驚異の走破性、生き物のように4本の脚で路面をガッチリ捉える「Swincar」

従来の常識では考えられないほど自由に動く脚を持ち、どんな悪路や斜面でもタイヤがガッチリと地面を捉えてぐいぐい走る電動4輪バギー「Swincar E-Spider」が登場しました。
Véhicule électrique tout terrain proche du quad - Swincar
http://www.swincar.fr/#versionuk
Part Spider, Part Car: Swincar Can Drive Over Anything
http://www.vocativ.com/news/217704/part-spider-part-car-swincar/
「Swincar E-Spider」はフランスのMecanroc社が開発した一人乗りの車両で、各タイヤに取り付けられたモーターの力で走行します。Mecanrocのサイトでは「ATV」(All Terrain Vehicle:全地形対応車)」と紹介されており、その走破性は目を見張るほど。

以下のムービーでは、4つのタイヤで踏ん張りながらさまざまな路面を駆け抜ける様子を見ることができます。
SWINCAR Spider Electric 2 - YouTube
45度ぐらいありそうな急な斜面を降りるE-Spider。普通の車両なら滑り落ちてしまいそうですが……

何ごともなかったかのようにクリア。

目を奪われる走行風景。片輪を土手に乗り上げているのに、人が乗る車体部分はほぼ水平のままになっている点に注目です。

まるで壁のような斜面に突進し……

全身をよじるようにして斜面を駆け上がります。車体はすごい角度になっていますが、タイヤはほとんど地面から離れていません。

まるでクモが地面をはうように、大きな石も難なくクリア。独自設計のサスペンションがなせる技です。

自由自在に動くサスペンションがガッチリと大地をつかむので、こんな深い溝でもクリアしてしまう驚異の走行性能。

E-Spiderは、とにかく従来の車両の概念を越える仕組みの乗り物といえそうです。

驚異の走破性の秘密は、他に類を見ない足回りの構造と、ゆりかごのように独立した車体本体の動きといえそうです。以下の写真では、斜めになった地面に合わせて傾く足回り部分と、その影響を受けずに直立した車体の関係がよくわかります。

独立した動きを可能にしたことで、コーナリング時にはバイクのように車体が内側に傾きます。同時にタイヤも内側へと傾くことで、最大限のグリップを得るようになっています。この車体の傾きを、電子制御ではなく機械式に実現しているところがMecanrocの独自開発した技術とのこと。

車体は軽量なアルミニウム製で、万が一の転倒時にも乗員を守るロールバーを装備。車体は全長1.95m×車幅1.2から1.3mで、全高は1.3m。出力1kWのモーターを各車輪に直結し、容量2kWhまたは4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載します。

メーカーの資料では、走行可能時間は約4時間で、急速充電を使うと2時間で充電が可能とのこと。最高時速は仕様にもよりますが時速20kmから40kmと発表されています。
Swincar E-Spiderは2015年8月25日からフランスのリヨンで開催されるモーターショーに出展される予定とのこと。2015年末には市販を開始したいとのことなので、現地を訪れる機会のある人は要注目です。
Swincar présent au salon de l'Auto de Lyon - Swincar

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