メモ

なぜセガは任天堂をブラジルのゲーム機市場で圧倒できたのか?

By niXerKG

かつてメガドライブやセガ・サターン、ドリームキャストといった家庭用ゲーム機を送り出していたセガは、スーパーファミコンやニンテンドー64を有した任天堂、PlayStationのソニーを打ち崩すことができず、2001年に家庭用ゲーム機の製造販売から撤退しました。2015年現在ではPlayStation 4やPlayStation Vitaのソニー、ニンテンドー3DSやWii Uの任天堂、Xbox OneのMicrosoftの3社が家庭用ゲーム機市場でひしめきあっていますが、南米のブラジルではセガの「セガ・マークIII」や「メガドライブ」がいまだに新品で発売されており、世界や日本では見られないゲームハードの動向を見せています。

Brazil Is An Alternate Video Game Universe Where Sega Beat Nintendo | Atlas Obscura
http://www.atlasobscura.com/articles/brazil-is-a-video-game-alternate-universe-where-sega-beat-nintendo

ブラジルでセガ・マークIII(マスターシステム)が発売されたのは、日本での発売から3年後の1988年のことです。UOL Gamesによれば発売から20年以上が経過した2012年時点で、ブラジル国内で稼働しているセガ・マークIIIは500万台あり、年間販売台数が約15万台もあったとのこと。数年ごとに新しい家庭用ゲーム機が登場する市場で、20年以上も前のゲームハードが売れるのは非常に珍しい現象です。

By Francisco Hernández (Paco)

セガ・マークIIIが日本で発売された当初、セガと任天堂はゲームハード2大企業とも言える勢いで家庭用ゲーム機市場で激しい争いを繰り広げていました。しかしながら、著名ゲームメーカーと独占契約を結ぶ任天堂がゲーマーだけでない幅広い一般ユーザー層をも引きつけるゲームを販売していたのに対して、セガは一般ユーザーを取り込むのに苦戦を強いられていました。

その後、セガはメガドライブやドリームキャストといったハードを販売するものの、万人に人気のあるキャラクターを全面に押しだしたニンテンドー64や、ドラゴンクエストVIIやファイナルファンタジーVIIなどの高い人気を博したゲームを送り出したPlayStationに太刀打ちできず、2001年に家庭用ゲーム機市場からの撤退を表明しました。

しかしながら、ブラジルでは全く逆の現象が起こっていました。セガがブラジルに進出した際、同社はブラジルで最も有名なゲームメーカーのTectoyとライセンス契約を結び、ブラジルではTectoyがセガの代理店としてマスターシステムを発売。一方の任天堂は1993年までブラジルに代理店を設けず、正式なファミコン(NES)が発売されていないにもかかわらずNESの海賊版が大量に出回るという事態を招いてしまいます。

By Wooly Matt

また、ブラジルではゲームハードなどの精密機器に対して高額な「輸入税」が課せられており、例えば、PlayStation 4は日本で3万9980円、アメリカで399ドル(当時のレートで約3万9800円)で発売された一方で、ブラジルでは1899ドル(約18万9000円)という考えられないほど高額な価格で発売されたこともあります。各メーカーはブラジルにおけるゲームハードの輸入税に関して大きな問題を抱えていましたが、Tectoyがブラジル国内で開発を請け負ったセガ・マークIIIやメガドライブには輸入税が課せられなかったため、ブラジルの家庭用ゲーム機市場を独占することができたそうです。

国内最大手のゲームメーカーと独占契約を結び輸入税の影響を受けなかったセガは、他国でNESが人気を高める中、マスターシステムがブラジルで大成功を収め、その後に発売されたメガドライブも好調で、セガのゲームハードはブラジルの家庭用ゲーム機市場を圧倒しつづけることになります。

Tectoyはセガが2001年にゲームハード事業から撤退した後もマスターシステムとメガドライブの製造および販売し続け、ストリートファイターIIやモータルコンバットIIIといったゲームをマスターシステムに移植したり、自社オリジナルのゲームを発売するなどセガのゲームハードに力を注いできました。2015年現在で、マスターシステムは132本ものゲームがインストールされた新品が50ドル(約6200円)で販売されており、最新のゲーム機で712ドル(約8万8000円)もするPS4と比べれば破格の安さになっています。

By O. Cagri Celen

任天堂は2015年1月にブラジルの家庭用ゲーム機販売から撤退を表明。ソニーはかつてのセガと同じようにゲーム機を現地で生産し価格を抑える戦略をとって人気を保持しています。日本で影も形もなくなってしまったセガの名ハードたちですが、ブラジルでは今なお多くの人々に愛されているようです。

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in ゲーム,   メモ, Posted by darkhorse_log