い方もできるとのこと。


自動で記録された笑顔はこのようにリスト化され……


スマートフォンやタブレットで閲覧することが可能。センシング技術を活かしてならではの機能といえそうです。


「家族目線」は手のひらにのるサイズで、すでにAmazonなどで販売中とのこと。赤ちゃんはもちろん、遠く離れて暮らすご両親の安全を見守るといった使い方にも便利とのことです。


【公式】見守りカメラセンサ「家族目線」|オムロン
http://plus-sensing.omron.co.jp/kazoku-mesen/

超小型の体温センサーも展示されていました。


展示されていたモデルは試作機とのことですが、使用時のイメージはこんな感じ。バッテリーを内蔵した小型のケースにセンサーが収められています。


真ん中にある四角い部分が体温を検知するセンサーとのこと。常に身に付けても気にならないほど小型化することで、従来のように体温計を使った検温の煩わしさを解消すると同時に、体表温と「温度の流れ」をセンシングすることで、体の内部の体温までをも測定することが可能だそうです。


この体温センサーは現在も開発が進められており、実際に製品化されるのはもう少し先になりそうとのこと。近い将来には、小型の専用デバイスが開発されたり、スマートウォッチなどに組み込まれることで、誰でも24時間体制の体温測定が可能になる日が来るのかもしれません。


オムロンのブースではこれ以外にも、より安全な交通社会を目指した「モビリティコーナー」など、多くの興味深い技術が展示されていました。

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in 取材,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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