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Windows 10・Windows 8.1・Windows 7の性能を比較し検証するとこうなる

by Brett Morrison

7月29日からアップグレードが可能になった「Windows 10」は、Windows 8で不評だった部分をいくつか改善して、より使いやすいOSに生まれ変わっています。では、その性能面は従来のOSに比べてどう変わったのか、TechSpotが検証を行っています。

Windows 10 vs. Windows 8.1 vs. Windows 7 Performance - TechSpot
http://www.techspot.com/review/1042-windows-10-vs-windows-8-vs-windows-7/


テスト環境は以下のものを使用。
プロセッサ:Intel Core i5-4670K(3.4GHz-3.8GHz)
マザーボード:ASRock Z97 Extreme6
メモリ:8GB DDR3-2400 RAM
グラフィックス:NVIDIA GeForce GTX 980 グラフィックスカード
SSD:Crucial MX200 1TB
電源:SilverStone Technology ST75F-GE(750W)

◆起動・復帰時間
PCを使うとき、まずは起動に時間がかかるかかからないかが重要。「起動が遅い」「動作が重い」というのはそれだけでストレスを感じてしまいます。新しいOSであればこの点は考えられているはずなのですが、実際に起動時間をBootRacerで測定したところ、最も起動が早かったのはWindows 8.1、続いてWindows 7で、Windows 10は最もゆっくりだったとのこと。


ただし、時間は8.1が4秒、7が5秒、10が6秒と、それぞれ1秒ずつ違うだけ。使っているうちにWindows Updateが行われて何らかの修正パッチが適用されたり、サードパーティのアプリケーションをインストールしたりして、ハードウェア・ソフトウェアの構成が変わることで、この数字は変わるので、「10は最新なのに遅い!」と騒ぎ立てるほどの数字ではないといえます。

PCを使っていると「電源を落とす&起動する」よりも「スリープにする&スリープから復帰させる」の方が多いので、起動時間はもちろんですが、スリープからの復帰時間も短い方が良いものです。テスト機はデスクトップPCだったのでハイブリッドスリープからの復帰時間の測定を実施したところ、最も復帰が早かったのはWindows 10で10秒、続いてWindows 8.1で12秒、Windows 7は17秒と、OSの新しさの順番になりました。


ハイバネーション(休止状態)からの復帰も順番は同じで、10が21秒、8.1が23秒、7が27秒でした。

◆総合ベンチマーク
CINEBENCH R15PCMark 73D Particle Movement Benchmarkという3種類の総合ベンチマークを使ったところ、CINEBENCH R15とPCMark 7ではいずれもWindows 10>Windows 8.1>Windows 7というスコアになりました。

3D Particle Movement Benchmarkではそれほどの大差はつかなかったもののWindows 8.1>Windows 7>Windows 10と、最新のWindows 10のスコアがWindows 7にも負けるという結果が出ました。


◆アプリケーション
続いては、アプリケーションをどれだけ快適に使えるかのテストで、Microsoft Excel 2013のファイルを開く速度、Firefox・Chrome・Microsoftのブラウザ(Internet ExplorerとEdge)でMozilla Krakenのベンチマーク、WinRAR 5.0の圧縮速度、Adobe Photoshop CC・Adobe Illustrator CCのファイルを開く速度、7-zipの圧縮速度が測定されました。

ほとんどのテストで3つのOSに大きな差は出ませんでしたが、Internet ExplorerとEdgeのベンチマークでは、Windows 7/8.1/10のIEがそれぞれ1700ミリセカンドをちょっと越えるスコアだったのに対して、Windows 10のEdgeは984ミリセカンドと圧倒的。


ただし、Mozilla Krakenのベンチマークスコアとして考えると、FirefoxはWindows 7が933・Windows 8.1が963・Windows 10が1030、ChromeはWindows 7が852・Windows 8.1が930・Windows 10が919と、いずれもEdgeを上回っており、Microsoft製ブラウザのスコアの低さが目立ちました。

◆ストレージ
3つのOSで同一ストレージを使いどれだけの読み書き速度が出るのかを測定するにあたって、テスト環境のストレージをSamsung SSD 850 Pro 512GBに変更。

いざ測定したところ、CrystalDiskMark 5.0.2のシーケンシャル(Q32T1)ではほぼ大差ないスコアでしたが、ランダム4KiB(Q32T1)だとWindows 7の書き込み速度のみ明らかに遅くなりました。


さらに、ストレージをSamsung SM951 NVMe SSDに変更し、Windows 10とWindows 8.1のベンチマークを実施しましたがスコアはほぼ同じ。ただ、ランダム4KiBの書き込み速度では、Windows 8.1が247MB/s、Windows 10が228MB/sとちょっと差がつきました。


◆エンコード
「オープンソースのビデオ変換ソフト・HandBrakeで720pのmkvファイルをmp4ファイルに変換」、「Hybrid x265でYouTubeの4K映像をx265に変換」、「x264 HD Benchmark 5.0.1でベンチマーク」と、エンコードについては3種類のテストを実施。

その結果、3つのOSで大きな差は見られませんでした。

◆ゲーム
パフォーマンス測定に使われたのはBioShock InfiniteMetro Reduxヒットマン・アブソリューショントゥーム・レイダークライシス3の5作品で、いずれも品質はMaxやHighなどに設定。

しかし、ここでも3つのOSで大きな差は出ませんでした。これはクライシス3のスコアで、解像度が1680×1050のときはWindows 10(72.1)>Windows 7(70.6)>Windows 8.1(68.7)、解像度が1920×1080のときはWindows 10(68.0)>Windows 8.1(67.9)>Windows 7(66.3)の順ですが、差はわずか。


◆結論
Techspotの結論は、Windows 7を動かしているハードウェアなら、Windows 10にアップグレードしても性能面ではまったく問題は起きないだろう、というもの。ここまでの性能比較から見ると「Windows 7・Windows 8.1・Windows 10には性能面では大きな違いはない」と考えていてよさそうですが、今後はDirectX 12を使ったゲームなど、Windows 10でなければ動かないものも出てくることになるので、Windows 10だとどうしても動作しないソフトがあるなどの事情がある人以外は、環境を移行することになりそう。

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in ソフトウェア, Posted by logc_nt

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